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小谷捕手、嫁ぐ。  作者: ノロ・インフルエンザ・ボロノロス
第一章 小谷捕手、発見される
3/5

小谷捕手、発見される②

挿絵(By みてみん)



 廿楽すずめ、十五歳、身長一七三センチ。

 日本人とアメリカ人のハーフであり、日本人離れしたスタイルの良さを持つその少女。

 それは海を越えてアメリカ、カリフォルニアではかなり有名な人物であった。

 元体操選手で今は人気スポーツトレーナーとして名を馳せている父と、アメリカでは名の知れた大企業の社長令嬢として名高い母を持ち、仕事の都合上、四歳の頃に日本からロサンゼルスにへと移り住んだ事から、彼女の野球伝説は始まったのであった。

 八歳の頃から、お遊びで始めたソフトボールでは、同年代の女の子はおろか年長を相手にしても引けを取らない程、高い身体能力で周囲を圧倒。

 十歳で野球に転向すると、当時から一六〇あった身長と身体能力で、女の子ながら名門のトラベルボールチームに入団し、不動のエースに。

 その男子を全く寄せ付けない、変幻自在の投球術は地元メディアからも注目され、所属していたリーグでも、投げれば勝つとまで言わせしめる天才少女とその名を轟かせた程だ。

 しかしそれ故に、彼女は野球を続ける上で孤独を感じざるを得なかった。

 野球の実力では既に、彼女には同年代に敵は居ない。

 自身が有名になってからは、年上との対決や更に高いレベルでの野球に触れる事は多々あったものの。同じ価値観を共有できる仲間が誰一人、彼女にはいなかった。

 この広い野球大国をもってしても、独走する彼女を止められる同期は誰一人いない。

 そんな彼女はこの頃から、自分自身を天才と名乗るようになり、傍若無人に振舞うようになってしまう。

 魔球を操る少女、海外では魔女ウィッチと称賛されていた廿楽すずめ。彼女はいつしかトラベルボールチームもやめてしまい、ひたすら壁を相手に魔球の練習をし続けた。

 こうして自分勝手に魔球道を突き進み続けた結果。気づけば球を受けてくれる相手すら、探すのも困難になっていた。


 しかし、そんな時だった。

 彼女はふとしたきっかけで参加した国際大会の中で、祖国日本の代表捕手として招集されていた、とある野球少年に出会う。

 その少年とは合同練習内でその投球を受けてもらっただけ。

 しかし廿楽は少年と対峙し、これまでにない衝撃を感じていた。

 同年代では捕手が取る事も出来ないとされていたすずめの変化球を、少年はいともたやすく、すずめの目の前でそれを捕球したのである。

 初見で、それも何のサインも出さずに。少年は練習中、彼女の球を一度も後ろに逸らすことなく受けきったのだ。

 自分に匹敵する同年代の相手は居ない。そう思い込んでいたすずめにとって、それはちょっとした衝撃だった。

 それと同時に、彼女はどうしても見たくなった。この少年が、自分の球を捕り溢す瞬間を――。

 しかし、それは当時の彼女ではかなわなかったのである。

 何十球と投げても、どんなに全力投球をしても、少年はすずめの球を受け止め続けた。

 僅か十一歳のひょろひょろとして体躯の小さい少年が、当時から背が高く身体能力に自信を持つ天才少女の球を、何球も、何十球も。

 もちろんそれは勝負の世界では無かった。

 実際に少年にその魔球が打たれた訳では無く、ただ一人の捕手が投げ込みをしていた投手の球を、後ろに逸らすことなく受けきっただけの話かも知れない。

 しかし廿楽すずめという、最強を自負している変化球投手にとって。いとも簡単に渾身の魔球を捕球されたという事実が、もはや敗北に等しかったのだ。

 やがて投げ疲れたのか、少女はその場に崩れ落ちて行く。その時、彼女は生まれて初めて、心の底から敗北した気分を感じていた。

 男女間に違いはあれど、同じ目線で野球を行っているその少年に対し、すずめは初めて対等な存在を見出す事が出来たのだ。

 そして、そのままその場に座り込んだ少女、すずめに対し、少年は右手を差し伸べながら表情に笑みを浮かばせ、こう語り掛けてきた。


「君、本当に凄い変化球投げるね。けど、君の球には欠けてるものがある」


 少女はその答えを問うが、少年は笑みを浮かべたまま、何も語ってはくれなかった。

 その意地悪な少年へのもどかしさからか、差し伸べた手を払い、自力で立ち上がりながら睨むすずめと笑みを浮かべる少年。

 そっと差し伸べていた手を戻し、そのままその場を立ち去る少年は、最後に自らの事をこう名乗る。


「俺の名前は小谷敦士こたにあつし、史上最強のバッテリーを組む為に生まれた男だ。……いずれ君とは世界の舞台で、戦う事になると思う。その時までに、答えを自分で探してみなよ」


 そう言いながらその場を去って行く少年を、すずめは彼こそが日本球界を代表する、最高の捕手になる男なのだと信じて疑わなかった。


 その後、すずめはアメリカに戻り、再びトラベルボールチームに入団すると、再びチームのエースとして頂点に君臨し続ける事となる。

 国際大会が終わった後も、性格は高慢で、自らを天才と名乗るのは変わらなかった。しかし、以前とは明らかに変わった事があった。

 ――いつか、再び少年にあった時、一泡吹かせてやる位に強くなってやる。

 こうして、『真の史上最強』になると言う目標を掲げ、廿楽すずめは常に上を目指すようになったのであった。

 


 そして、それから四年の月日が経過する。

 何がどうしてこうなってしまったのか。廿楽すずめは史上最強の天才を掲げ、祖国日本へと再び戻って来たのであった。

 米国ではトラベルボールの世界でチャンピョンに輝き、日本人女性初のメジャーリーガーが誕生するかもしれないと、密かに注目された彼女は今、ひっそりと日本の進学校へと転入しようとしている。

 彼女の活躍は日本ではあまり知られてはいなかった。

 日本の野球ブームが衰退している昨今では、海外で活躍する日本人少女の事など、取り上げる機会がないのである。

 それ故に実力を知っている者は少なく、彼女が堂々と街中を歩いていても、誰も気づく事はない。

 一応、名前だけは知っているという野球関係者も居なくは無い。

 しかし大抵は、普段野球帽で隠れている特徴的な髪の毛に気を取られ、人違いだと思われてしまいがちだ。

 それでも、彼だけは。

 小谷敦士という人物だけは、自分の事を覚えてくれているだろう。

 そう、この時までは本気で思っていた。

 当時、いずれは戦う事になると語り、自分を好敵手と認めてくれたあの少年ならば――。と、本気でそう思っていたのだ。

 しかし、それは幻想だった。

 四年の月日が経過し、当時の面影を何一つ残してないその少年と再開した瞬間。

 彼女が抱いていた、史上最強の幻想は音も無く崩れてしまったのであった。








 夕闇が支配し、日中は光の中に隠れていた月が、どんなに手を伸ばしても届かない空の上で笑っていた。

 ロサンゼルスの眩しい夜景に慣れていたからなのか、夜景が美しいと言われる横浜の市街地にすら寂しさを感じながら、廿楽すずめは天を仰ぐ。

 子供の頃、日本で見た夜空にはもっと星があった気がする。

 空が明るくなったのか、それとも周りが明るすぎて星が見えないのか。

 夜空に浮かぶのは、薄らと見える形を持たない灰の雲。

 そして高い所から人々を見下だしながら、夜空に留まる丸くなれない月だけだった。

 人も街も空も、何もかも時が全てを変えていってしまうこの世界。

 それでも少女は見出そうとしていた。

 十一の夏、自分の心の中に輝いていた一番星を。


「あら、お嬢様。お帰りなさいませ」

「ただいま戻りましたわ、クロエ」


 横浜市内の高層マンションの一室。すずめが扉を開けると、エプロンドレス調の衣服を身に纏う、ブロンドヘアの女性がすずめを出迎える。

 すずめは玄関を上がると、綺麗に家具が並べられた室内を見渡す。

 ロサンゼルスで暮らしていた頃の屋敷に比べると、少々手狭には感じるが世話役と二人だけで暮らす分には悪くない。

 家具やインテリアが綺麗に飾られ、雰囲気が醸し出されている室内にすずめは感心する。


「この内装はクロエが監修したのかしら、悪くないわね」

「はい、大体の配置は私が決めさせていただきました。お嬢様の気に召したようで幸いです」


 クロエと呼ばれた女性はすずめに対し頭を下げ、従者のように振舞って見せた。

 彼女の名はクロエ・ディアス。ロサンゼルスの屋敷で、廿楽家にかれこれ七年程仕えている使用人だ。

 年齢二十五、すずめとは丁度十歳離れており、世話役として六年程前から、日々すずめに付き添っている。

 世話をするすずめのキツイ性格も相まってか、彼女自体には割と大人な印象を受ける事が多い。

 すずめも彼女自身には一定の信頼をおいており、本来は両親の心配もよそに、単身で日本の学校に乗り込むつもりだったすずめが、唯一日本に同行しても良いと指定した使用人が世話役のクロエだったという。

 そんな世話人のクロエは少しだけ、心配そうな表情を浮かべながらすずめに対し本日の成果を訪ねようとする。


「それでお嬢様、その……溝浜爛漫高校でしたっけ? あの方にはお会いできましたでしょうか?」

「ええ、けれど私との約束は忘れられておりましたわ」


 クロエは帰って来てそうそう、すずめが少し寂し気な表情をしているのに気づいていた。

 すずめとクロエはこの日、来日したばかりでまだ何も飾られてないこの部屋に共に訪れていた。

 しかし、居ても立ってもいられなかったすずめは、五年前から使っているグラブと溝浜爛漫の体操着を持ち、そのまま目的の少年がいる学校へと向かってしまったのだ。

 クロエはすずめから、こうして日本へと向かう目的をこれまでに何度も語られてきた。

 小谷敦士という人物に関しては、クロエは特に詳しくは知らなかったものの、それなりに凄い人物である事は何となく理解している。

 何せ世話役として務めているクロエが、何年もかけて仕えているすずめの信頼を得たのに対し、その少年はたった一度、共に野球をしただけですずめが後に探し出す位、入れ込んでいるのだ。

 しかしクロエは、すずめが長年想い続けていた感動的な再会を果たせなかった事を少しだけ残念そうに思うも、心の中では、ここまで執着されている小谷敦士という人物の事を同情していた。


「どちらにせよ野球の強豪からかけ離れた地点で、心変わりしていた可能性は高かったですけどね」

「そんな事は関係ありませんわ、日本の野球は弱小と呼ばれるチームが血反吐が出る程練習して強豪を倒すのが醍醐味と聞きますわ?」

(それは漫画とかのお話では……?)


 あまり現実的じゃないおとぎ話のような例を挙げながら、野球観を語るすずめに対し、困惑するクロエ。

 しかし敦士に対して同情はしているものの、仕事は仕事。

 すずめが納得いくまで付き合うのが使用人の役目。余計な口出しはする必要はないのである。

 クロエが余計な事を言わまいと心の中に感情を押し込めていると、すずめはこう続ける。


「それに、ちょっとデリカシーはありませんけれど。あの人の才能はやはり衰えてはおりませんでした」


 まさか、自分の事を完全に忘れられてるとは微塵も思っていなかったものの、敦士との邂逅に手応えを掴んでいた様子のすずめ。

 再戦の約束を果たす為、トラベルボールリーグで常にトップの成績を残し全米選抜にも選ばれたU-15大会。

 再び出会う事になるだろうと思っていた、全日本中学野球選抜のメンバーに小谷敦士の名が無かった時は、何かあったのかと不安を感じていたすずめだったが、それは杞憂だと語る。


「あんな環境でも誰よりも早く野球に取り組む姿勢、ユニフォームの着こなし。そして、キャッチボールをした時の軽快な動き……。私には分かりますわ、あの方はまだ、牙が抜けた訳ではありませんわ」


 すずめは面影も無く、いつの間にか自分よりも長身になっていた小谷敦士との会話や動作を思い出しながらこう語る。

 高いレベルで野球を行ってきた彼女は、上手い選手の見分け方を知っていた。やはり野球が上手い選手というのは皆、意識も高いものだ。

 誰よりも上手くなりたいと思うが故に誰よりも早く練習場へと向かう心構え、衣服や装備を自分のものにできる着こなし方、そしてキャッチボールでの洗練された動き。

 あの時、すずめの前に立った敦士はまるで一流選手と同じような身のこなしで野球に取り組んでいたのをすずめは見逃さなかった。


「今にして思えば、あの地点であの方なのではないかと疑ってかからなかった自分が恥ずかしいですわね……。まさか、あの方があんなに大きくなっているとは思いませんでしたわ」

「殿方は急に身長が伸びるものですからね、そこは仕方ない事かと……」

「いえ、史上最強の天才である以上、妥協はしてはいけませんことよ、クロエ」


 クロエがそれをフォローしようとするも、それでは天才の名が泣くとそれを拒むすずめ。

 しかし坊主頭の巨漢がその名を漏らすまで、その青年が小谷敦士とは気付けなかったものの、只者ではない事はハッキリと理解できていたすずめ。

 一度は裏切られ、感情を爆発させ、自分よりも体格が大きくなっていたその男を押し倒し罵声を浴びせたすずめであったが、冷静になってもう少しお淑やかに済ませるべきだったと後悔する。

 彼女はふと目を閉じる。そして思い描いているストーリーを頭の中にもう一度浮かばせながら、これから先どうしていくかを考えた。


「とにかく野球を辞めたわけでも、怪我をしている訳でも無さそうですわ。故に、これからの計画に支障は無いと考えても大丈夫ですわね」


 ただキャッチボールをしただけで小谷敦士という人物の全てを確信したかのように、自信満々の表情を浮かべるすずめ。

 小谷敦士の情報は定期的に調べていた。

 顔写真や試合の動画こそインターネットでは調べられなかったものの、中学時代に彼がどの様な環境で野球を行っているのかを把握していた彼女は、その自信の理由をこう語る。


「何と言ったって日本の中学野球のトップの大会で優勝したチームの正捕手なのですから!」


 そんな小谷敦士の心情を知らぬまま、ここまでたどり着いた廿楽すずめ。

 彼女が語る計画は着々と、小谷敦士のこれからの野球人生を大きく変えようとしていたのであった――。










「初めまして、ロサンゼルスのハイスクールから転校してきました、廿楽すずめつづらすずめと申しますわ、皆さんよろしくお願いいたしますわ」


 教壇の前、お淑やかに挨拶を済ます少女を目の当たりにし、クラス一同は興味津々だった。

 男性陣はその制服の上からでも分かるプロポーションや可愛らしさに。女性陣はその手入れされた奇抜な髪や爪、特徴的な口調に。かなりの興味を示していた。

 ロサンゼルスから大富豪のハーフ美少女が転校してくる。そんな分かりやすいほどに珍く、只事でない状況にクラス一同のテンションは非常に高い事だろう。

 ある一人の青年を除いて。


(あー……同じクラスなのね……)


 一番後ろの席で頭を抱えながら、転入してきた少女を目の当たりにする敦士。

 本日から転入するとは昨日の地点ですずめが言っていたものの、まさか同じクラスになるとは思ってもいなかったのか、目の前にある状況に対し大きなため息をついてしまう。

 そしていつの間にか自分の席の右隣には新品の机とイスが用意されている。

 敦士は確信した、これから暫く大変な日々が続く事だろうと。

 露骨に嫌そうな目で転校生を見つめる敦士に対し、そんな気を知ってか知らずか、教壇から勝ち誇ったかのような笑顔を見せつけるすずめ。

 彼女もまさかクラスまで同じになるとは思わなかったことだろう。

 周囲も、すずめが露骨に後ろの席に座っている小谷敦士の事を見つめている事に気づき始める。


「はははっ、あの廿楽すずめという女の子。お前の事を気にかけているようだぞ」

「ま、知ってる人だからな……」 

 

 敦士に語り掛けて来たのは、彼の左隣の席に座っている男。陸上部の宮田瞬時みやたしゅんじだ。

 同じクラスの中では、唯一運動部に在籍している仲間というのもあってか、入学当初から話の合う友人として敦士とは馴れ合っている。

 陸上界ではそれなりに有名人らしく、中学時代に野球で日本一のチームに居た敦士と共に、クラスの二大有名人として称えられる人物であり、体育会系仲間として敦士や中村とは昼食を共にする仲だ。

 しかしそんな友人のちょっかいも、今は少しだけ遠慮してもらいたい所であった。


(洒落にならないんだよなぁ、子供の頃の約束拗らせてるなんて……)


 そんなことを敦士は思っていると、担任の教師がざわつく教室内の場を締めながら、転校生の挨拶を終わらせに掛かる。


「それでは、教室の後ろ側に席を用意しましたので座ってください」

「わかりましたわ」


 こうしてすずめは自己紹介を終えると、担任の教師に案内され席へと向かう。

 大方敦士の予想通り、新しく彼女の為だけに用意された新しい席にへと到着するすずめ。

 彼女は敦士の隣に立つと、不敵な笑みを浮かべながら挨拶を行う。


「お隣、よろしくお願いいたしますわ、小谷敦士様」

「はぁ……」


 初対面の時とは全く違う反応で挨拶を受け、戸惑いながらも穏便に返す敦士。

 しかし、内心では昨日の出来事をまだ許してはいなかった。


(良く言えるな、昨日あれだけひどい目に合わせておいて……)


 あの後、強引に押し倒され十五分もの間罵声を浴びせかけられた噂は野球部全体に広まってしまった。

 主に中村が勝手に部内に噂を流していたのだが、すずめが昔の思い出だの純情だの好き勝手言っていたせいで、完全に敦士は男女関係のいざこざを起こしたのだと勘違いされていしまったのである。

 非は自分にあるとは言え、これまで部では真面目な性格で通っていたものが全てこれで台無しになってしまったと言っても過言ではない。


「はははっ、安心するといい廿楽さん。小谷君は非常に頭が切れる、勉強なら彼に教えてもらうといいだろう」

「あら、そうですの? それならよろしくお願いいたしますわ」


 左隣の宮田が頼んでも居ないのに、勝手に右隣のすずめにペラペラと語り出すのに対し、頭を抱えつつ恨めしそうに睨む敦士。

 とにかくこの廿楽すずめという人物に、これ以上自分の平穏な人生を振り回されるのは御免である。

 しかし、すずめはそんな敦士の事をみすみす逃がすつもりは無いようだ。


「取りあえず、授業が終わった後に詳しい事は話しますわ、逃げたりしたら……、解ってますわよね?」

「……はぁ」


 敦士は再び大きくため息をついたのであった。

 

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