Last Love Letter
たいへん、たいへんお待たせ致しました!
他の連載2作品に関しましては現在続きを執筆中ですのでもうしばらくお待ちください!
ファンタジー作品から離れてみました。
下手かもしれませんが(というか下手ですが) お許しください。
――響歌へ。
君がこの文章を読んでいるということは、僕はすでに君の側にはいないんだろう。
――なんてね。1回、書いてみたかったんだ。
僕の人生に色をつけてくれたのは君でした。
それまでは、モノクロどころか、黒しかないような人生だった。
生きるのが辛かった。何度死のうと思ったかは、数えきれない。
でも。君は僕よりもしんどい人生を、僕よりも楽しそうに生きていた。
高校のクラスでの君は、まぁ……冷たかったけれど。
でも、僕を助けてくれたのは、紛れもなく君です。
それだけは断言できる。信じてほしい。
今、ここでだから言おうと思う。
僕は、響歌に一目惚れをしていました。
僕の捨て身の攻撃、効いたかな?(笑)
学校で君の横の席に座って、授業も聞かずに君を見つめる。
目が合いそうになったら、すぐに逸らして。
そんな子供っぽいことを、全力で楽しんでました。
朝に「おはよう」、帰り際に「また明日」。この二言のために、学校に通っていました。
本当に、響歌が僕の生きるためのモチベーションでした。
響歌に好きになってほしくて、翔と優稀に相談もした。
特に優稀は君と仲が良かったから、何回も助けてもらった。
君が好きなブルーベリーとチーズのベーグルも、何回も挑戦しては失敗して。
そのおかげか、ブルーベリーがいつの間にか苦手じゃなくなってたけどね。
君がかっこいいと言っていた芸能人の髪型を真似したり……はしてないね。
響歌は、本当に何にも「好き」と言わなかったから、苦労しましたよ。
ちょっとくらいは反省してほしい、なんてね。
何もわからないから、自分なりに頑張れたんだけどね。
最初に出かけたのは、僕、響歌、翔、優稀の4人でだったね。
僕が好きなイラストレーターが作画監督で、翔が好きな漫画が原作で、優稀の好きなバンドが主題歌だった映画。
響歌は何も知らなかった。これを知らない人がいるのか、と驚いたよ。
でも、響歌も終わってからは誰よりもハマってたね。
あの時の映画のチケットは、今も残してる。大事な宝物。引かないでね。
勇気を出して、僕から誘った2人でのお出かけは、君にあっけなく断られたね。
次の日は学校に行きたくなくて仮病で休んだ。
あんな雑に断らなくてもいいじゃないか。
まぁでも、2回目以降は受けてくれたね。……優稀の差し金があったとは聞いたけど。
水族館、動物園、美術展、カフェ、お祭り……
逆に何を2人でしてなかっただろう。パッとは出て来ないや。
響歌がどう思っていたかはわからないけど、僕にとってはすごく楽しかった思い出です。
「お出かけ」は、水族館が最後だったね。
最初に2人で行った思い出の地。響歌はそこのイルカショーに、誰よりもはしゃいでいた。
とても可愛かった。だからだろうね。思わず、口から漏れてしまった。
本当に無意識に。「可愛い」の一言だけ。それを君が目ざとく、耳ざとく?聞きつけて。
壁際に寄せられて、詰問された。顔が近くて、可愛くて、なんて言ったかは僕は思い出せない。
帰りのバスを降りて、君といつも別れる公園の大階段で告白した。
その日はとても夕陽が綺麗だったね。今も時々その時の風景を描きます。
初めての告白、とても緊張した。しどろもどろになって、君の嫌いなビクビクした僕に戻っていたかな。
でも、君の瞳には、薄く涙が載っていたね。口元は微笑んでいた。
今思うと、とても奇妙な表情だった。でも、その顔がとても綺麗で、可愛くて、大好きだった。
その顔から、「もちろん」と返ってきた。震えた小さな声。一生忘れられない。
あの時の自分を、最大限褒めてやりたい。
あの時勇気を出したから、君とこうして付き合えた。
あの時勇気を出したから、今までこうして生きてこれた。
あの時勇気を出したから、後悔せずに済んだ。
あの時勇気を出したから、僕の人生は全く別の、幸せなものに一変した。
挙げ出したらキリがない。だから、響歌から僕を褒めてほしいんだ。
「よくやったね」の一言でいい。どうか、お願い。
幸せを知って、前の自分を殴りたくなったんだ。
どうして自殺なんてしようとしたのか。
我慢したら、これだけいい未来が待っているのに。
一生の友達ができて、可愛い彼女ができて。
そんな未来を、自ら捨てるなんて。信じられない。
心から、そう思った。思わせてくれて、ありがとう。
2人でのデートは、お出かけ以上にさまざまなところへ行ったね。
温泉は流石に早かったけれど、響歌も満喫しているようで良かったです。
響歌の可愛い顔が真っ赤に染まっていくのも見てて楽しかったよ。
こんなことを口で言えば、君の固く握られた手が顔に飛んでくるのはわかってたから、言う事はなかったけどね。
高校3年生になって、受験勉強が忙しくなっていったね。
君は全くと言っていいほどに勉強していなかった。
なのに僕の志望校に軽く合格したね。正直腹が立った時もあった。
悔しくて泣きかけた時もあった。僕がどれだけ努力しても、君には全く敵わなかった。
でも、もちろんだけど尊敬もしていた。心から凄いと思った。誇らしかった。
3年生は、本当に一瞬のように感じました。
あっという間に夏を迎えて、秋になって、冬になった。
毎日学校の自習室に篭って勉強漬けの日々も、響歌との帰り道があったから耐えられた。
高校で受ける最後の模試で、初めて響歌の得点を超えて。
とても嬉しかった。君はとても悔しそうにしていたね。
今にも泣き出しそうな顔で、「大事なのは本番だから!」って言ってきたね。
思わず吹き出して、響歌が笑いながら怒って叩いてきた。その後2日くらい二の腕に痣が残ったんだよね。
受験の日は、生憎の雪だったね。幸い電車は動いてたから遅刻せずに済んだけど、危なかったよね。
暖房の効いた部屋の中で一生懸命に解いた問題。あの時の受験問題の冊子もまだ残してる。
君が教えてくれた問題が出て、そのおかげで僕は合格した。君は主席合格だったけど。
その帰り道に君が雪で滑って転んで。縁起が悪いなぁ、なんて思ったりもしたけど、杞憂だった。
大学生になって、日本に帰ってきた僕の両親に君が挨拶をした日。
その日、僕は初めて「青海」という家の凄さを知った。
もちろん反対される理由もなかったけれど、逆に僕は「僕でいいのか」と不安になったりもした。
そして、その次の日。君はおよそ2年半ぶりに自宅に帰って、僕が挨拶をした。
御父様は厳格で、怖い人だと君から聞いていたから内心では怯えっぱなしでした。
でも、案外話していると気さくで優しい方だとわかった。
御父様は、君のことを誰よりも心配し、愛してくれていたんだよ。
御母様にも挨拶をして、後は君のお世話係で執事の黒沢さん。
黒沢さんには、君の秘密をたくさん教えてもらいました。
例えば、中学生で響歌が1番苦しんでいた時。
響歌は、大きなぬいぐるみを抱いて寝ていたんだってね。
だからかな。お泊まりの時には、目を覚ますとよく君の抱き枕にされていた。
僕のパジャマの胸元には君が垂らしたであろうよだれの跡もあった。
そんなことすらも愛おしく感じた。とにかく全てが可愛かった。
そんな僕らだったから、一回も喧嘩はしたことがなかったね。
……もしかしたら、僕が気づいてないだけかもだけど。
時々君の機嫌を損ねた時には、全力で機嫌取りをしてた。
なんでそうなったのかは聞いても教えてくれなかった。
僕自身、身に覚えがなかったから本当に原因がわからなくて困りました。
今なら教えてくれますか?
君のことをわかってあげられない彼氏でごめんなさい。
君は僕のこと、どれだけわかってくれてますか?
僕のプロフィール帳を書けと言われて書くことはできますか?
……ちなみに、僕は響歌のプロフィール帳くらいならかけます。
いつも、何かがあると左手で右の耳たぶを触ることとか。
響歌が無意識にしてることって、意外と多いよ?
まぁ、それぐらい、僕は響歌を愛しています。
そうだ、これは言わなくちゃね。
響歌、今まで迷惑かけてごめん。
僕が倒れてその日の予定をキャンセルした日のこと。
響歌はとても楽しみにしてくれていたのに、僕のせいでそれを無しにしてしまった。
ずっと申し訳なかった。
響歌は「次もあるし!」と笑って言ってくれたね。
でも、それでならいっか、とはならない。自戒にはなるけれど、本当にごめんね。
結局、「ライブ参戦」というデートは僕らはできそうにはないね。
申し訳なさでいっぱいです。いつか、いつかできる時があれば、その時は必ず響歌の人生で最高の日にしてみせます。
その他いろいろ、やり残したこととか、伝えたかったこととかもあるけれど、1番は。
僕が響歌に1番に言いたいことは、一つだけです。
僕の人生は響歌のおかげで色がついた。本当に、感謝しかありません。
人の人生には、必ず光がさす。そう、実感させてくれてありがとう。
こんな手紙で言うのも申し訳ないけれど、僕でよければ結婚してください。
今まで以上に、響歌のことを幸せでいっぱいにして見せます。
幸せすぎて響歌が死んじゃうくらいに幸せにしたい。
僕の人生を楽しませてくれて、ありがとう。
僕のことを幸せにしてくれて、ありがとう。
僕のことを愛してくれて、ありがとう。
今も、今までも、これからも。
僕は響歌のことを愛しています。
この気持ちが枯れることはないと、そう誓います。
本当に、大好き。
――奏人より
おまけ:響歌からの返事
奏人からもらった手紙。
私の、一生の宝物。
何度も、何度も読み返したから紙はよれ、少し黄ばんでいる。
折り目のところだけが、真っ白なまま。
何かがあればすぐに読み返す。
私にとってはスマホより、財布より、家の鍵より必需品だ。
どこに行くにも持って行くし、読む度に助けられる。
最後まで、奏人は私の自慢のパートナーだった。
もう、書いてある文章は全て暗唱できる。
なのに、奏人の文字からしか得られないエネルギーがある。
一文字一文字、奏人からの愛を感じる。
文字という無機質なものにさえ、彼は愛を込めたのだ。
それだけで。
――否。
それすらも、全てが愛おしい。
私も、あなたを愛している。
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それでは他の作品でお会いできますように。




