暗殺計画!?
「ベルトルト・ルイン…?」
「知ってるのか?こるね。」
こるねがなにかを思い出したかのようにベルトルトの
名前を呟いた。
「…んー…人違いだったら申し訳ないけど…
もしかして魔剣持ってる?」
「「「「え!?」」」」
その場の全員がベルトルトの方を向いて
驚愕した。
いや、え?!この世で数人しかいない魔剣所持者が
王子様!?え、かっこよ!?
「っ!…なぜ私のことを?まさか魔剣もってる人として
知名度上がってたりするのか?」
「まあそれなりには…かなり有名ですよ。確か
氷の悪魔でしたっけ?」
「よく知ってるな…そう、私は氷の悪魔の契約者だ。
最近は戦うことも減ったからもうあまり知られていないのかと…」
「いや知らなかったよ!?私のお父さんが
悪魔と契約してるなんて一ミリも知らないよ!?」
エマがめっちゃ騒いでいるが…まあ
そりゃ騒ぐよな。身近にいた人が悪魔と契約なんて…
一見やばいことしてるんじゃないかと思われても
しょうがないくらいに。
するとベルトルトが口を開く。
「カルアの知り合いなのだろう?せっかくだ。
我が家で少し休んでいかないか?」
「いいんですか!?」
「少し話したいこともあるしね。君たちがよかったら
ご馳走も振る舞おう。」
*
5mほどの細長い机に並べられたお皿の上には
豪華な食事がのっている。
肉や魚、汁物やスイーツまで。様々なものが
並べられている。
そしてこるねは目を輝かせている…
「こっ、これ本当にいいんですか…!?全部食べていいの
ですか…!?」
「いや待て待てこるね、お前そんな大食いキャラじゃ
なかっただろ…」
「まあ我輩にかかればこの量の食べ物など
腹の半分も満たん!」
「おっと魔女さんやる気ですね…?!私と
やるのですか…?大食い勝負なら必ず勝てます…!」
魔女とこるねとの間に火花が散っている。
ガチガチの大食い勝負をするようだ。
いやこんなところでするな失礼だろ…
一方ルナは、次々と運ばれてくる料理を運んでくれている
方々にしっかり感謝を伝えて、礼儀正しく
座っている。
なんかルナってかなり真面目枠だよな…
ツッコミ枠ではないけど…ギルドパーティ安定剤みたいな
感じだな。
そして少しして、エマやベルトルト、そしてエマの母
らしき人まできて、席についた。
するとエマの母らしき人が赤茶色の液体が入った
グラスを持った。
「旅の途中にお足を運んでいただき、
大変ありがとうございます。手料理ぐらいしか
豪華なものはありませんが、心身を休めてもらえると
大変助かります。」
「本当にありがとうございます…こんな落ち着かないメンバー
たちなのに、歓迎してくださる事、光栄に思います。」
「こちらこそですよ。では、早く食べないと
冷めてしまいますよ。」
「ありがとうございます。」
琉兎たちはそれぞれルイン家の手料理を堪能した。
そして、机の料理がほとんどなくなったころ。
「えっと…ルイン家の方々は誕生日をお祝いに
ならないのですか…?」
「父のですか?」
「はい。誕生祭が先ほど開かれてましたけど…」
「…そろそろ話しますか、本題を。」
すると、ベルトルトが席を立ち、部屋を出たかと思うと、
またすぐ戻ってきた。
「っ!…それって魔剣ですか?」
ベルトルトは、布に包まれた長細い剣を両手で抱えて、
また席に座った。
「単刀直入にいいます。
私たち家族は、国王である父の暗殺計画を
立てております。」
「んんっ…!?」「はぁ…?」「え」「な、なんで?」
こるねが席を立って両手を机に押し付ける。
「ちょっっとまってください?生みの親殺すって
ことですよね?何言ってるんですか?」
「待ってこるね、必ず事情があるはず。てか…
お前もそうだろ?」
「っ…わかった。事情があるならさっさと話して。」
こるねがそっと席に座る
「…彼は、今国王としてこの国を支えています。
しかしその反面、王の権力を使った横暴が
多発している現状です。」
「…例えば?」
「一番わかりやすいのは、「生の悪魔」を
信仰している国民の一部を利用した襲撃・略奪です。
世間では信仰者たちがグループを作って
行っているとされていますが、実際は裏で
父が操っています。そのような横暴が許されては行けない、
とし、私たちは計画を日々練っているのです。」
すると足を組んでいたこるねが口を開く。
「とりま事情はわかった。けどなぜそれを私たちに
話したんだ?」
「んっ…はぁ…」
すると急に黙っていたエマの母がため息を吐く。
「私たちの力じゃ、到底信仰者たちに太刀打ちできないのです。」
「え?暗殺じゃなかったの?」
「いや暗殺なのだが、殺した後の対応に難がある。
国王が暗殺されたとなれば、信仰者たちが国民を
端から調べ尽くして、なんなら国民を殺してでも
私たちを見つけ出してくるはずだ。
「確かに…」
「だから、そのようなことが起こることを防ぐ、
遅延するためには、なるべく信仰者を減らすことが大事。
そこであなたたちに力を借りたい。」
「ほう…?敵をメチャクチャに葬れと?」
怪訝そうに眉をひそめながら喋る。
「戦いならお安い御用なのだが、暗殺とかいう
繊細なものになると少し苦手じゃ…」
「そこは安心してください。ちゃんと二手に分かれて
手伝ってもらおうと思っているので。」
「謎に用意周到だな…?」
ちょっと面倒事かもしれないけれど、
この国の未来がかかっているかもしれない。
手伝わないわけにはいかないだろう。
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