宙に舞う魔法
「うるせぇよ!貴様ら何者じゃ!」
窓の外から俺たちを見下ろしている
金髪の……こ…こども、魔女じゃない…
そこには金髪で黒いマントを羽織っている
子供がいた。
「何者って言われても…!というか!
大丈夫ですか!なんか!上でドタバタ
してましまけど!」
「それは貴様らには関係ないー!というか
お前たちなんか我輩に用があるんじゃろ!」
「そうでーす!!!」
あ、忘れてた。そういえばここにきてる
理由って任務か。
「はよその要件を言わんかい!」
「仲間になってくださーい!」
「仲間じゃと…?うーん…」
キレ気味だった魔女の顔が急に真面目になり、
手を顎に当てて何やら考えているようだった。
すると急に何かを思いついたかのように
魔女はニヤつき、俺たちを見てきた。
「…仲間になりたいなら…!」
魔女が窓に足をかけた。まさか飛び降りる気?
すると隣にいたこるねが剣を構えた。
「…多分、殺しにかかってくると思う。」
「ころ…!?」
「力試しじゃぁぁあ…!!!!」
その瞬間、魔女は勢いよく窓から飛び降りた。
右手には巨大な杖。魔女の身長と大きさだ。
てかマントの中やばくね。露出度…
某スライム転生アニメのピンク髪の魔王
みたいな服装してる…てかそんなこと関係ない!
そしてその杖を空中にいるのにも関わらず
俺たちに向けてきた。
「『炎彗星』!!!!」
魔女が叫ぶ。そして杖の先には巨大な炎の塊。
渦を巻いている。
するとこるねが勢いよく魔女に向かって
飛び、
「『雷鳴烈』!!!!」
「待ってこるねその技何!?」
こるねの魔剣に紫色の雷が散りつく。
そして炎彗星を剣で切りつけた
かと思ったら…って、あれまだ距離が
足らないんじゃ…
こるねは空中で空振りするように剣を振った。
「へっ!ジャンプ力が足らなかったのじゃな。
そのままバーベキューじゃ!!」
炎彗星が放たれる。
こるねに向かって。え、これやばいんじゃ。
俺は咄嗟にカメラを出し、構える。
このままじゃこるねが焼かれてしまう。
しかもカメラを構えたところで、
魔法はこのカメラで捉えても止められない…
これ、終わったか?
その時、こるねが空振ったところから
紫色の斬撃が現れた。そして
その斬撃は炎彗星に向かっていく。
「なっ…!」
「まさか『烈」って…!」
スラッシュ。斬撃。空中を舞う。
剣の振った形をした雷が。
そしてその斬撃は炎彗星を
真っ二つにし、魔女へと向かう。
「へ?」
魔女は目を丸くする。
あ、これ魔女死んだ?
そして、斬撃は魔女に向かって飛んでいき、
カキン
魔女はその斬撃を杖を盾にして受け流した。
そして魔女は俺らの目の前に着地した。
魔女は大きなため息をつく。
「はぁ…
貴様らいい覚悟してるじゃん。」
#30




