出れたのに
「準備はできたか?」
「もちろん!」「も、もちろんです!」
「ルトさんはやっぱり準備が早いですね〜」
前日、俺はヘルタの大イベント、
「コロシアム」で優勝し、冒険に出れる資格を
手に入れた。
そして今、魔王を倒すための旅にでる
準備をしていたのだ。
「じゃあ行くか!」
*
「これが馬車の乗り心地…!」
「日本じゃ車しか走ってないから馬車とか
この世界しかなれないだろうね。」
「? 2人とも何の話してるんですか?」
「い、いや?別に何ともないぞ…?」
「日本…コルネさんの出身も日本なの?」
「え?まあそうだけど」
「うーん…やっぱ魔王のせいでごちゃごちゃに
なってるのかな…」
ミュラがそんなことを呟いていたその時
ドカァァン
「「「「うわぁぁぁ!?」」」」
「なんだ?!?!」
「おい、そこのお前ら」
「ん?なんだ?」
「琴島琉兎、藍沢こるね。お前らを消しに来た。」
「ま…魔王軍の幹部だ…!」
「幹部?!?」
「やばい殺される!森だ!森に逃げろ!」
「逃げても無駄だ。」
「あがっ…!」
待って今何が起こった。足が…ない。
歩かない。殺される待って
「琉兎!くっそ…「シグナルセイバー」!」
「あれは…魔剣か。だが、悪魔はその願いには
届かない。」
「ぐはっ…!」
こるねが…本当に、待って
この世界を今から楽しもうとしていたのに、
俺はもう死ぬのか?
「よし、こいつは死んだ。あと貴様だ。琉兎。」
「な…なんで…俺の…な…名前を…ぐはっ…!」
「なぜかって?そりゃ魔王様に言われたからな。
こいつらを殺してこい。秩序が乱れるってな。」
蹴られてる…痛い。死にたくない。
「じゃあな。元の世界でまた会おう。」
「!?」
グサ
「ぬわぁぁぁぁあ!!!
はぁ…はぁ…生きてる…。って…これ、ベットの上…。時計…時間は…4時…夜中か…」
まて…俺は確かに死んだ。痛かった。
なのに今、ベットの上にいる。
プルルルルル
「…非通知…?こんな時間に誰だ?」
とりあえず出てみた。
「琉兎!聞こえる?」
「こるね?!?!」
「私たち生きてる…けどさっき誰かが家のドアを
開けて出て行ったの。そしてよくみたら切れた
縄があったの。」
ガチャ
「待って俺の方でも音がした。怖い。」
「大丈夫私がいる。けれど…とりあえずどうする?」
「正直、あの世界を放っておけない。」
「だよね。もう一回寝てみる?」
「ありだね。寝よう。ってか、どうやって俺の電話番号手に入れたの…場所も全く違うだろ?」
「なんか、気づいたら琉兎に電話がかけてあった
スマホがあったんだ。からそのまま電話した。」
「とりあえず連絡先…」
「わかった。」
今…この世界で何が起こっているんだ?
夢だったのにちゃんと人がいて、記憶がある。
「送った。」
「おっけぇ…ってこれ…九州の…」
「え、琉兎は九州じゃないの?」
「あぁ。俺は大阪だ。高橋高校。」
「あ、吹奏楽の名門校ね。」
「そうそう。じゃなくて、もう一回寝てみよ。」
「うん。わかった。琉兎、またあとでね。
まあ出会えたらだけど。」
俺はその後、すぐに眠りに落ちた。
#20




