コロシアム後編
パシャ
「って、うごけねぇ…!?」
コロシアムが始まって1試合目の時、
俺はカメラを早速使ってクレイの動きを止めた。
「おーと?!ここでルト選手、拘束魔法か?
しかし、杖は背負ったままです!どうやって
相手の動きを止めたのでしょうか?!」
「くっそ…ルト、その武器はなんだ」
「これは魔素で作られたカメラだよ。」
「カメラ…まさか前持ってきた魔導書の…!」
「そうだよ!そして、もうクレイさんは動けない!この勝負、もらった!「水剣」!」
カキン
生み出された水の剣は、クレイの杖を
吹き飛ばした。
「さあ、どうする?」
「くっ…降参だ…」
ウォォォォォォォォォォォォォ
「なんと!ベテラン相手に圧勝してしまいました!この新人は期待できるぞ!?」
無事、一回戦を勝ち抜いた。
*
「琉兎、あれはやりすぎだよ。メンタル持たんて」
「いやいやだってあの後どうすればいいのさ?」
俺は1試合目が終わった後、こるねたちが
会いにきた。
「ルトさんそれすごいですね?今度使ってもいいですか?」
「もちろん。」
その後もいろんな人の試合を見たり、
同じ戦法で相手を圧倒したりとしていると、
ついに最後の試合になった。
「では、いよいよ最後の試合です!
選手は…アーサ選手とルト選手です!」
うーわあいつかいやだなぁ…
どうせ圧勝するとわかってても、口を聞きたくない。ほんとに嫌だ…
「では、試合、開始!」
パシャ
「…!」
「そんなのあたらねぇよマジで」
俺は開始とほぼ同時にシャッターを切った
はずなのに、なぜか画面にはアーサはいなかったのだ。
「どこだ?」
「ここだよっ!」
「上?!」
アーサも開始と同時に上空に逃げていたのだ。
そして火の玉を数発飛ばしてきた。
「やば…!って、うわぁ!」
なんとか避け切ったと思ったが、
最後の一発で吹き飛ばされてしまった。
ガラン
カメラが落ちた。やばいカメラがないと
この試合は勝てない…!
「じゃあな弱虫さん。来世でな!」
さっきよりもさらにでかい火の玉を作ってきた。
やばい…けど、俺はあることを思い出した。
「落ち着け俺…こるねから教えてもらったこと
をするだけ…!はぁぁぁ…」
俺は水の玉を作り、さらに大きくしていく。
「まさか、ハイドロ…?いやそんなわけ。
でも謎にでかいぞ…何をする気だ?」
アーサは明らかに焦っている。だが
俺は難しいことをしていない。
なぜなら…
「でも、もうこれで終わりだ!」
「火玉!!」
「水吹!!」
ほぼ同時だった。しかし、火と水、
ぶつかると何が起こるか、それは…
「なっ…水蒸気…まさか撹乱か…?」
「正解」
俺は水と火がぶつかってできた水蒸気を
使って隠れながらカメラを取り、
アーサの目の前まで来ていた。
「じゃあね。また来世で」
「ぐっ!」
パシャ
そして、
「くっそ…動けない…降参だ。」
俺はアーサをカメラに捉えることができていた。
ウォォォォォォォォォォォォォ
会場に歓声が響く。
「ルトさんほんとにやっちゃったよ…」
「やばいな…琉兎…」
そして、俺は見事、コロシアムで優勝を
勝ち取ったのだった。
*
「では、報酬の10万ゼニーと、
B級昇格証明書です。」
「これでついに…!」
「「「「旅に出れるぞー!!!」」」
疲れた。案外戦いって脳筋って感じ
じゃなくて頭使わないといけないんだな
って思った。けど正直こんなに早く
旅に出れるとは思っていなかった。
「じゃあ今日は休んで、明日出発だな。」
「ついにか…」
ここからが俺たちのこの異世界を
救うための…そして、この世界の真相を
暴くための旅が、
今、始まる!
#19




