優しい人
こるねによると、このごっつい筋肉マッチョは
この武器屋の店長こと、「クレイ・グラウス」、
こるねが初めてこの世界の家族以外と話した
人物が彼らしい。
そしてスルロールやらなんやら言っているが
それはのちほど説明するとのこと。
…いや教えろよ
「はい、これ」
「これって俺の武器?」
「そうよ。魔法の杖的なやつ。まあ基本
杖しか武器がないからね、みんな持ってるよ。」
「しかぁし、これは杖の中でも最低レベルだ。
これで他の人と対峙するとなったら、絶対
勝てねぇから。気をつけろよ。」
やはりか、この世界では俺は最弱レベルに
弱い。まだこの世界はわからないことだらけ。
だからこそ、もっと強くならねば。
しかし…人と対峙するなんてことあるのか?
「そうだ。お前さん、ダンジョンに潜るつもりだろ?」
「え、なんでわかるの?」
「そりゃ、階級上げのためにダンジョンに
潜らねばならねぇだろ?」
「確かに、そうか」
「から…ほら、これ」
「…これは?」
「前のお客さんからもらった防具だ。
初期のダンジョンはこの装備で大丈夫だ。れ
「えっ、これ貰っていいの?」
「結構使い古されてるからな、買う人もいねぇだろ。」
「じゃ、じゃあ…ありがたくもらいます…」
この人…見た目以上に優しい…!
これからもお世話になりそうだな。
そんなことを思いながら武器屋をでたその時
カカンッ
「ん?鐘の音?」
「敵襲!南西に魔物の集団が現れたぞ!」
「ふっ…ダンジョン前にいいチュートリアルじゃん」
うーわこれ俺戦わされるやつだ…
この世界、のんびりスローライフってわけには
行かないみたいだな…
疲れそう…
#10