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【コミカライズ】前世は保育士、今世は悪役令嬢?からの、わがまま姫様の教育係!?〜姫様のお世話で手いっぱいなので、王子様との恋愛はまた今度!〜  作者: 沙夜
第一章 悪役令嬢編

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閑話*ヒロインの思惑

すみません、短いです。

「でぃあなさまを、いじめるな!」


甲高い声が、次々と上がる。


幼等部の令息・令嬢達が、ぷるぷると震えながらもディアナを庇った。


「そ、そうです!ブルーム侯爵令嬢は、そんな方ではありません!」


そして、子ども達の父母や幼等部の教師達も。


その様子に、どちらの言い分が正しいのかと周囲にいた生徒達が戸惑う。


いや、どちらかといえば、優勢なのはディアナだ。


「くっ……」


完全にひっくり返されたのを感じ、ユリアの隣でアルフォンスがたじろいだ。


うしろにいたユリアを慕う三人もまた、動揺を隠せない。


そしてそんな男達を見て、ユリアも唇を噛む。


こんなはずではなかったのに。


そう呟いて。


(こんなシーン、知らない)


なぜヒロインの自分が、こんなことに。


予想外の展開に、ユリアは焦りを隠せずにいた。


ざわざわと周囲がどよめく中で、ひとつの凛とした声が、妙に良く響いた。


「やれやれ、お子様達や教師陣の方が余程見る目があるようだね」


ユリアが声のする方を振り向くと、そこには銀髪に紫がかった深い青色の瞳の、冷たい美貌の青年が立っていた。


(!?どうして、この人まで……!?)


まるで、彼の登場シーンはここではないとでもいうように、ユリアは驚愕した。


そうこうしているうちに、青年はあっという間にディアナをどこかに連れて行ってしまった。


「……君達のことは、後からよく考えさせてもらうよ」


アルフォンス達を、冷たい目で一瞥して。


その後、残されたアルフォンスとユリア達五人に向けられる、周囲からの視線もまた、ほとんどが冷たいものだった。


中でもアルフォンスの父であるクロイツェル公爵からは、炎のような怒りを感じられる。


そしてディアナの父であるブルーム侯爵からは、冷徹な表情の静かな怒りを。


「なぜ、どうして……?私は……」


ユリアの心臓は、今にも破裂しそうなくらいに激しく鳴り響いていた。


「父上、離して下さい!」


「ちょ、ちょっと……!」


「俺に触るな!」


「私達はなにも悪くない!あの悪女が……!」


自分を守ってくれていた四人の男達が拘束されていく、その様子をユリアは呆然と見つめる。


「ユリア・フランツェン、あなたもこちらへ。別室で話を聞かせて頂きます」


そして学園の教師がやんわりと、いや、しっかりとユリアの腕を掴み、ぐいと引っ張る。


引きずられるようにして会場から退出させられる五人を、幼等部の子ども達も、両親にしがみつきながら冷たい眼差しで見送った。


なぜこうなったのだろう。


ルート通りに進んだはずなのに、なにが悪かったのだろう。


こんなバッドエンド、知らない。


「?なにをブツブツとおっしゃっているのですか?ほら、自分の足できちんと歩きなさい!」


涙を滲ませ、声を震わせるユリアの呟きは、腕を引く教師の耳にすら、きちんと届かなかったのだった――――。

ということで、第一章・悪役令嬢編でした。

次回から新章に入ります。

“塩系”、“前略母上様”とちょっとへたれたり残念な感じのヒーローが続いたので……笑

かっこ良いヒーローが書けると良いなと思ってはいるのですが、どうなるか分かりません(^^;)

それでもOK!という心の広い方、明日からもよろしくお願い致します!

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― 新着の感想 ―
[良い点] いつも楽しく読んでます! 前にも書いたかな、本人の気持ちによるけど、前世知識がある無しでなかったほうが幸せだった子もおおいな〜 転生・転移に気がつくまではいいけど、知識も本編に変な勘違…
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