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赤レンガの町並みのパン屋の娘

よろしくお願いします。


詩ではありませんが叙景詩的にRPGの風景をのんびり楽しむためのお話です。



 私の名前はエレノア・ベイカー。今年の春で十歳。赤レンガで有名なライランズタウンにある小さなパン屋の娘に産まれた。


 普通の女の子だけれど、一つだけ変わったところがある。それは、前世の記憶があると言うこと。ニホンと言う国で生まれ育ったみたいだけれど、はっきりとは覚えていない。


 前世の私が好きだったものはゲエム、あーるぴーじー、ファンタジー…。言葉はよくわからないけれど、今住んでいるこの町は前世の私が好きだった風景とよく似ている。


 けれど、きっと前世の記憶が無くてもこの町は大好きな町だったと思う。






 この町の好きなところ。それは勿論有名な赤レンガ。町の建物はほとんど赤レンガを使って作られているし、歩道も赤レンガで作られている。補強のために所々使われている漆喰の白さも赤に映えてとても綺麗。


 そして水路。この町は治水でも実は有名だとお父さんが言っていた。巨大な水道橋が架かり、そこから各地域に水が引かれていた。飲水用水路や生活用水路などが分かれており、子どもたちは生活用水路で洗濯をする母親たちの傍らで水遊びをよくしている。


 城下町なので、大通りまで出ると遠くの方にお城が見える。お城だけは赤レンガではない。そこでは王様や貴族の人達ががきらびやかな生活を送っているのだろうけれど、私には無縁な話。


 坂道が多くて大変だけれど、登りきった先で見える景色は最高。すり鉢状になった、巨大なカルデラのなかに国は広がっている。山脈を背に城が佇み、そこから町が広がり、町を縁取るように架けられた水道橋を境に穀物畑が広がる。一面に広がる穀物畑は風になびいて金色にうねっているのがとても綺麗。




 そして一番好きなのは、空を駆けるドラゴン。頻繁ではないけれど、たまに見ることができる。野生のドラゴンは稀で、殆どはお城に向かう龍騎士隊のドラゴン。町の子どもたちはドラゴンが見えると走って追いかける。私も店番が無いときは追いかける。時々それに気がついた龍騎士が、上空から手を降ってくれる。小さいからほとんど見えないけれど。


 私の住んでいる場所は商業地区なので、周りにはあまり子供がいない。同じ通りに歳が近い子供は5人。皆男の子。昔はよく一緒に遊んでいたけれど、最近はあまり遊ばなくなってしまってちょっとだけ寂しい。あと、少し離れた通りにたまに遊ぶ女の子の友達が二人いる。






 赤レンガと水車とドラゴン。大好きな景色を眺めながら、パン屋で店番をするこの暮らしが私は大好き。

読んで下さりありがとうございます。

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