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第1話

『お前が、やったのか…』


『違うっ…信じて…』


『出ていけ…2度と、俺と--の前に姿を見せるな』


『信じて!!信じてよっ!』


『失せろ それとも、この場で処刑されたいか?』


『嫌っ、嫌だよ!!』




「リアードさんっ!!…っ…あ、れ?」


自分の声に覚醒し、無意識に立ち上がる

美空みそらあやさは明るくなった視界を理解してキョトンと周囲を見回す

いつもと変わらない教室

違うのは、自分に注目が集まっている事だ

くすくすと笑っているクラスメイト

その空気は、嫌な雰囲気は無く好意的だ


「美空ー、朝礼中に推しの名前を叫ぶのはやめなさい」


「ち、違っ…あ、いえ。すみません…」


担任の冷静な言葉に真っ赤になりながらあやさは違うと慌てふためくが、素直に謝罪し着席する


「はい、素直でよろしい

素直な美空に免じて、Cグループは減点1点で許そう」


「う…」


「話を戻すぞー今日は午後から緊急の職員会議がある為ー」


サラサラとノートに書き込みつつ担任は感情の無いような声で減点と言うとあやさはシュンとしながら下を向いてしまう

それを知ってか知らずか担任はマイペースに朝礼を進行するのだった


「ごめんっ皆!!」


「大丈夫だって、1点だもんっ

皆で挽回しよっ」


「そうですね、すぐに謝罪したので1点で済んだんです

次気をつけましょうね」


「仁奈ぁ…三葉ぁ…」


朝礼後の休み時間、あやさは深々と頭を下げる

相手は男女合わせて4人

真っ先に反応したのは、ツインテールに勝気な目をした女子生徒、赤嶺あかみね 仁奈にな

その隣に座る凛とした雰囲気を持つ女子生徒、紀野国きのくに 三葉みつはも頷きながらあやさを見る


あやさ達の通うこの彩聖学園さいしょうがくえんは、全寮制であり他の学校とは違う特殊な制度がある

学園ではグループ制度と呼ばれ、新学期にAI診断にて決められた男女混合の5ー6名のグループがクラスに複数結成され、1年間そのグループで生活をするという物だ

グループには学期ごとに点数が付けられ、発表される

成績優秀グループには、優秀生徒に認定されると共に、部屋や食事等のグレードアップも約束されているのだ


「気にする事ないよ、あやさちゃん」


「玲央君…」


「新学期初日に遅刻しそうになって廊下を走った挙句先生に思いっきり激突して3点減点された仁奈ちゃんより全然マシだから」


「玲央うっさい!!」



あやさの肩に手を軽く置きながら、サラッと過去の仁奈の所業を蒸し返したのは、蒼乃あおの 玲央れお

仁奈と幼馴染の彼は、何故かとても楽しそうないい笑顔をしている

仁奈は怒っているが玲央は飄々とした空気を崩さない


「ま、気にし過ぎんなって

こう言っちゃなんだけどさ、まだまだ始まったばかりだからな

油断しなきゃ大丈夫だろ」


「ありがとう、葉琉君」


ギャンギャンと玲央を怒る仁奈をいつもの事と流しながら、あやさの斜め前に立っていた紀野国きのくに 葉琉はるが声をかけてきた

三葉の双子の弟である彼は凛とした雰囲気に合わず口調が砕けており、そのギャップから新学期にも関わらず密かにファンを増やしているらしい


「じゃあ、この話は終わりですね

挽回できるよう尽力しましょう」


「っ、ありがとう!!頑張ろうね!!」


空気を変えるようにパンと手を叩きグループのリーダーでもある三葉がそう締める

グループメンバーである仁奈、玲央、葉琉もしっかりと頷いたのを見てあやさもしっかりとした口調でそう宣言した


彩聖学園1年1組Cグループ計5名

気持ちも新たにまた新しい1日が始まっていく


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