新たな技(チカラ)、目標(ケツイ)
蝶野
「うわあああああ!!!(ドスッ)…いててっ。ここがあの異世界ってやつか?確かに、中世の雰囲気が残っているのだが、ッ?!」
俺はそこで、初めて大人の男同士の喧嘩を見たんだが、なんか変なんだよなぁ
男1
「なんだぁ?てめぇ!喧嘩売ってんのか!」
男2
「おうおうおう?どこに目ぇ付けてんだァ?!」
男1
「やんのか?オォン?!」
男2
「ああ、やってやろうじゃねーかクソ野郎!」
沈黙が続く…聞こえるのは、風が吹くと、賑やかな八百屋や、花屋の店主の声だけ…
男1
「おら!ホリゾンタルオープン!」(ビュンビュン!)
男2
「なんの!こっちはリバースホリゾンタルじゃああ!」(ビュンビュン!)
男1
「ッ!なかなかやるじゃねぇか!」
この世界がどういう世界か、蝶野は、この一瞬で全てを悟った。そう、この世界は皆、バタフライナイフの"技"で戦うのだ…。
蝶野
「すっげぇぇ!俺なんてバーティカルオープンしかできねぇのに、やっぱ大人ってかっけぇ!」
男1
「おっなんだ?お前、冒険者か?いいナイフ持ってるな。」
蝶野
「あ、はい!そうです!自分、今日から冒険者になろうとしてて…」
男1
「そうか、なら冒険者登録もまだだよなぁ?ほら、来いよギルドホールまで、案内してやるよ。そんで技も1、2個は教えてやるよ。」
蝶野
「ありがとうございますッ!」
スタスタ トコトコ
蝶野
「ここが、ギルドホールかぁ。」
男1
「そういや、まだ名前を言ってなかったな。俺の名はランド、ランド・ヴァルディアだ。」
蝶野
「俺は蝶野 剣です!蝶野って呼んでください!」
ランド
「蝶野か、面白い名前だな!ほら、あそこにいる綺麗なお姉さんが居るだろ?そこで冒険者登録ができる。金は貸してやるから、いってこい!」
蝶野
「あわわ、ありがとうございますッ!」
受付嬢
「ようこそ、ギルドホールへ。今回は、何をされに来ましたか?」
蝶野
「あの、冒険者登録をしたいんですけど…」
受付嬢
「冒険者登録ですか?それでは、お題の10bGいただきますね。」
蝶野
「あっはい。」
受付嬢
「それでは、この水晶に触れてください。貴方の能力値を測定します。」
蝶野
「こ、こうですか?」(ヌトッ)
ホワワーン
冒険者名:チョウノ ツルギ
器用度:8
腕力:5
スナップ:6
所持スキル
・バーティカルオープン
受付嬢
「出来ましたよ!ハイ、これです!」
蝶野
「ありがとうございますッ!よっしゃー!これで俺も冒険者だぜ!」
ランド
「これでお前も冒険者だ。じゃあ約束通り、技を教えてやろう。その名も、ホリゾンタルオープンだ!ハンドルを振って、手首を回し、さらにハンドルを振る。これだけだ。中々いい技だろう?簡単だが、相手になかなかいいダメージを与えられる。」
蝶野
「こ、こうですか?」(ビュンビュンッ!)
ランド
「上手いなぁ坊主。器用の数値が高いだけあるぜ!これならあの、キング・カリバも倒せるかもな!ハッハッハ。」
蝶野
「…(カリバ、カリバ、もしかして…)あ、あのその人のフルネームって分かりますか?」
ランド
「ああ?たしかぁ、チョーノカリバだったか?」
蝶野
「やっぱりそうだ!父さんは、父さんはここに来たんだ!」
ランド
「おま、お前まさかアイツの子供だって言うのか?確かに名前は似てるが、そんなん有り得ねーっての!ガハハハハ!」
俺は、この世界で目標を見つけた。父さんを見つけ出すって!
評価して!ください!