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82/216

82 階層移動


 歯ごたえが無いとルナスは言いたいんだろうな。

 当然のことながらこの階層で得られる物資、鉱石や薬草は俺達からすると大した事の無いモノばかりだ。

 持ち運べる荷物の量が限られているのだからこんな所で採取して持って行く必要は無い。

 既に準備している訳だし。

 って事で早速魔物と遭遇……する前に先制攻撃とばかりに俺がクロスボウを構えて暗闇へ把握を駆使して狙撃する。


「グギャ――」


「ギャ!」


「グギュ――」


「――」


「―!?」


 っと把握範囲に入った所で魔物達へと命中。

 二匹ほど仕留め損ねたけど、急所に当たって三匹は絶命している。


「では行くか」


 っとルナスが先頭をそのまま進み、仕留めた魔物のところでこっちを把握して進もうとしてきた残りの二匹を倒す。

 Lv差ってのは無慈悲な事をここで俺達に教えてくれる。

 こんな作業的に倒して良いかと思う所はあるけれど、戦闘を手短に終わらせる事は大事だ。

 効率で考えれば、どれだけ早く目的地に到着出来るかも関わってくるからな。


 俺は仕留めた魔物からクロスボウの矢を回収して血を拭って落とす。

 損耗は無いな。


「せめて魔法でも使わせてくれれば良いのだがな」


「魔力が勿体ないだろ」


「そんなもの無尽蔵に回復する」


 暴れ足り無いとばかりにルナスが口を尖らせている。

 まだまだ先は長いと言うのに……この先の階層で嫌だってくらい戦えるだろう。

 まあルナスからすれば望む所なんだろうけど。


 ちなみに迷宮という場所は魔物がどこからともなく出現する場所で地上で遭遇する魔物とは訳が違う。

 魔物と言うのは迷宮から生まれ出るなんて話もあるくらいだ。


 さて、魔物を仕留めた訳だけど……この階層の魔物の素材を持ち帰る必要は無いか。

 パラライズバタフライの鱗粉を集めて袋に詰めていざって時に敵に投げつければ麻痺を誘発とかに使えたりするのだけど、俺達が挑む相手はそんな小細工が通用する相手じゃない。

 必要な場合を想定してより強い麻痺毒を準備してある。


「ヌマ……」


 ビクビクと周囲を常時警戒し続けるクマールを見てルナスが微笑む。


「……しかし、前回もそうだったが私達も手慣れたモノだな。初めてこの階層に来た時は緊張していたというのに、今では歯ごたえがなさ過ぎてこんな気持ちになるとはな」


「否定しないな」


 それは俺も同じで周辺状況を理解出来る把握は弱いスキルであるのにも関わらず万全に性能を発揮している。

 なんだかんだで才能が無いと言われるが故に俺の把握では探知出来なかったりして不意な魔物の奇襲なんかを受ける事が多かった。

 把握だけを信じずに耳や目、感覚を研ぎ澄まして俺は魔物や罠の探知なんかもしている。

 とはいえ、この階層では把握で既に網羅することが出来てしまう。


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