57 キリングマンティス
「さて……」
ランページコング達を仕留めたルナスが、死肉で他の魔物共を引き寄せないように威力調整したメガブレイズでランページコング達の死体を焼き払う。
残ったのは炭化した跡だけだ。
ちなみにこのルナスが放った光は遠くの村からでも森の方で強い光が観測出来たと噂で聞いた。
これで終わりか……と思った所でブゥウウンと大きな羽音が響いて月明かりを背に降ってきた。
キリングマンティスという大型の鎌の両手を持つ魔物がやってきたのだ。
この危険な森に生息する縄張りを持つ大型の魔物だ。
この辺りのボスでもあるか。
ルナスの放った光の魔法を目印に現れたんだろう。
フォレストウルフ達を追い払うことは出来たが余計な大物が来てしまった。
「シャアアアアアアア……」
鎌の手を上げてキリングマンティスが威嚇の声を上げる。
ピクッとクマールが死んだフリをしているのに震えるように動く。
ああ、怖いんだな。
安心しろ。
俺達の勇者様はあんな魔物ならすぐに倒してくれるから。
強さとしては迷宮の18階くらいの魔物で、俺でも倒せる。
「おやおや、この辺りの主まで登場かな? 夜分にご足労な事で。命が惜しいならここから去ってもらいたい所だがな」
悠然とルナスはキリングマンティスに全力で殺気をぶつける。
魔物ってのは本能に忠実な所があって殺気を受けることで相手との力量差を把握して逃げてくれたりする場合がある。
が……キリングマンティスは一歩も引く気配が無いようだ。
「私達は早く休みたくてね。静かにしてもらおうか」
キリングマンティスは鎌を大きく振り上げてルナスに向けて振り下ろそうとした。
が、その鎌をルナスは剣で横に切り捨てる。
くるくると音を立ててキリングマンティスの鎌は離れた木に突き刺さる。
「シャ!? シャアアアアア!」
一撃で自らの腕が切り飛ばされたにも関わらずキリングマンティスは戦意を失うこと無くそのまま飛びかかる。
「ふん」
一瞬の出来事で俺も理解するのに少し時間が掛かったけれど、ルナスは残像を出しながらキリングマンティスを細切れにして仕留め、ランページコング達同様にメガブレイズで滅却した。
ちなみにキリングマンティスの厄介な所はその腹部に寄生する魔物であるポイズンワイヤーワームにある。
強固な体を持ち、マンティスの腹部から出てきて第二ラウンドとも呼べる戦いを始める厄介な魔物なんだけど、出てくる前に魔法で仕留めたようだ。
「……これで客の歓迎は終わったか? リエル」
「周囲の気配は完全に散った。奇襲は無理だって悟ったっぽい」




