41 使役魔市場
確かに俺のサードスキルである積載軽減は大量の荷物を持って居てもその負荷を軽減して身軽にしてくれる。
けれど限界があるのは間違い無い。
そしてこれから迷宮などで潜った際に二人だから持ち帰ることが出来る荷物には限界がある。
戦闘はルナスがやってくれるのだからどれだけの物資が確保出来るか、なんだよな。
積載系のスキルを所持した魔物を連れて行けば当然、持ち帰れる物資が増える。
今現在俺達が抱えている問題を解決出来る手段なのは確かだ。
「君は真面目だからね。使役魔もしっかりと世話をしてくれるだろう?」
「まあ……お金には余裕があるし、新しく仲間を加入する見通しが立たないなら使役魔の一匹くらいは使役しても良いかもな」
「そうと決まったら早速探しに行こうじゃないか。ここで買えない物はないだろう?」
一応俺達がいるのは国一番の城下町。
ここの市場では使役魔は当然のように売られている。
金銭は一応、まだ手元にかなりある。
市場で売ってる中で気に入った使役魔を見つけたら買えば良い……か。
「じゃあ良さそうなのがいるか確認するか」
「うむ」
ってことで俺達は市場内の使役魔を取り扱っている区画へと足を運ぶ。
チチチ……っと愛玩用の小型の鳥、ピッチュという魔物が鳥かごに入っている光景が目に入る。
他にもいろんな飼い慣らされた使役魔が首輪等の道具を着けて檻に入っているなぁ。
露店販売で雨だけを凌げる作りの店も多い。
「ほう……これは中々見ていて楽しめそうだ」
「愛玩用の使役魔とかも多いんだな」
「うむ。一般家庭でよく飼われる魔物もいるな」
犬系の魔物の中にはブリーダーやモンスターマスターが飼い慣らしてより人に懐くようにした品種も多い。
元は同じ魔物なんだけど小型から中型、短毛や長毛、ウルフに似た品種など様々居る。
ルナスはそんな犬系の魔物の檻でちょいちょいと近づけて指で魔物にちょっかいを掛けようとしている。
魔物はルナスのそんな様子を目で追って小首を傾げていて、そんな動作一つ一つがかわいらしく見える感じだ。
値段を確認する。
数が多い魔物は相応に安く、人気の魔物は当然高額だ。
そして値段の下には所持スキルなんかも載っていたりする。
魔物も人間と同じく個性とばかりにファースト、セカンド、サードと所持スキルが存在する訳だ。
犬系の魔物の場合はファーストスキルが連携や忠義を持っているのが共通だ。
連携する事が上手か、従うべき相手の指示を聞くと能力上昇するスキルだな。
セカンドスキルは嗅覚増加とか追跡を持っているのが多い。
愛玩用でもそんな感じのスキル持ちがいる。
「……」
こんな所でもスキルってのは無慈悲に存在するもんだ……。
死んだフリが取り柄の考古学者にはちょっと刺さるものがあるけど、これは僻みって事で素直に受け入れるべきなんだ。
「ルナスはどんな使役魔が好み?」




