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132 固定観念


「あの口だけ勇者が言ってたけど、そんな事あり得るはずないじゃないの!」


「フヒヒ! そうだ。リエルが有能であるはずがない!」


 ドラークとも死後話をする機会はあったにも関わらず、ルナスの強さの秘密を真っ向から否定と来たか……。

 俺の死んだフリって本当……あの二人の中では使えないって固定観念が絶対なんだな。


「今度はあの時みたいに私達を即座に倒せると思わない事ね。何せ底力覚醒やスロースタートの効果はとっくに切れているはずよ」


「フヒヒ……そうだぞ。お前達がこの階層に来た所はしっかりと確認して、効果も切れているからな」


 あの時の遠隔監視の魔法陣はルセンが仕掛けたモノだったのか。

 攻撃魔法一筋のルセンが知恵を絞ったって所で今までとは違うのか?

 いや、俺の死んだフリが有用である事を最初から除外して強さの可能性を考えているから正解にたどり付けないのか。


 しかし、相変わらずルナスの所持するスキルを読み間違えている。

 それではまるで意味がない。前回と同じ結果になるだけだ。

 実際、ルナスが前回と同じ様に微笑を浮かべている。


「この階層の連中は片っ端から私達が仕留めて力にしてやったんだから、全力を出せないアンタなんて今の私達の敵じゃないわ!」


 覚醒状態では無いルナスの強さを前提とした挑戦をマシュア達はしている。

 一応知恵は使っているんだよな。

 その前提が間違っているだけで。


「なんて言うか……さ。ここまで身勝手な挙句愚かで死んで当然って人も珍しいよね。あっちの人って確か賢者だったんでしょ? 呆れるくらい愚か者だね」


「そうだな。私からすると賢者とはリエルこそ相応しいと思っているぞ」


「知識量に関しちゃリエルに軍配が上がるのは間違い無いね。僕、リエルの持ってる手帳を見せてもらったけど、あれは素直に凄いと思ったし一冊欲しいくらいだよ。リエルに賢者系のスキルが開花したら隙が無いんじゃないかな?」


 ね? そこの自称賢者さん? ってシュタインがルセンに挑発を行う。


「黙れ! 人を馬鹿にするのも大概にしろぉおお!」


 っと、ルセンが炎の魔法をシュタインに向かって飛ばしてきた。

 それをシュタインはホーリーボールという魔法を投げて飛ばして相殺……を超えてルセンにホーリーボールを命中させる。


「ぐああ!?」


「魔法攻撃力もそこまで無いね。いや、僕も大分強くなってきたって事かな? 持つべきものは親友だね!」


 だからなんで現金な感じで親友を連呼するんだ。

 まあ実際、強くなってきているんだろうけど。


「少年、そう言ってやるな。私達は急速に成長をしているからな。グレーターデーモン相手に息を切らして戦っていた頃の仲間ではどうしようもないのだ」


「何やってんのよ、アンタ! 逆に返されるなんて馬鹿じゃないの?」


 マシュアがルセンに回復魔法……か?

 なんかちょっと邪悪な感じのエネルギー補給をルセンに行い、傷を即座に塞ぐ。

 どうやら神聖系の回復魔法ではないみたいだが……本人は回復魔法だと思っているんだろう。


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