吐息
私はそれとなく息を吐き出す
白く曇るガラス
高く澄んだ青紫色
一輪の花が咲く
皮膚を突き刺す寒冷
乾き流るる雫
頬を赤く染め上げる
零れ落ち弾ける
遮るものは何もなく
聴こえてくる潮騒
掴んだまま離れない
いつか描いた情景
いつか朽ち果てる
この身は土に還る
何一つ語らずに
それもまた一つ
私もそのうち染まる
吐き捨てられた塵
あの日感じていた事
ただただ思い出すように
いつか理解する日が来る
縛り付けられた感情
今更した後悔
過去に思い馳せるだけ
それでも踏み出す前足
切り捨てたもの多々あるが
頭上に同じもの二つ無く
地上に私はただ一人