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極振り騎士のVR譚  作者: 長曽根
1章 教国の宝物殿
2/16

2話 キャラメイク







家に着いた俺はまず昼飯作りに取り掛かる。両親共に海外出張の為、家にいるのは俺と中学2年生の妹である港遥香の2人だけだ。



どうやら遥香はまだ帰ってきていないらしい。あいつもDMOをやるとか言ってたな。魔物プレイヤーかな?



そんなことを考えながら男の簡単手料理である炒飯チャーハンを2人分作り上げた時ちょうど遥香が帰ってきた。



「ただいまぁー!お兄ぃ!昼ごはんできてるぅ?」



「あぁ、お前の好きな炒飯チャーハンだよ」



「わーい!ありがとう!」



遥香は何故か炒飯チャーハンが好きなのだ。理由を聞くとなんでも早く食べられるかららしい。ゲーマーな妹にとっては死活問題らしい。



ゲーマーなのに成績は上位という謎の生態をしている妹は帰ってくるなら服を脱ぎ捨てジャージに着替えて食卓へと走ってきた。



「毎度言ってるだろ、服は洗濯機に入れるかたたみなさい。」



「わかってるって!それよりお兄ぃもDMOやるんでしょ!楽しみだね!」



「あぁ、俺は魔物側の動く甲冑(リビングアーマー)でプレイするつもりだよ。」



「へ?あぁ〜なるほど、騎士ね。私は人間で二刀流やるんだ!」



「運動神経いいんだし楽しめよ。食べ終わったらキッチンに持ってこいよ。どうせお前洗わないんだろ?」



「あったりまえじゃん!私が洗ったら全部割れるよ!」



「はぁ、いばるなよ。ま、お前の家事能力は皆無だとわかってるからいいけどな。」



「お兄ぃやっさしぃ〜!んじゃあゲームの説明書読んでるから後15分したら始めようね。」



そう言って遥香は2階の自分の部屋へと駆けて行った。15分?そう思いふと時計を見るともう11時45分だった。



「おっと、急いで洗わないと。」








昼飯の片付けも終わりあと1分となったところで部屋に置いてあるヘッドギアを装着する。なんでも脳波に接続して睡眠状態にするらしい。



10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、

ゼロッ!


「ダイブ・スタートッ!」


音声認識の開始記号を唱える。



ブゥゥーンと軽い動作音がしたあとゆっくりと意識が落ちて行った。













眼を覚ますと辺り一面真っ白な部屋だった。そして自身はザ村人のような格好をしていた。



「ようこそDestiny Mischief Onlineへ!

オレは総合統括管理AI−6号である。龍神フォルトゥーナだ。よろしくな!」



これを神々しいというのだろうか?完全にAIの域を超えている。どうせロールプレイをするんだからしっかりと崇めておこう。



「俺の名前はそうですね、アーサーです。よろしくお願いします。」



「ふむふむ、礼儀のいいやつは嫌いじゃないぜ。それでこれからDMOの世界観を説明するよ。」



「よろしくお願いします」


ニッコリと笑った男勝りな女神様はそうして説明を始めた。



「まずこの世界の名前はカリウス。神は6柱いる。

1人目が総合統括管理AI−1号である創造神ネティラ

この世界において創造を担当する女神として祀られている。


2人目が総合統括管理AI−2号である破壊神カルティオ

この世界において破壊を担当する女神として祀られている。


3人目が総合統括管理AI−3号である生命神オルティエ

この世界において生と死を担当する女神として祀られている。


4人目が、総合統括管理AI−4号である秩序神タルティエーズ

この世界において正義と秩序を担当する女神として祀られている。


5人目が総合統括管理AI−5号である自然神ヘルティア

この世界において自然を担当する女神として祀られている。


6人目が総合統括管理AI−6号であるオレこと龍神フォルトゥーナ

この世界において輪廻と運命を担当する女神として祀られている。


ここまではいいか?」



「ええ、序列などはあるんですか?」



「それはない。皆GMの元に平等だ。」



「そこGMって言っちゃうんですね?」



「いいんだよ。そしてお前らプレイヤーは現地では稀人マレビトと呼ばれ、神の加護を受けた死んでも蘇る女神の使徒と呼ばれている。」



「魔物プレイヤーはどういう扱いになるんですか?」



いやらしい笑みを浮かべたフォルトゥーナ様は答える。



「“女神の加護を悪用した魔物”だとさ。笑えるだろ?運営も鬼畜過ぎだっての。そのかわり初期ステータスが2倍だからな。」



「それは優しいのか厳しいのか。俺は魔物側でプレイするつもりなので」



その途端一気に真面目で真剣な雰囲気になったフォルトゥーナ様に少し気圧される。さっきまでの少しふざけてた神はもういない。そして徐に口を開き始めた。



「ひとつだけ聞こう。何故なにゆえ汝は人の道を往かず、人に仇為す道を往く?」



やばいぞやばいぞ、かなりやばいぞ。雰囲気が切れた時の師匠と同じだ。あえで堂々としていなきゃ気持ちで負ける!



「人に流されずに自分の道は自分で決める。ただ、それだけです。」



いえたいえたいえた!圧がやべぇ!



そしてフォルトゥーナ様の真剣な雰囲気は消え笑い出した。



「ククククク、フフフフ、フハハハハハ!面白い、面白いぞっ!久方振りに道化を見たぞ!」


え?どういう事?全くもってわからない。



「どういう事?という顔をしているな?我ら総合統括管理AIはGMよりある権利が与えられている。それはこのゲームを始めるときに1番面白そうな人間にアドバイスと加護を与える権利だ。」



「って事は俺はアドバイスと加護をもらえるんですね?」



「そうだ!私は輪廻と運命を司ると言っただろう?人に流され自身の意志を鑑みない輩はいくら経っても成長せぬ。これは道理にてまた運命でもある。


だがな、敢えて己が道を往く。それもまた運命であり、己が運命さだめに抗うということでもある。運命でもあり、運命さだめに抗う、いかにも矛盾よな。



これだから人間は面白い!!さて、キャラメイクに移るとしようか。」



初っ端からかなり面白くなってきたな。



「まず決めるのは種族レイス職業ジョブだ。一覧から選んでくれ。」



そう言って俺の目の前にズラーッと並ぶ種族レイス一覧表が出てきた。でも前から決まってる。



動く甲冑(リビングアーマー)ありますよね?」


ニヤニヤとした笑みを絶やさず

「ほう?あの鎧にするというのか?」



「ええ、俺は俺の道を往く。」



「わかったぞ。名前ネームはアーサー、種族レイス動く甲冑(リビングアーマー)だな?」



目の前に自身のステータスプレートと思しきものが浮かんだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

◾️名前ネーム:アーサー


◾️種族レイス動く甲冑(リビングアーマー)Lv1


◾️職業ジョブ


◾️等級ランク:F


(ステータスP500を振り分けてください)

HP:0

MP:0

(ステータスP200を振り分けてください)

筋力:0

耐久:0

精神:0

敏捷:0

器用:0


◾️能力スキル

P【自動修復Lv1】

P【状態異常無効Lv1】

P【聖魔法脆弱Lv10】

ーーーーーーーーーーー



◾️装備


◾️称号タイトル

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「次は職業ジョブと言われるものだな。これによって補正がかかることが多い。どうする?いやもう決めてあるのか。」



「ええ、もちろん。見習い騎士でお願いします。」


またもやステータスプレートが浮かんだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

◾️名前ネーム:アーサー


◾️種族レイス動く甲冑(リビングアーマー)Lv1


◾️職業ジョブ:見習い騎士Lv1


◾️等級ランク:F


(ステータスP500を振り分けてください)

HP:0

MP:0

(ステータスP200を振り分けてください)

筋力:0

耐久:0

精神:0

敏捷:0

器用:0


◾️能力スキル

P【自動修復Lv1】

P【状態異常無効Lv1】

P【聖魔法脆弱Lv10】

ーーーーーーーーーーー


◾️装備


◾️称号タイトル

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「あとは自分で入れてくれ。ちなみに既に登録されてる能力スキルは種族スキルだから変えられないぞ。ではステータスの説明を始める。



筋力が無ければ持てる武器が無くなる。魔法使いならいらんな。



耐久はお前などの騎士職に就くものや盾職、所謂タンクと呼ばれるものが必要とする。耐久が高ければ弱い攻撃ではダメージを負わない。



精神が高ければ状態異常魔法などを防ぐことが出来る。お前は状態異常無効だから要らんなこれ。



敏捷はその名の通りスピードが上がる。盾職タンクなら要らんだろこれ。お前の場合、まぁ最低限でいいんじゃないか?



器用は生産職が必要とするやつだな。高ければ高いほど作った作品の品質が高くなる。



そんなとこだな。」
















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