38.牢屋を後にして……
ごめんなさい、日付感覚狂ってました。
思いっきりすっぽかしてしまいました。……ごめんなさいm(_ _)m
今回も短めです。
外へ出る許可を得た二人は、しかし集落の中を歩き回ることなく一度外へ出た。
いくら冤罪であるとはいえ、集落の人々からすればセクリアは罪人。
共に行動しているウルティナにもあまり良い目では見られない。
ゆえに久しぶりの屋根のある場所で休息を取りたかったウルティナからすれば非常に遺憾ではあったが、外に出ることにしたのだ。
そのまま二人は昨日野宿をした場所まで戻ってきた。
「ここまで来れば良さそうですわね、フィーディー」
ウルティナが肩から下げたポシェットにそう声をかける。
するとポシェットの蓋が開き、ヒョコっと人形の顔がのぞき出た。
「大丈夫だった? ウルティナとセクリア、結構荒い感じに連れてかれてたけど」
「ええ、こちらは。フィーディーの方こそ大丈夫でしたの?」
「うんっ、大丈夫だったよ。特になにか取られたりもしなかったし」
木の幹にもたれかかるようにして座ったウルティナの隣で、オーロラの帽子をかぶった人形は漂う。セクリアは彼女に向き合うようにして、腰を下ろした。
「でもね、ひとつだけ気になることが起きたんだ」
くるっと宙を一回転しながら告げたフィーディーに、ウルティナは頷き先を促す。
「んと、ボクもポシェットの中にいて、目で見たわけじゃないからさ。ちゃんとしたことはわかんないんだけど」
フィーディーは続ける。
「一人、牢屋を訪ねに来た人がいたみたいなんだ。
たぶん、集落に住んでる普通の人が。
しかもその人、セクリアの名前を出してた。んと、たしか……『罪人セクリアが帰ってきた、って。……本当ですか?』って。聞いてた」
小さく肩を揺らしたのは、セクリアだ。彼の動きを視界の端で捉えつつ、ウルティナは口を開く。
「どのような様子で聞いておりましたの? 魔力察知と声の響きからでよろしいので、教えてくださるかしら」
「えっとね、声的には焦ってるようにも聞こえたかな? でも、ただ焦ってるってわけでもなさそうだったんだよね。
なんだろ、ぅんっ……と、……緊迫した感じ? うん、そんな感じ」
「緊迫……?」
「そう。
表情とか見れれば一番良かったんだけど、さすがに人形のボクが動けるってことを隠すために隠れてた以上は、外に出れなくって。ごめんね」
「いえいえ、こちらこそ暗い場所に閉じ込めてしまい申し訳ありません。ちなみに、その方の性別はわかります?」
「えぇ……どっちだろ。中性的な声質だったから、絶対こっちだ、とは言えないけど。んでも強いて言うなら、男、かな?」
中性的で、強いて言うなら男。
その二つの言葉に、ズサッとこすれた音がもれる。
木の幹を擦るようにして体勢を崩したセクリアは、真っ青な顔色をしていた。
「なるほど。ありがとう、フィーディー。
……それで、セクリア。大丈夫ですの? 先ほどから様子が優れないようにお見受けしますが」
さすがにおかしく思ったウルティナは、セクリアに問いかけた。
「…………だい、じょー……ぶ……」
呼吸も荒い彼は、それでもと。
『大丈夫』からはほど遠い声音でなんとか言葉を絞り出し、続ける。
「………………た、だ……。
……その、人、……が。……思い、……あた…っ…た……だけ……だか、ら……」
彼の視線は、どこともつかない宙に放り投げられていた。




