37.宣戦布告をして……
今回短めです。
(執筆の時間が取れないほどに忙しい時期に入っていまして……。今後も出来る限り書いてはいきますが、今回同様短くなってしまう可能性が高いと思われます(多分、今後一年くらいは)。
一週間に一度は絶対投稿していきます)
長にお前らの判断を下してもらおう、と。
見張りの男性はそう告げて、鉄格子の前から去っていった。
彼の姿が見えなくなってから、ウルティナはにやりと上げていた口角を普段通りのそれに戻し、セクリアに向き直る。
「……セクリア、大丈夫ですの?」
「ぅえ、……う、うん。……だい、じょーぶ……だ、よ……?」
問いかけに、セクリアは慌てた様子で答えた。
その姿を見てすっと目を細めた彼女は、しかしいつも通りの口調で「ならば良いのですが」と言った。
「本当に無理であると思ったなら、遠慮無く言ってくださいな。いくら私とて、きちんと言ってくださりませんとわかりませんから」
「…………ん。……あり、が、と」
微笑むウルティナに、セクリアは何か堪えるような面持ちで感謝の意を表す。
「………………で、も……ほんと、に……。だい、じょー…ぶ……だか、ら……」
俯き気味にそう呟く彼は、どこか自分に言い聞かせているようにも見えた。
わずかに目を細めて彼の様子を見ていたウルティナは、しかしそれ以上なにも言わずにただ息をもらしただけであった。
それからおおよそ一時間が過ぎたときのこと。
ゴンゴン、と、
暗い牢屋の中に地面を叩く音が響き始めた。
どうやら誰か人が来たようだ。
一時間の間特に話すこともなく過ごしていた二人は、その音に視線を上げる。
二対の視界に入りこんできたのは、やはりかの見張りであった。
片手に槍を、もう片手にはなにやら袋を持っている。
感謝しろ。
それが彼の第一声であった。
「ご多忙極まる長が、一時的なものではあるが、わざわざお前らの処置を決めてくださった」
袋を地面に置き、代わりに懐からじゃらじゃらと金属音が鳴るものを取り出す。
「長はお前らの[統一最強決定戦]への参加を認めてくださった。喜べ、双髪のお前の言い分が通ったんだ」
ガチャ、っと。
見張りは手に持つ鍵で鉄格子の錠を解除した。
「これがお前らの荷物だ。受け取ったら、さっさと出てけ」
手渡されたのは、地面に置かれた布製の袋。
ウルティナがそっと中を覗き込むと、たしかに二人分の荷物が入っている。
「ありがとうございます。では、また明日。失礼しますわね」
お辞儀をし、片手に袋を抱えて。
二人は、牢屋を後にしたのであった。




