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悪役令嬢が○○になってはいけませんの?  作者: 叶奏
三章 集落の代表者
43/73

37.宣戦布告をして……

 今回短めです。

(執筆の時間が取れないほどに忙しい時期に入っていまして……。今後も出来る限り書いてはいきますが、今回同様短くなってしまう可能性が高いと思われます(多分、今後一年くらいは)。

 一週間に一度は絶対投稿していきます)



 長にお前らの判断を下してもらおう、と。

 見張りの男性はそう告げて、鉄格子の前から去っていった。


 彼の姿が見えなくなってから、ウルティナはにやりと上げていた口角を普段通りのそれに戻し、セクリアに向き直る。


「……セクリア、大丈夫ですの?」

「ぅえ、……う、うん。……だい、じょーぶ……だ、よ……?」


 問いかけに、セクリアは慌てた様子で答えた。

 その姿を見てすっと目を細めた彼女は、しかしいつも通りの口調で「ならば良いのですが」と言った。


「本当に無理であると思ったなら、遠慮無く言ってくださいな。いくら私とて、きちんと言ってくださりませんとわかりませんから」

「…………ん。……あり、が、と」


 微笑むウルティナに、セクリアは何か堪えるような面持ちで感謝の意を表す。


「………………で、も……ほんと、に……。だい、じょー…ぶ……だか、ら……」


 俯き気味にそう呟く彼は、どこか自分に言い聞かせているようにも見えた。


 わずかに目を細めて彼の様子を見ていたウルティナは、しかしそれ以上なにも言わずにただ息をもらしただけであった。



 それからおおよそ一時間(アード)が過ぎたときのこと。


 ゴンゴン、と、

 暗い牢屋の中に地面を叩く音が響き始めた。

 どうやら誰か人が来たようだ。


 一時間(アード)の間特に話すこともなく過ごしていた二人は、その音に視線を上げる。


 二対の視界に入りこんできたのは、やはりかの見張りであった。

 片手に槍を、もう片手にはなにやら袋を持っている。


 感謝しろ。

 それが彼の第一声であった。


「ご多忙極まる長が、一時的なものではあるが、わざわざお前らの処置を決めてくださった」


 袋を地面に置き、代わりに懐からじゃらじゃらと金属音が鳴るものを取り出す。


「長はお前らの[統一最強決定戦(ディナトティシム)]への参加を認めてくださった。喜べ、双髪(ふたがみ)のお前の言い分が通ったんだ」


 ガチャ、っと。

 見張りは手に持つ鍵で鉄格子の錠を解除した。


「これがお前らの荷物だ。受け取ったら、さっさと出てけ」


 手渡されたのは、地面に置かれた布製の袋。

 ウルティナがそっと中を覗き込むと、たしかに二人分の荷物が入っている。


「ありがとうございます。では、また明日。失礼しますわね」


 お辞儀をし、片手に袋を抱えて。

 二人は、牢屋を後にしたのであった。



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