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神と人と妖魔の戦記録  作者: 邪な鬼
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第一話 追憶と招かれざる来訪者

少し長めに書いてあります。

 誤字、脱字も多いと思いますが読んでくださるとありがたいです。

 此方でも意味が分からない部分があれば指摘と助言を下さるとうれしいです。


 ――遡ること数時間前


 俺はある夢を見ていた。だが……俺はこれが夢なのか分からなかった……いや分からなかったというより――()()()()と思えずにいた。


 辺りを見回した感覚があるにもかかわらず、何処を見ても映るのは、明かりや建物もない、いやもしかすると建物があるのかもしれないが、それが分からない程の闇が映り込むだけ……感覚があり頭もさえている……そんな夢か現実かも分からない。


 常人なら理解した瞬間、発狂し精神崩壊するであろう世界に俺はいる。


 それにもかかわらず俺の心は……驚く程穏やかであった。


(はあ~、……何でこんな所にいるんだ、俺は? まあいいか、取り敢えず頭が正常な内に俺自身の事や、昨日までの事を思い出しておこう。俺もこの状況が続けば、何時まで正常な状態でいられるか分からないしな~)


 俺は、軽く鬱になり面倒だと思いつつも取り敢えず状況を整理しておこうと記憶を思い出していた。


(ふぅ~~、まずは…自分や家族のことからやるか。俺は、日牝神未来……歳が確か17? ……あぁ~いや昨日で18になったか……で調布高校の3年……家族が1つ上の義理の姉が一人……6つ下に双子の義弟と義妹の二人、計四人で暮らしているっと……此処までは問題なく覚えているな)

 

(次は、今までの事を振り替えッ――!? ……いや、昔の事は覚えているから置いておこう)


 自分や家族の事を正確に覚えているのを確認できたことに内心ホッとし……次は、今までの出来事を確認しようと思った瞬間……ある記憶が頭をよぎった。


 それが一瞬とはいえ思い出したくもない物を思い出してしまい整理することを止めた。


 此処が普通に見える所であったなら自分の顔は今……怒りや嫌悪感が混ざった顔をしていただろう。


 嫌なものを思い出し少しの間……呆けてしまったせいか滝のように次々と、過去の出来事が、すごい勢いで思い出された。


 すぐ正気に戻り止めようとするが、時すでに遅しと言いたげに勢いは止まらず思い出され続けた。


 俺は、無駄だと分かった途端……思考を放棄し、座り込んでる床かどうかも分からない闇に寝転がった。


 それでも止まらない記憶に苛立ちを覚え、(もし夢であるなら早く目を覚ましてくれ)と思った途端、それまで滝のように流れ込んできた記憶が止まり……今度は、少し流れが早い川位のスピードで巻き戻されていたが、ある記憶で唐突に止まりそれが思い出されると同時に声が聞こえてきた。 


()()()()()()()()()()


 まだ自分が幼少の頃……寺で神主をしていた爺ちゃんの話していたことを思い出していた。


 十年近く前、俺がまだ7の頃、当時まだ8才だった姉貴こと日牝神 咲哉(ひめがみ さくや)は、都心部から少し離れた町外れにある義母方の……祖父が管理をしている神社を兼任している寺に一日の大半は預けられていた。


 そのお陰か姉貴はどうだったか分からないが、俺にとっては、寺が家にいるより落ち着ける場所に思えていた。町や都心部から離れているからか人もあまり来ず、来たとしても片手で数えられる程だ。そのせいもあり俺達姉弟にとっては、無駄に広かった寺が遊び場でもあった。


(そういえば…この頃は余り疑問に思わなかったが、今じゃあ他の所と見比べてみれば異質さが際立つんだよな。……あ~、確か……この一ヶ月か二ヶ月後位に義母さんが教えてくれたな)


 まだ小1の頃に、あの寺と神社二つの役割を持っている事に疑問を抱き、体が弱かった義母さんが入院していた病院に……見舞に行った際に訪ねてみたことを思い出していた。


『あ~、彼処はね……江戸時代より前から私達のご先祖になる日牝神家の人が、神降ろし行い……その神に力を貸してもらって妖怪退治や徐霊をしたり……時には、直接やって貰うなどを行った場所であった事から……神を奉る為の神社であり、迷える魂達が旅立てるように寺としての役目もしているのよ』

『あ! 後、その神降ろしが出来る事から神に興味を持たれて力を貰い、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ことから此処の管理は、代々日牝神家がするようになったて言い伝えられているみたいよ?』


 そこまで思い出して姉貴の顔が思い浮かんだが、頭を振って追い払うと続きを見ろとばかりに又、再生され始めた。


 この日も俺達は、爺ちゃんの所に預けられいつものように遊んでいた。――と言いたいがどちらかといえば、姉貴に付き合わされていた。が正しいだろう。


 いつの間にか爺ちゃんが、縁側の方に来て座っていた。

 俺と姉貴は爺ちゃんに気付くと、姉貴が手を振りながら俺は、その後を追って一緒に爺ちゃんの近くにいった。


 俺達は、神社で過ごす他に楽しみにしてるのがもう一つあった……それが、爺ちゃんが話す教えと言うなのただの面白いと思える話だ。

 俺達が、近付くと微笑みながら膝を叩いていた。


 姉貴は、爺ちゃんの膝の上に座り…俺はその隣に座った。俺や姉貴は、腰を落ち着け爺ちゃんが話始めるのを……待っていると程なくしてゆっくりと語り始めた。


「……人は誰しも夢を見る……中には自分は一度も夢を見たことがない……と言いきる奴がいるだろう……だが、それは本人が無意識的に封じているだけであって見ており……そして覚えてもいる」


「人が見る夢は十人十色といわれているが……大きく分けると二種類しかない」 


「一つは、その者にとっての"幸福"、……例をあげるのならば、友や彼女ができ楽しく過ごし続ける日々、……もしくは亡くなった大切な人や動物などが生きており一緒に暮らし続ける日々、……今の時代であれば、自分自身が勇者になり……世界を救う英雄になるなど……このように"幸福"……その言葉一つで様々な形として現れる」


 爺さんは、空を眺めつつそこで語りを一度止めると、俺達の頭を撫で……微笑みながら続きを聞くかと聞いてきた。


 俺は、黙って頷き姉貴は「聴きたい聴かせて!!」と爺さんに嬉々としてお願いした。


 爺さんは、俺達の反応に笑みを少し深めながら頷きつつ空に視線を戻し、またゆっくりと話し出した。……たださっきと違い雰囲気が少し固く俺と姉貴はそれに気付き戸惑いつつも真剣に聞き始めた。


「されど、陰と陽があるように……幸福にもまた対となるのがある。……その対となる二つめが……"不幸"又は、"絶望"と言われるその者の、負を元に見る夢……俗にいう"悪夢"と呼ばれるもの」


「……これは、先程もうした幸福の例とは真逆の例になる……学校に幾度に暴力や陰口をいわれ怯え続ける日々、……大切な人や動物が亡くなっていくのを見続け……苦しみ続ける日々……又は、――いや……この例えはよしておこう……今言った二つの例えだけでも"絶望"……という存在が断片的にも見え……感じ取ることができるであろう」


 そこまで思い出し、あの時……爺ちゃんが何を言いかけたのか今でも分かる。


 当時の俺も分かっていたが、今と違い当時は誰かが怒り泣いたりすれば自分のせいだと思っており……この時も、その声に僅な怒気と…殺意を含ませ言いかけた言葉が自分がいるから此処に()()()()()()()()()()だからかと思い込んでいた。


 多分暗い顔をしてたんだろうか……爺ちゃんは、それまでの雰囲気が嘘みたいに消え……いつもの優しい雰囲気に戻し……俺の頭を撫でてきた。


 優しくそれでいて温かさを感じさっきまでの不安が嘘のように消えた。


 自分のことでいっぱいで気が付かなかったが、隣を見てみると姉貴は、俺や爺ちゃんの腕や服を強く掴み爺ちゃんの服に顔を押し付けていた。


 爺ちゃんは、俺達の頭を撫でながら続きを話そうとするのを見ているといつの間にか姉貴に掴まえられていた腕が自由になり……隣を見ると姉貴が耳をふさいでいた。

 だが次の言葉を聞いて唖然として爺ちゃんを見上げていた。


「しかし……今話した幸福や絶望に大きな違いは存在しないんじゃ」


 爺ちゃんは、してやったりと言いたげに少し意地が悪い笑顔を向けてきた。姉貴はむくれて文句を言おうとしたが、それを察したのか悪かったとでもいうように頭を撫でられ……この頃は単純だったせいかその行動ですぐに機嫌は直っていた。

 機嫌がよくなったのが分かったのか撫でるのをやめ……視線をまた空に戻しゆっくりと話を始めた。


「何故違いが存在しないのか……そう疑問に思うだろう。その疑問は当然のことである……だが、儂は大きな違いが存在しないと申したが……細かい違いがないとは申しとらん。屁理屈にしか聞こえないだろうが本当のことじゃ」


「しかし、この答えはごく単純で、誰でもわかること…だからこそ見落としてしまう……それは――この二つが……一つの欲からきておるからだ」 

「では、その欲とは一体何処から出てくるのか? 分かるかの」


「ぅえ!? そ、それは! うぅ~~ん??」


 「……魂」(ボソ)


 「正解じゃ」


 そう爺ちゃんに聞かれて姉貴の方は、最初はワタワタしていたがすぐに目を閉じて唸り、首を傾げて悩んでいた。


 俺の方は、すぐに答えが思い浮かび黙っていようとしたが無意識に答えをもらしていた。


 それが聞こえ……爺ちゃんは頷き、先に答えが分かった事に姉貴は、頬を膨らませ睨んできた。


 俺は、咄嗟に「ご、ごめんなさい」と俯いて謝ると、ポン、と頭に手がおかれ……顔を上げると姉貴が笑いながら言った。


「ごめんね。今のは別に怒った訳じゃないよ」

「……この際だからお姉ちゃんの思っている事全部話すね。……私達は家族で、兄弟何だから顔色を伺って自分を隠さないで未来の意思を伝えてほしい! 私も!! ……私も我慢せず何でも言うし今のように…伝える」


 姉貴は、頭を撫でながら少し申し訳なさそうなそれでいて俺の悩みを見透かしているかのような笑みを浮かべていてそれを見て息を飲むのが自分でも分かった。


 萎縮してるのが見てとれたのか少し寂しげな顔をして一呼吸入れた後、真剣な顔で本心を俺に伝えてきた。


 俺はその視線や言葉を受け止められず顔を背けた。


 話を区切ると、俺と爺ちゃんの間に入るように移動し俺の方を向き、顔を逸らせないよう手で固定して――今でも大切に覚えている言葉を言いはなった。

 

「……だから! 未来も私に遠慮せず、自分の意思を伝えて! そして甘えて! それで誰かが文句を言ってくる人がいても…私が喧嘩をしてでも守ってあげる!……だって私は、誰がなんといおうと未来の家族で姉だからね!! あ! 後、これからは名前にさんずけじゃなくお姉ちゃんと呼んで、此れ一番重要なことだからね♪」

 

「ッ!? ……ェック……グス、ぅッあ……ぁぁああああー!!」


 目の前で堂々と言われた本心を聞き、体の底から暖かくなるのを感じとると――涙が頬を伝い次第に嗚咽をもらし泣いた。

 姉は、頭を撫でながら俺を見て笑顔を向けてきた。

 それは7才とは思えないほど母性を感じさせる程の花が咲きそうな綺麗な笑顔だった。


「ぁ、ありがとう。……ね、姉さん」


「!? ……うん、どういたしまして!!」


「ウグ!? ……そッ、それより早く続きを話して!?」


 数分程たってようやく落ち着くと泣いてしまった事が気恥ずかしく、顔を逸らしつつ礼を言うと最初は驚いていたが、次の瞬間には満足そうな顔で頷いた。

 そんなやり取りを見ている爺ちゃんが、満足そうに頷いた。

 俺はそれに気がつくと、さっきの続きを聞かせて貰うよう……敬語を使うのを忘れ、せがんだ。

 爺ちゃんは、満足そうに頷くと……姉貴が落ち着くのを見計らい続きを話始めた。


「先程……未来が答えた通り欲とはその者の魂……言い替えれば……心から出てくる感情じゃ。先に申したあの夢が、その者の心の底で……望み渇望した、たった一つの欲望の現れじゃ。……だが夢とは移ろい……変わってゆく物その者の魂の在り方によりどちらにでも簡単に傾く」


 語りを聞きながらこの長い追憶ももう少しで終わりを向かうのが感じ取れる。

 その感覚を感じつつも爺ちゃんの顔を見て……聞いてると、隠しきれない後悔を滲ませた声で此処ではない何処か遠くを見ていたが、語りが終わるとゆっくり目を閉じ息を吐き出した。

 一分近く経った後、ゆっくり目を開くと俺、姉貴の順に顔を見てきた。その時の表情は、何かを吹っ切ったようなそして決意した物が感じ取れた。

 

「……未来そして……咲哉よ。今しがたお主達が心を通わせ変わったように魂……心とは不安定な物もし悪夢を見るのなら……それは、警告と捉えるがよいそれを一人で御しようとしてはならない。それをすれば、いずれ限界が訪れ、壊れ、……大切な人が傷付き…失ってしまうだろう。そうならぬよう互いが、互いを支えあい絶望を乗り越え……希望を目指し歩んでゆくがよかろう」


 そこで、夢が終わるよう徐々に薄く、虚ろになっていくなか、この話をするときに爺ちゃんの雰囲気が変わったのか当時の俺達は少ししか分からなかったが、この時…本当に俺達を教え……道を踏み外さぬようにしようとしたことを今になってようやく理解出来た――――だが、ほぼ間違いないが、何故か()()()()()()()()()()()()。頭は正しい記憶だと認識しているが、感覚的な物……心が違うと感じた。


 戻った闇の中、何故なのか考えていると唐突に少し離れた場所が光だした。

 俺は余りの眩しさに、考えを中断し目を隠した。


 徐々に光は収まり、目を慣らして腕を退かすと、光の中心だと思う場所には、小規模のビル位の高さが、ピラミッドのような三角形状に階段がつまれ、頂上にはRPG等で見る玉座が置かれていた。


 それを目にして、一瞬呆けそうになるのを我慢し、周囲を警戒しつつ玉座を睨んでいると、光の粒が集まっていくのが分かった。


 警戒を強めつつ念のため片目を閉じた。


 人の頭程に集まった時に……今度は、一瞬の発光こうなる事も予想していた事だった為すぐもう片方の目を開け見ると――玉座の上から百人に聞けば全員が"女神"と、答えそうな程のオーラを纏った美少女が降り立った。


 普通の人ならば、見惚れて警戒を解くのだろうが、俺は……女性から感じ取れるはずの気配が、

全く感じ取れず逆に警戒を強めた。

 そうして睨み続けてると女性の目がゆっくりと開き俺を見ると女性は、艶やかな声で俺に告げてきた。


(わたくし)を見て感動する所か、ジロジロと睨んで視姦しないでください! この童貞!!」

次は、4月中に出します。

 まだ二話しか掲載していないのにすみません。

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