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神と人と妖魔の戦記録  作者: 邪な鬼
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第19話 トラブルと理解

 遅れてしまい申し訳ありませんでした


 「はあ~、ようやく終わった。つーか何で俺まで説教されてるの?寧ろ俺の方は、被害者だと思うんだけどその辺どうなの彩希羅ちゃん?」


 説教が終わりお互い立ち上がると、佐間義は心底疲れたと言いたげな表情をしながら、ふと疑問に思った事を彩希羅に質問をする。


 ただ呼び方が気に入らなかった様で眉を潜め、無視するのは流石にどうかと思ったのか少しの間をあけた後、不機嫌な声で言葉を返す。


 「……その彩希羅ちゃんって呼び方いい加減止めてもらえませんかね?……くぬ義さん?」


 「ちょっと待て、誰が椚だ!?俺は佐間義だ!というよりその馬鹿の悪い部分を覚えたら駄目でエボッ!?」


 彩希羅の仕返しとばかりの名前いじりにギョッ!?とした表情で静止し、慌ててツッコミと訂正をすると、俺を指差し言われた言葉に納得いかずまだ話している佐間義の背中を蹴り踏みつける。


 「誰が馬鹿だ!通知表オール1か2のお前の方が俺より馬鹿だろ!後、勝手にからかうな!からかっていいのは俺だアダッ!?…あのさ話してる時に叩くのはどうかと思うぞ彩希羅?てかそのハリセン何処から出した?」


 踏みつけ罵倒しているとスパーン!?といい音と後頭部の衝撃に声をあげジト眼で後ろを見ると案の定そこには―――普通のハリセンより一回り大きい物を肩におき此方を睨む彩希羅がいた。


 「人のこと言う前に自分の行動を思い出してから言えシスコン兄貴!?」


 「シスコンだけじゃなくブラコンもだ!」


 「そんな事より早くどけアホ!?」


 彩希羅の言葉に心外だと負けじと声を張って訂正いれると足元からから叫びに近い声の抗議に踏んでいた事を思いだし、足を退かそうとしたが姉貴の件を思いだし尋ねる。


 「おいこら早く足どけ「その前に何か言う事はねえかな~佐間義よ」……何の事だ?」


 「ほ~う、しらばっくれるか」


「いや、マジで何の事「ヒント1、姉貴とお前のスフィア」………」


 最初は強気で退くよう言おうとするが、それを遮りにこやかに語りかける俺の顔を見ると、口元をひきつらせて聞いてくる。


 それに更に笑みを深めて、声に剣呑さを含めて尋ねると此方も更にひきつらせて聞いてこようとしたが……また遮りヒントをだした途端―――顔を青くし汗を流して黙る。


 その様子を見ていた彩希羅や彩芽それに麗奈は何かを察したのか、彩芽達二人は乱れない動きで肩を落とし、麗奈は片手で頭を抱えため息を吐いていたが、それに気付かず佐間義を問い詰める。


 「その様子からして思い至ったようだな~、佐間義さん?」


 「い、いや待て!?少し話しあおう!?話しあえば分かるから!?な、な」


 「へ~、いいぞ話しあおうか? で何を話しあう? お前が姉貴に渡したスフィアのせいで、トラウマになりそうな事をやられた事か? それともその後に大型犬様のゴツい首輪を着けられたうえに、逃げられないように鎖もプラスで着けられた事か? なあ、どう話しあうのか言ってもらえるかな~?」


 「え、あ~、あのな………テヘ♪」


 「死ね♪」


 「ギャァアァァァァー!!」


 そんなやり取りを引いた表情で眺めながら彩芽が彩希羅に尋ねる。


 「……ねぇ彩希羅、今お兄ちゃんが言っていた事って本当だと思う?」


 「あぁ~、姉貴ならやりかねないからな~?嘘言ってる感じでもなかったから、十中八九本当だろうな」


 彩希羅は殺られている佐間義を興味深そうに眺めながら彩芽の問いに答え終わると「お、あれ格ゲーの連続コンボ!リアルで出来るんだな!」等と呑気に眺める。


 「その話も気になる所だけど、これ以上は時間の無駄になるから、もうそろそろ止める様に言った方がいいんじゃないかしら?」


 「「無理です」」


 そんな話をしてる最中でも聴こえてくる佐間義の「待て、話しギャフ!?」や「すみません許ゴフッ!?」果ては「その構えゲームの殺ゲボラ!?」等を無視して眺めていたが、麗奈が時間を確認し止める様に伝えるか双子に聞くが一瞬の間も開けず即答してきた。


 その返答に溜め息を吐きつつ「まあ、あれは流石に無理よね」と言い殺り続ける俺を見て、また溜め息を吐くと三人とも黙って終わりを待ち、その場には青年の叫び声だけが響いた。



――――――――――――――――――――――――――――



 「所で最初は何処からまわるんだ?」


 俺はスッキリした表情で、後ろからついてきてる三人に聞くと……麗奈はジト目をむけるだけで返答せず、彩芽は「アハハ」等と苦笑いで返し、彩希羅は疲れた溜め息をつき「どうせ色々回るんなら何処でもいいだろ?」とそれぞれ返してくる。


 「まあ、そうだな~?あ~、なら門近くの所から回るか?姉貴もあとで合流するしその方がよくねえか?」


 「……はあ~、まあいいんじゃないかしら」


 「うん、私もそれでいいよ♪その方がお姉ちゃんと回る時も一緒に楽しめるしね♪」


 「俺もそれでいいよ」


 三人とも異論はなかった様で肯定の返答を確認すると「んじゃ戻るか」と言い進むがその際にアイツの事を思いだし慌てて寝ているソイツ―――佐間義の襟首を掴み引きずり進みだすが誰からも止められなかった。

 

 実はあれから一時間程経って俺達はようやく移動している。


 あの三人の問答が終わった後、物見を決め込んでから数分もしない内に遊び(殺戮)が終わり満足していると……誰かが連絡したのか警備の人が来て、俺と佐間義……そして見ていた麗奈達三人も一緒に仮設テントまで連れて行かれ、事情説明と説教を受けていたらしい。


 らしいと言うのは、佐間義との遊びを終えてからの事を覚えておらず、説教を受けてる途中で意識が戻った警備のオッサンの説明で聞いたものであった。


 オッサンの説教が終わった後に今度は麗奈達三人からの説教(肉体言語)をもらい終わり、一拍おいて佐間義が目覚めるがすぐに麗奈にしばかれまた気絶してしまったが「もう、引きずりながら回らないか?流石にこれ以上は時間の無駄にしかならないしよ?」と彩希羅がめんどくさそうに言った言葉に頷き、行動を開始し現在に至る。


 「そう言えば聞き忘れてたんだけど、今度はどんな面倒に首をつっこんだのよ?」


 「別に首をつっこんではいねえよ。少しばかりイラつく連中がいたから攻め立てただけだ」


 「それを首をつっこむって言うのよ。それでその人等を殴ったの?」


 ゆっくりと移動している途中、ふと思い出し、俺の顔を覗き込む形で聞いてきた質問にめんどくさそうな表情で見返しながら答える。


 ただ答えが気に入らなかった様で、ジト目でツッコミをいれると今度は何でもない風を装って聞いてくるが、眼に不安の色をやどして聞いてきたその質問に、俺は気付いてない風を装い答えを返す。


 「ん~や、殴りあう前に仲間割れをしてソイツにやられてた」


 「ふーん……ならいいけどさ、……アンタが助けた子って「別に助けた訳―――」あーはいはい分かったから、ついでに助かった子って女の子と男の子どっち?」


 その答えに安心したのか、口では興味無さげな返事をしたが、眼にあった不安は消えている事に口元が緩みそうになるのをこらえる。


 そうしてこらえていると一拍おいて言われた言葉が気に入らず顔をしかめて話し途中に割り込んで反論するが言い終わる前に手をフリフリと振ってめんどくさそうにあしらって質問を更にしてくる。


 それに対して今度は俺がジト目になりツッコミをいれながらも質問に答える。


 「絶対に分かってねえだろお前!?……はあ~、絡まれてたのは男だ」


 「今回は男の子の方ね。え~と、あった。これで三人目っと」


 俺の答えを聞くと、ポーチをあさりメモ帳を取り出し書き込みだす。

 それを横目で見ていると呟かれた言葉に嫌な予感を感じ問いただしにかかる。


 「おいこら、一体なにを書いてやがんだ?」


 「これ?これはアンタが高校になってから"ついでに"助かった人の数を、性別に分けて記録しているのよ」


 「おい待て能「殺すぞ♪」……麗奈、なに変なもん書いてやがんだ」


 案の定、予感が当たってた様で止めさせようとキレつつ言葉を発しようとした瞬間――――鼻先に薄く触れる距離に木刀を突きつけ晴れやかな笑顔で脅される。


 全く見えなかった事に冷や汗を流しつつ冷静になった思考で麗奈に聞く。


 「書いておけば、アンタがどれだけ問題に首突っ込んだのか分かるでしょ。ついでに言うと助け――――もとい助かった子の数は女性が四人に、男子は今日のその人を入れて三人の計七人―――女性が多いのは意図的?」


 「断じて違う!後、答えになってねえよ!俺が聞いてるのは書いてる理由の方だ!」


 書いてる理由を聞いてるにも拘らず木刀を直すと書いてある人数を言った後、アホな発言をされ一切の躊躇なく否定しながら、姉貴がここにいなかった事に安堵しつつ理由を聞きなおす。


 だが次の麗奈の発言を聞いた瞬間―――――――


 「ん?それはもしもの時に美咲さんに見せ「お願いします止めて下さい!今までの無礼は謝ります!申し訳ありません」ちょ!?冗談、冗談だから止めて私まで変な奴にみられるから!?」


 ――――――話を遮り土下座せんばかりの勢いで頭を下げ懇願した。


 するとさっきまでのイタズラ子の様な笑みを止め、慌てて俺の行動を止めさせようとする。


 ただでさえ佐間義を引きずって周りから奇異の目で見られてるのに、更にはその引きずってた明らかにみため不良な俺が、優等生な麗奈に必死に懇願している姿は、端から見れば麗奈がヤバイ奴に見られるので、麗奈の反応は当然のものだろう。


 「分かった。ただ一つだけ頼むからその冗談は本当に止めろ。それが本当になったら俺の()がもたんから」


 「あ、うん本当にごめん」


 頭を上げた後、顔を目を虚ろに腐らせながら頼むと想像出来たのか気まずげに謝罪してきた。


 「あ~、もう鬱陶しい!せっかくのお祭り気分が台無しになるでしょ!ほら早く行くよ」


 その気まずそうな空気に彩芽がキレ先に行こうと――――彩希羅の手を掴む。


 「っておいこら!?それが何で兄貴や麗奈さんじゃなく俺を引っ張る事になんだよ!」


 「私一人で先に行ったら危ないでしょ!それに今の二人は鬱陶しいから嫌!だから消去法で彩希羅ほら分かったら一緒にいくよ!」


 その事に驚きの声をあげるが一方的な理由を言い終わるや否や彩希羅の手を引いて先を進み彩希羅は「は!?ちょ、俺の意見―――!?」等と言いながら引っ張られていった。


 その姿にお互い顔を見合わせ苦笑すると後を追おうと歩きだす。


 そうして歩きだすとさっき聞きそびれた事を思いだし聞く。


 「あ~、そう言えば一つ聞き忘れてたんだがいいか?」


 「別にいいけどなに?」


 「いや、さっき揉め事があった説明をしただろ?」


 「ええそれがどうかしたの?」


 「あ~、なんと言うか……何であの説明で納得したのかと思ってな?」


 「そんなの当然でしょ?アンタの性格上あそこで嘘なんてつかないのは知ってるもの?それに―――――」


 「そうか」


 「フフ、そうよ♪」


 最後は周りの音で聞こえづらかったが、確かに聞こえたその言葉に笑みを浮かべ返すと麗奈も笑って返し進みだしその間ずっと頭に残った麗奈の言葉―――――


 ―――――少なくとも私は未来の家族の次位にはアンタの事を見ているんだからね

ここまで読んでくださりありがとうございます。


次回は12月までにだします

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