第18話 重い兄弟愛と暴走?
今回は短めになります。
それと4時に予約投稿の設定をしていたのですが、ミスしていて投稿されてなかったので少し遅れました
神社を出ると距離をとろうと……門近くに出される屋台の準備に加わりにいったが、その周辺のオッサン達から生温かい眼で口々に「あんま無理するなよ」や「人生生きてれば色々あるから気にするなよ」や「最後は結局捕まるんだ。…だから諦めなさい」等と励ましてくる。
俺はその言葉に内心で感謝するが、最後のオッサンの同志を見る眼と言葉を残して戻る背中に合掌して誓う―――俺は、絶対に諦めないようにしよう!
そうしてごたつきながらも準備を進め終わり、スフィアで時間を確認すると集合時間まで後十五分となり、そろそろ向かって待つか?等と考え……祭りの警備体制等の対処を話しているオッサンに近付く。
「あ~、話し合ってる所すみませんが自分はここら辺で失礼させてもらいます」
「ん?ああ、分かった。手伝いありがとな兄ちゃん」
「いや、こちらも話し途中にすみません。では、お疲れ様でした」
言い終わり一度礼をしてその場を離れ、待ち合わせをしている門の前に向かう。
時間が時間なだけあり、まばらながらも買い食いや遊んでいる人等を見ながら、やっぱり傘を持ち歩いてる奴等が結構いるな?と考えながら歩を進める。
門の入口が見える場所まで来ると、色違いのコートを身に着けた彩希羅と彩芽それと麗奈がいるのを確認し速足で向かいかけた所で―――ソイツが一緒にいる事に気付いた。
ソイツと彩芽達が話している姿に笑みを浮かべストレッチを始める。
周りからは奇異の眼を向けられ更には「ヒッ!」と短い悲鳴を上げられるものの眼中に入れず、ソイツを見詰めたままストレッチを終え……1つ息を吐き片足を後ろに引き、中腰まで落とすと一度体を後ろに下げ一気に―――走り出す。
今だ人の入りが少ないからか走って来ている俺に麗奈が気付いてこっちを向き、その反応に彩芽がこっちを見て声をあげ、彩希羅が気だるそうにその方向に眼を向け驚いた表情をするとようやくソイツが訝しげに麗奈達を見た所でソイツとの距離が人二人分の所で跳び―――
「急にどうしたん、ゲフッ!!?」
―――佐間義の横っ腹にドロップキックを入れた。
蹴られた佐間義はギャグ漫画よろしく地面を跳ね倒れ伏す。
「フー、おうお前ら随分早いな!」
ピクビクと痙攣している佐間義の姿を確認して長い息を吐き麗奈達に満面の笑顔で声をかけた。が―――――
「「「いやいや、少し待った!?」」」
――――三人揃った静止の声がかかった。
「ん、どうかしたのか?さっきの久留美さん達と同じ様な反応して?」
「いや、そんなの知らないから!?ってちょっと待ちなさいその久留美さんって誰よ!?」
「いや待って!?それより佐間義さんのあれ大丈夫なの!?」
「あ~、俺も少しばかり驚いてツッコミをいれたけど、大丈夫なんじゃないか?佐間義さん丈夫だし一応動いてもいるし」
「ちょっ彩希羅、さっきからかわれたからって流石に心配位はしようよ!?」
「ん?誰もいなかっただろ?後、麗奈その手に持ってる物騒な木刀を置け。それとあれは不審者だから気にするな」
いつも通りの鋭いツッコミを入れ、俺の発言に出てきた名前に木刀を取りだし、服を掴み問いただしにかかる麗奈……それを止めようとしながら、今だ痙攣している佐間義を見て慌てる彩芽……そして自分に飛び火しないように一歩後ろに下がって、腕を頭で組みながら佐間義をざまぁみろとでも言いたげに笑って彩芽の言葉を拾う彩希羅。
その三人の言葉に倒れてる奴を真顔で不審者扱いするが、全員が引いた顔で「うわ~」と言ってくるが無視して話し始める。
「それよりお前ら随分と早く来たな?待ち合わせの時刻までまだ時間があるぞ?麗奈や彩芽は堅―――ンッン、真面目だから分かるが彩希羅の方は珍し過ぎんぞ」
「はぁ~、もういいわよ。どうせまたアイツの悪ふざけがいきすぎた結果なんでしょうし。
早く来たのは美咲さんから少し前に連絡があったのよ。未来から連絡がないか?って、ほらこれ」
見ていたのか?と疑いたくなる様な的中にびっくりしていると、麗奈が話しながらだしたスフィアを操作し、届いたメールを見せてきたそれを見ると以下の事が書かれてた。
件名:来ない
麗奈ちゃん急な事で悪いけど、未来はまだそっちにいる!電話が終わってからずっと待ってるのに来ないの!お願いそこにいるなら教えて!あぁ未来未来未来未来未来未来未来未来未来未来未来未来未来未来未来未来未来未来未来未来――――
そっから先は文字制限近くまでずっと俺の名前がかかれており震える手でそのメールを削除し恐る恐る返す。
「姉貴と自分が大変申し訳ありません」
「別にいいわよ。あら、消してくれたのね……ありがと。取り敢えずそのメールを彩芽ちゃん達に見せてから、ずっと心配そうにソワソワしていたから早めに来たのよ」
「佐間義さんから説明されるまで本当に心配したんだよお兄ちゃん!」
「俺は別にそこまで心配してねえし!ただ彩芽に心配かけた事に説教したくてソワソワしてただけだ!」
そう言い頬をうっすら染めてソッポを向く彩希羅を彩芽がニヤニヤと笑い肘でつっつきながら「本当は心配してたでしょ。このツンデレめ♪」と言いそれを慌てながら否定する彩希羅達を見てさっきの恐怖心が一瞬で消え入れ替わる様に心が温まるのを感じ―――それに自然と笑みを浮かべている事を分からないまま―――――
「わっ!?」「んな!?」
―――――いつの間にか彩芽と彩希羅を抱き寄せていた。
「彩芽、彩希羅ありがとな心配してくれて……お前達が兄弟で俺は本当に幸せだ」
「……うん♪私もお兄ちゃんと兄弟で幸せだよ」
「……俺もまあ兄貴と兄弟で嬉しくはあるよ」
お互い抱き締められている事と俺の言葉にキョトンと顔を見合せた後、彩芽は頬を染めながら嬉しそうにいい彩希羅は照れながらも嬉しそうに言ってくれる。
「はいはいそこまで、ここが入口近くだって思い出しなさい」
そう言われた所で彩芽と彩希羅はハッ!となり周りを見回し自分等が見られているのを理解すると今だ抱き付いてる俺に声をかける。
「お、お兄ちゃんそろそろ放してじゃないと周りの視線がいたいから!?」
「彩芽に同意、マジで視線がいたいから早く放してくれ!?」
「……分かった」
抱き締めたままそう返すと安堵した表情になるが次の言葉を発した瞬間――――
「見ている奴等全員打ちのめせば大丈夫だな?」
――――――その表情が固まった。
「あの~、お兄ちゃん流石に冗談だよね?」
「おい兄貴、何で立ち上がるんだ?」
だがそれに気付かずフラッと立ち上がり周りの奴等を蹴散らそうと思ったが立ち上がった途端に脚を捕まれ冷や汗を流しながら質問をしてくる。
「大丈夫だ―――すぐ終わらせて抱き締めあうからな♪」
俺はそれに対して笑いかけながら……頭を撫で答えると、安堵した表情になるがそれも一瞬の事で続きの言葉を聞いた瞬間―――慌てて俺の両足にしがみついてくる。
「待った待った!?それしたら駄目な事だから!?それに周りの人達が何かした訳ではないから暴力は駄目!?」
「彩芽の言う通り何かされた訳じゃねぇんだからバカ兄貴落ち着け!?それに周り見ろもう誰もいねえから!?」
そう言われ周りを見てみれば先程まで遠目から好奇の視線を向けていた人達がいなくなっており、それに舌を打ちながら獲物を探す様に首を動かす。
「おい今あそこの奴こっちを見てたぞ殺してくるから放せ―――ってあ、テメー逃げんな!」
「「落ち着け!」いて!」
「家族のスキンシップを邪魔する奴等全員ぶっ殺グハッ!?」
動きを止めてくる彩芽達を振り払い、血走った眼でぶっ飛ばしに行こうとするが、後ろからの衝撃で意識が途絶え倒れた。
「いい加減落ち着きなさいよ!まったくこのシスコンのブラコンゾンビわ」
そう言いながら疲れた様に木刀で肩を叩き気絶している俺を見下ろしている。
その姿を彩芽達は見詰めている事に気付き首を傾げ「どうしたの?」と聞くと、そろって親指を立て言う。
「「麗奈姐さんマジ男前です!!」」
「どういう意味よ!?こら、逃げるな!?」
言った後にヤベッ!と思ったのか、麗奈がキレる前に逃げ始め、それを麗奈が追いかけていきその場には痙攣する高校生と、白眼を剥いて倒れる俺が残され、数分の間……入ってきた人等から悲鳴と心配して近付く人等に囲まれた。
その後、救急車を呼ばれかけた所で、鬼(般若)から逃げ終えた彩希羅が急いで戻り、顔を羞恥に赤らめながら周りの人に謝り、目が覚めもとい起こされた俺と佐間義は正座させられ説教をくらった。
遅くなり申し訳ありませんでした。
今回は、短かったうえ変になっている部分が多いと思いますが容赦してください。
とりあえずいつも通り誤字や脱字がありましたら報告をお願いします。
次回は12月にだします。