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神と人と妖魔の戦記録  作者: 邪な鬼
14/29

第15話 終結と締まらない別れ

遅くなり申し訳ありません。


 4時に投稿するつもりが遅れました。


 「うるせえんだよさっきから、何が悪いんだよ!弱い奴は搾取されて当然、強い奴がルールでそれに黙って従えよ!」


 「ほら、あっさりボロがでた。…まあそれなら話が早くて助かるわ。そこまで言うならかかってこいよ……そして従わせてみろよゴミクズ君」


 「殺す!!」


 それが合図になりクズがキレた辺りから短い鉄パイプを持ち始めたモブやクズが向かって来ようと一歩踏み出した瞬間――――


 「ゲハッ!?」

 「なっ!?ガハッ!?」

 「ガッ!?な、なにグガッ!?」


 ―――――後ろにいたクズの兄貴が横面を殴り倒される。そのすぐ横にいたクズの友人はそれに気付き、驚いた様に目を見開き何か言おうとしたが、ズドッ!と重たい音がでる蹴りを……腹にもらい地面に倒れた。


 その音でようやく後ろを見たクズだが、振り返った途端……顔面に重たい一発をもらうが、他の二人と違い振りかぶってる際に後ろに下がりかけてた為……一発では倒れず殴ってきた奴を睨むが、構わずもう一発顔面に拳を叩き込もうとする……一撃目が脚に来てるのか避けようとする動きを見せずもろにくらい……鈍い音が鳴り地面に倒れた。


 「……馬鹿が」


 倒れ伏したクズ達の前に立っていた人物―――角刈りゴリラは自分で叩き伏せた赤髪達を哀れみと侮蔑の目で見下ろし呟く。


 その様子に佐間義や横にいる中坊も驚いているのが見て取れる。


 かくいう俺自身も表情にはださなかったが内心で驚いていた。


 (予想外だな。てっきりこいつは最後まで我関せずの態度でいるか、妙な義理立てでもして殴りあうと思ったんだがな?……まあいいか。喧嘩した事が姉貴の耳にはいったらヤバイしな―――特に命が!)


 そんな事を考えながら角刈りゴリラを眺めていると……ゆっくりと振り返り近付いてくる。


 俺や佐間義は、表情から近付いてくる理由がなんとなく分かったが、中坊にとってはキレてる様にしか見えない様で怯えた目で見ながらプルプルと体を震わせ怖がる。

 

 (まあ、怖がるなってのも無理な話か。実際近付いてくるあのゴリの顔……どうみてもキレてる様にしか見えねえしな?)


 「怖がるのは構わないが服を放そうな~。……おいこらなに力入れてんだ?放そう、っなって思いの外力つよ!?おい本当に放せ服にシワが出来るだろ!?」


 「嫌です!放したら絶対殺されてしまいます!あ、ちょっ!?パーカー脱いで離れようとしないで下さい!絶対に離れませんからね!」


 「お前さっきから動きが良すぎんぞ!?というより抱き付いてくんな俺にそっちのけはねえから放しやがれ!テメー佐間義ニヤニヤせずに手伝いやがれ!」


 「会ってそうそう叩き付けた恨みだと思って諦めろククク」


 パーカーを脱いで離れさせようとするが、さっきのクズより素早い反応で俺に抱き付いてきた事に……ツッコミをいれながら引き離そうとするが、ヘビの様にしつこくまとわりつかれイライラしながら……ニヤニヤと面白い物でも見る目で傍観している佐間義に助けを求めるが、爽やかな表情を作って笑う。


 引き剥がす作業をしながらその顔を睨み付け(コイツ、ユルサナイ)等と心の中で半殺しにする決意をしていると目の前に角刈りゴリラが立っていた。


 それに中坊の方も気付き短い悲鳴をあげ動きが止まったのを見計らい引き剥がす。


 「ヘ!?あ、まっ―――――」


 「はあ~、喚く前にしっかり前に立って話ぐらい聞いとけ、そしてそいつの面を怖がらずによく見てみろ」


 「で、ですがッ!?……は、い。分かりました」


 引き剥がされた事に慌てようとするのを遮り呆れと疲れを滲ませた声で忠告してみるが、まだごねようとした事で佐間義の馬鹿とオドオドし続ける中坊にイラつき、睨み付けると息をのみ涙目になりながら少しの間をあけ声を震わせながら短く返答してきた。

 

 返答を聴いた所で目の前にいる角刈りゴリの前に立たせるとプルプルと震えつつもゆっくりとだが角刈りゴリに顔をあわせるとやはり怖い様で「ヒッ!?」と小さく悲鳴をあげるが顔をそらさずにあわせ続けていると――――音が出そうな速度で頭を下げる。


 その行動に唖然とした様子で「へ?…え、あの」と突然の行動に理解が追い付いておらず慌てているが俺と佐間義は、此方に向かって来てた時の表情で予想していたので、やっぱりか。等と思いつつ様子を見ていると話し出す。


 「すまなかった。お前の言い分を聞かずアイツ等が正しいと思い恫喝してしまった事を悪かったと思っている……本当にすまない」


 「ッ!?……顔を上げて下さい。…今、謝られても自分は許せないです。自分があのまま……後ろにいる人達が助けてくれなければ……その後も脅され続けていたでしょうから……なので謝られても困ります」


 頭を下げたまま言われた謝罪に歯を食い縛り拳には力を込め喚き散らす事を我慢すると一度息を吐きだし瞑目した後、声を震えさせゆっくりと言葉を返し出す。


 「それでも………いや、分かった。ただこれだけは勝手だが今この場で約束する。警察を呼んでくれればこの場であった事を偽りなく話す」


 それを顔をそらさず向かい合わせたまま、全部を聞き終えるとまた謝ろうとしたが、自分のそれが自己満足だと理解した様で少しの間をあけ一つ頷くと言い訳はせず、警察が関与したらあった事を証言する事を誓いもう一度頭を下げた。


 その出来事を後ろからあくびをもらしながら見届けた後、佐間義が神社がある方向を向き「んじゃ、終わったし早く行くか~」と言って歩き出そうとするのを―――右肩を掴み引き留める。


 「……あの~、親友なぜ肩を掴んでいるのかな~?なあ聞いてるか、ちょっと離そうか。いや力を込めるんじゃなく、あ、待って痛い!?痛いうえにミチミチって聞こえ―――イダダダダ!?」


 「ん?ど(さっきは、)うしたんだ(よく楽しんでくれたな)親友(佐間義)急に痛がっ(なら俺も楽しんでいい)たりして?(よな~。)


 「イダダダダ、待ってお前言ってる言葉が全く別の言葉に聞こえるんだけど!?つーか待てまじでヤバイ何がヤバイってお前が掴んでる肩から腕の感覚がなくなってきてる!?」


 「|あはは、面白い《俺が恨みを忘れねえのは》事を言うな~(知ってるだろ)ただ、まだ話が(にも関わらず放置)終わって(してたのは殺られる)ねえだろ(覚悟があるんだろ)だから少し(だから少しばかり)O・Ma・Na・Si(トラウマになって)しようか(もらおうか)♪」


 有無を言わせない威圧感を纏わせた笑顔のまますぐ横にあった裏路地の方を指差し肩から襟首に移し引きずる様に連れていこうとする。


 ただ佐間義自身も連れていかれたらどうなるか予想できたようで必死に抵抗していたが腰の方に手を廻し裏路地に投げ込み近付いて行く。


 「待って頼むから待―――ギャアアアアァー!!」


 必死に停止を呼び掛けも虚しく悲鳴がこだました途端―――警察に電話していた中坊と倒れていたクズ達を道の端に移動させていた二人が同時に悲鳴が聴こえてきた路地をギョッ!?とした表情で見ていると時折…佐間義の声が「あ、ちょそこは曲がらウギャー!?」「待っで、それ刺すものじゃアガァー!?」「ま、待て!?その持ってる物まさか、や、やめ―――アァーー!!」等と聞こえ、それに角刈りゴリや中坊は顔を青ざめさせていると角刈りゴリが中坊にギリギリ聞こえる声で一言だけ呟く。


 「あの時あいつと敵対行動を取らなくて良かったと、心から言いきれる」


 しみじみと呟かれた言葉に今だけは同情した眼差しを向けて頷いた。


 そして角刈りゴリが全員を端にどかし終えた所で俺が路地から顔をだすと二人揃って一度ビクッ、と震え俺を見てきた。


 その様子に気付かないまま二人のいる方を向き近付いて話しかける。


 「すまねえなちょっとあの馬鹿と話があって抜けてたわ」


 「い、いえ、大丈夫です!?そのあの方は、大丈夫なのでしょう、か?」


 怯えた目で俺を見ながらおずおずと聞いてきたがその顔を無視しながら笑顔で「気にするな♪」と言うと青ざめた顔で何度も頷くのを確認すると角刈りゴリラの顔を見る。


 「話はついた様だな?」


 「…ああ、つい今しがた警察にも連絡した」


 「そうか、ならいい。もし逃げるつもりならぶちのめしに行かなきゃならなかったからな面倒にならなくてよかったわ」


 「そんなつもりはない。とは言え信用はされないだろが、実際に逃げようとは思っていない」


 「ん?あっそ……まあ別にどちらでも構わん。逃げたら打ちのめすし、逃げないなら何もしないだけだ。そんな事より聞きたい事があるんだが聞いていいか?」


 「…構わんが代わりに俺も聞きたい事がある、それに答えてくれるのであれば答える」


 「質問しだいだな~?俺にも答えたくないものがあるしな」


 「それで構わない。それで質問は何だ」


 「あ、俺からでいいのね。質問は1つ……いや2つ、1つは何であのクズ達の味方をしていたか。2つ目はさっきの事……俺の予想だとアンタは傍観を決め込むかクズ達と一緒に無謀に突っ込んで来るかと思ってたんだが、何故それを止める側に廻ったのか?この2つだ」


 最初1つの質問で終えようかと思ったがフッとあいつ等に味方をしていた理由に興味が湧き(聞くだけ聞いて見るか)と思い、首を振り訂正をいれ聞き直す。


 興味本位で聞いてきた事が分かったのか眉を潜めたので(やっぱり答えられねえか)と考えながら2つ目の質問を聞く。


 「1つ目の答えは単純な理由だ。お前と言いあってたアイツの兄に助けられた事がある。最初に気絶させたアイツがその兄だが、アンタなら分かっただろうが俺は空手をやっているんだが、ある出来事で肩を負傷してしまった事があってなその時にアイツに助けられた」


 内心意外に思いながら返答を聞くが答えられた内容を聞きつつ角刈りゴリの顔をみるが、答えながら何処か懐かしむ様に右肩を掴み端に退かしていたクズ兄の顔を見て答える。


 「今の出来事を見た後だと信じられねえが、つまり助けてくれたソイツが嘘の情報をアンタに言って協力を頼んできたって所か?」


 「…ほぼその通りだ」


 「なら2つ目の理由はそれに関係してんのか?」


 いぶかしみつつも今回のこれを聞くと沈鬱な表情で頷いてきた。


 少し違和感を覚え(試してみるか)と思い2つ目の理由を聞くと同時に角刈りゴリの目に視線を合わせ()()()()を発動させる。


 「…ああ、信じられないかもしれないが前の性格ならこんな事を許さなかった。前のアイツは寧ろこんな事をする奴を殴りあってでも止めに入る奴だった。そんな奴が」


 「犯罪行為をしているのを見ていられなかったって訳か」


 「……そうだ」


 (優しかった奴が変わっていった、か。普通に考えれば良いように扱う為、コイツにだけそういう態度をみせて、恩をきさせようとしたと考えられるが、コイツの()()()()()が、そんなに単純な奴ではない。なら何かしらの原因があるはずだが………まあいいか。それはコイツ等自身でどうにかするだろうしな)


 何かの要因で性格が変えられた。そう考えが行き着いた所で思考を中断しこれ以上踏み込むのは止めとこうと思い頭を振って考えを追い出し礼を伝える。


 「ありがとさん。とりあえず聞きたい事は聞けたから礼を言っておくわ」


 「…意外だな変わった時の事を聞いてくるかと思ったのだがな?」


 「聞いても何かしようとも思わないしな。なら聞かずに関わらない方がいいだろ?それだけだ。ただ1つ忠告だけしてやる―――この世には深く関わらない方がいいものがある。俺が言えるのはそれだけ……意味は聞くな」


 「……気になるがその忠告は覚えておく。次は俺から質問させてもらうが構わないか?」


 このまま話を終らせると後々気になるな。と考え角刈りゴリを睨み付け冗談を抜かした声を出し忠告をする。


 それに対して何かを考える様に一度目を閉じ、間をおき頷きで返すと……自分が質問をしても大丈夫か確認してきたので1つ頷き返答する。


 「ああ、別にいいぞ。まあ、予想はなんとなくつく。俺が武道か何かやってるか?…じゃねえのか?」


 「ああ、アイツの弟に問い詰めた時にアンタから感じた気配が普通ではなかった。自分で言うのもどうかと思うがそれなりに強い自信がある。そんな俺が少しとはいえ恐怖に震えそうになった。アンタは一体何者だ?」


 「それは2つの質問になるな。最後の質問には答える気がない。ただ1つ目の質問する気でいたものについて答えるなら、武道は両親からならってはいたな」


 久しぶりに聞かれた質問に笑いそうになるがそれをのみ込み苦笑で答えられないと伝えると残念がる様子がない事から答えない事は予想していたのだろう。と思いながら1つ目の質問に少しの嘘をまぜて答える。


 「そうか……納得した」


 全く納得していない顔で言われ少し笑ってしまうが気にせず話を終らせにかかる。


 「そりゃ良かった。それじゃ俺も用事があって急ぐからこっからとんずらさせてもらうがいいか?」


 そう尋ねると「ああ、問題ない」と返ってきた事を確認出来るとそのまま向かおうとするが「アッ!ちょっと」と聞こえ(あ、やべ忘れてた)と思い中坊の近くに行き「すまんすまん。忘れてた」と笑いながら伝えると「わ、忘れてたって」と言い肩を落とすがすぐに俺を緊張した様に見て話してくる。


 「あ、あの、助けて下さりありがとうございます!貴方に助けられなかったらその、自分はそのまま…犯罪をしたと押しきられて認めてしまう所でした。本当にありがとうございます」


 真っ直ぐな礼を言われ全身にむず痒さを感じ眉を潜めつつ視線を反らしどう言えばいいんだ。と考え頭を掻きため息をつき話し始める。


 「…はぁ~、勘違いしてんじゃねえよ。俺が割り込んだのはアイツ等のやり方や、周りの奴等が向けてた表情が苛ついたからだ。まあだが一番の理由はお前だ」


 そう唐突に言われ「へ?ぼ、自分ですか?」と慌てて聞き返してきた事を頷きで肯定し続きを話す。


 「お前自身がどう思ってるか知らないが、お前がとったあの行動は普通なら誰でも出来る事じゃねえんだよ―――人ってのは表面では友達だの大切だの言っているが、さっきの様に絡まれて暴力を振るわれれば、あっさり見捨てる奴がほとんどだ。だがお前は友達でもなければ知り合いですらない俺を巻き込まない様にしようとした。自分が助けて欲しいにも関わらずな……だから助ける事にした。まあお前じゃなくても同じ様にした奴なら誰でも助けてたがな♪」


 「最後ので台無しです」


 「ははは、まあそういう訳だ。……ただこれだけは覚えてろ。お前がとった行動はただの偽善だと言う奴が多いだろうだがな―――自分を優先させる薄っぺらい人間より人の為に行動出来る奴が最後に本物の思いや関係を築ける。だから馬鹿にされても怯えても変わるな……そうすれば最後に笑っているのはお前だからよ」


 中坊の頭を乱暴に撫でながら笑って伝えると中坊は目尻に涙を溜めながら静かに耳をかたむけていた。


 「すまねえな。意味が伝わらなかっただろうがまあようするにそのままで強くなれって事だ!そんじゃ俺はもう行くな!?これ録音していたデータな」


 いい事を言おうとして失敗してしまい、顔が赤くなるのが分かるほど恥ずかしくなり手を退けると録音していたデータのメモリを抜き取って渡すと、その場から逃げる為に駆け出すがすぐに中坊から大声で呼ばれる。


 「あっ!名前!名前を教えて下さい!」


 「…未来だ!お前は!?」


 俺は一瞬……言おうか迷ったが名だけ答える事にし問い返した。


 「日陰日陰 透(ひかげ  とおる)です!?」


 「そうか、じゃあな日陰!?」


 一度だけ手を振り中坊にいや―――日陰に別れをつげ走り出す。


 すると一部を見ていたのかニヤニヤしながら路地から出て横を走ってくる佐間義が「そうすれば最後に笑っているのはお前だからよ。キリッ」と真似をしながら笑ってくるが走りながら横に飛び横腹に蹴りを入れ黙らせるが「お、お前覚えてろ!今さっきの台詞も録音しているからなそれを妹さん達に聞かせ―――危な」録音していた物を妹達に聞かせ様と考えている佐間義を殺しにかかるが、命懸けだからか速い速度で逃げる佐間義を捕まえようと追い掛ける。


 その後ろ姿を日陰は、見えなくなるまで眺めた後ポツリと呟く。


 「自分もあの人、未来さんみたいに人を助けられる人にいつか絶対になる」

 ここまで読んで下さりありがとうございます。


 また同じ様に誤字や脱字がありましたら教えてもらえるとありがたいです


 次回は10月中にはなんとか出します

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