第12章 カツアゲと推理?
投稿が遅くなってしまいすみません。
途中変になってる部分が多く書き直して遅れました。
直してはいるのですが変になってる部分がまだあるかも、というよりあるでしょうからその時は指摘して下さると嬉しいです。
「悪い悪い。ただ今日で会って丁度三年だろ? その記念って事で、な?」
「な? じゃねえよ! 記念で呼び方間違われたうえに地面に叩き付けられるやつがあってたまるかこのエロゲ主人公!」
俺の真似をして手を挙げ笑うが、佐間義がやると周りに変なオーラを纏う事にイラつき息を吐く。
「は~、せめてボキャブラリーくらい増やせよ。そんな事より俺は用事があって構ってる暇はないから、佐間義――ハウス!」
「ワン♪ じゃねえよ! っておい、置いてくなよ! 最近お前からの扱いが酷くなってんぞ!? もう少し優しさを分けろよ!」
「めんどくさいからパス。あ! 分かった麗奈にお前が、エロい事したい! と叫んでたって伝えとく。うん、俺って優しい」
「どこも優しさがねえよ!! つーか真面目にそんな事言うなよ! 俺が殺される! 冗談じゃないからな、アイツは本当に殺しに来るから止めろよ!」
一度痛い目にあわそうと考え思い付いた案を提示すると、俺の両肩に手をのせ正面から目を血走らせ念を押して止める。
その必死さに、心の中で、麗奈は一体、何をして怖がられてるのか? と引きながら思い離れさせる。
「いいか、絶対に言うなよ!」
「しつこいな言うつもりはねえから安心しろ。……つうか何でついてくんだよ?」
「あー、いやー、なんつうか時間まで暇だし。それに、どうせ神社に集合するならもう行っておこうと思ってな?」
「構わねえが、何か用があって出てたんじゃねえのか?」
「ああ、それなら話し合いだけだったからすぐ終わった!」
「また告白でもされたのか?」
「正解! それもめちゃくちゃ可愛い子にな! まぁ断ったが」
相変わらず騒がしいテンションで、あっけらかんに言う。
佐間義自身いつもそうだ。告白される事が多いのにも関わらず誰とも付き合おうとせず全部断る。
以前に一度興味本意に理由を聞いて見たが、その時に佐間義は迷う様に言い淀みながらも答えた。
『いや実は、気になってる子がいるんだけど、その子さ好きな人がいるみたいでよ……でも付き合ってる訳じゃないんだよ。ただその子の片想いってだけみたいでさ。だから俺、決めたんだ!』
『新しい恋でもするって事をか?』
『ばっか、ちげえよ!? 俺が決めたのは、あの子を絶対にものにするって事だよ!』
その時の事を思いだし、今どうなってるんだ? と思って、さっきから横で手を顔の前でヒラヒラと鬱陶しく振ってる佐間義に問い掛けようと――――
「そういえば、佐間義お前が――――」
「おい! テメーは礼さえ出来ねえのか!!」
――した途端……怒鳴り声が聞こえ、その方向に視線を向けると、怯えた様子で背を丸めた中学生位の男を高校生か大学生位の男達がニヤニヤと愉快そうに笑って絡んでいた。
「年の終わりによくやるな~。いや、年の終わりだからか?」
足を止め呆れた様子で、絡んでる奴等を見ながら呟く。
俺はそれに答えず、そいつ等の様子を観察して近付く為、歩を進める。
「ん? って、未来まさかと思うが!?」
「……五月蝿い、会話が聞こえねえだろ。少し黙ってろ」
俺の様子に気付き慌てた様子で止めようと声をかけてくるが、怒気を含めた声で黙らせ近付きつつ絡んでる奴等の会話に意識を向ける。
「なあ~、別に催促してる訳じゃねえのよ! ただよ、痴漢に間違えられかけたのを助けたにも関わらずお礼がまだないじゃないのかなあ~?」
「そうだぜ、普通は庇ってもらったんなら礼位あってもいいんじゃね? 感謝の印にな~にかあってもいいんじゃねえのかな~!」
俺と、似たような髪色の高校生位の男が、ニヤつきながら中学生位の男の肩に手をまわして言うと、その横にいたパーマをかけているもう一人の高校生位の男(こいつは、モブ1だな)が、同じ様にニヤつき同意する。
だが中学生位の男の子(めんどいから、中坊でいいか)は、慌て怯えながらも否定しようとする。
「ぼ、僕は、触ってな――――」
「あ"あ!! 言い逃れしようとしてんじゃねえぞクソガキが!! それともなにか、俺のかわいい後輩達が嘘ついてるとでもいってんのかよ! おい!!」
男の子は、否定しようとするが角刈りのゴリラ顔でゴツい大学生の男(こいつもめんどいから、角刈りゴリラでいいか)が、額に青筋を浮かべ最後まで言わせず怒鳴りつける。
その声から最初に聞こえた怒鳴り声は、こいつかと思いながらゆっくり近付いていってると、男の子は「ひっ!!」と声をもらし畏縮してしまう。
「まあまあ、先輩抑えて下さいよ。自分達の見た目がチャラそうなせいもあるんです。自分等にやらされたと疑いたくもなるでしょう。でもな、証拠の写真があるんだよ~? 君が、痴漢行為!! をした証拠がね~」
懐から何かしら(恐らく話してた痴漢をやってた部分を納めた写真であろう)それを出して、愉快な笑みを浮かべたままわざと痴漢の部分を大声で言う。
中学生位の男は、強調された部分に慌てふためき、涙目になりながら道行く人を見る。
ただ、やはりと言うべきか誰も割り込もうとせず、見てみぬ振りをして通り過ぎるか男達が言っているものを信じて侮蔑を含めた視線を向けて通り過ぎて行く。
それに耐えきれなかったのか中坊は、視線を下に向けるが、もう一人の大学生位の男は、写真を持ってる奴の兄なのか「助けてくれた人の弟を嘘つき呼ばわりすんなよ~!」等と言って追い討ちをかける。(特に特徴がねえからモブ2でいいか)
「わ、分かり――――」
「そいつが、言おうとしている言葉を聞かずに、威圧してんじゃねえよ、能無し共」
それを切っ掛けに、うつむいたまま弱々しい声で、同意しかけた所で最初にイラついた部分を指摘して割り込む。
途中で割り込んできた俺を、全員が見てくる。最初は、訝しげに見ていたが少しの間を置いて何を言われたのか理解した様で、絡んでた奴等の角刈りゴリラは、額に青筋を更に浮かべて睨み、俺に似た赤髪は、鴨が来たとでも言いたげに笑い、そいつの兄であろうチャラ男とパーマ男も同じ様な笑みを浮かべていた。
「っ!? ……あ、あの! だ、大丈夫ですのでき、気になさらないで下さい!」
最初は、助けてもらえると期待した様な目をしたが、赤髪の奴や他の二人もニヤついた姿を見た途端――息を飲むと、少し迷う素振りを見せた後、意を決した顔で無理に笑いながら通り過ぎて下さい! と遠回しに言ってきた。
だが、それが気にいらなかった様で赤髪が、不愉快な顔をし、「君は少し黙っててくれるかな」と言い俺に、明らかに不愉快だと言いたげな作り顔を向けてくる。
「あ"あ"、テメーいきなり横から口を出してきてふざけた事ほざいてんじゃねえぞゴラ"」
「まあまあ、落ち着いて下さい先輩。まず自分が話しますから任せてください」
そう言って角刈りゴリを、なだめると「チッ!」と舌打ちをして下がり、赤髪が作り顔のまま俺に向き直ってくるとちょうど佐間義も後ろに立つ。
「さて、申し訳ないのですが、先程の言葉は、一体どういう意味なのでしょうか? 流石にこちらも聞き逃せない事なのですがね?」
「言葉通りの意味だ。お前等の会話を盗み聴いてたが、そこの角刈りゴリラと悪趣味な赤髪のお前とモブ1,2全員で責め立ててるだけで、言い分を聞こうとさえしてねえじゃねえか? それともなんだ、お前等は話を聴く事も出来ねえ程、脳が退化してんのか?」
「……あんたの髪も似たようなものだろ。それに、あんまり馬鹿にするなよ。こいつの言い分も何もないんだよ。現に証拠の写真が、あるんだよ! こいつが、痴漢!! をしたって言う証拠がね! だからこいつの言い分は、言い分にしかなんねえんだよ! テメー、こそ盗み聴きしてたんなら同じ事言わせてんじゃねえよ!? この偽善者!」
煽るようにおちょくって言うと、赤髪や他の二人も角ゴリと同じ様に額に青筋を浮かべ始め、「誰がモブだ! いきがってんじゃねえぞクソガキ!」や「テメー、絶対に殺してやる!」等と騒ぐが、赤髪が喋り始めると途端に黙り込む。
ただその赤髪もイラついてる様で、声に怒気が含まれ言葉使いも素が出始め乱暴なものに変わり、八つ当たりでその証拠だと言ってる写真を振りながらまたわざとらしく痴漢の部分を強調し男の子を畏縮させる。
内心そいつ等が、いとも簡単に乗ってくれた事に、笑い(さあ~て、証言を集めるか)と思い、ズボンのポケットに入れてあるスフィアを起動させ気付かれない様に信号で録音を始めた。
「偽善じゃねえよ、後で対価は貰うしさ? まあ~それはいいとして、お前は今その写真が証拠だと言ったが本当の事か?」
「本当もくそもねんだよ! こうして写ってる以上事実なんだよ! それともテメーは、これが作りもんだとでも言いたいのか、あ"あ"!!」
「正解、その写真自体を直接確認はしてないが、加工された物だろ? それに加工された物じゃなかったとしても、電車内でその中坊が痴漢をしたって分かる写真を撮るのは意図的にやらない限り不可能だ。それこそ一人に、その中坊の腕を掴んで無理矢理触らさせたりな」
愉快な笑みを赤髪達に向けつつ俺が、たどりついた推測を話すと、赤髪や後ろのモブが僅かに怯んだ様子を見せたが、俺の笑みにムカついたのか更に苛立ちもう一つの推測の材料を自分から提示してきた。
「んなもんただの憶測でしかねえだろ! なによりその時に女の方もこいつが痴漢したって証言してんだよ!」
「それがもう一つの推測になる。本当は、その女の方もお前等の仲間で実際は、触った様に見せ掛けて目かスフィアで合図を送りタイミングを合わせて痴漢者をでっち上げ、今の様に後々脅して金をせびる。……ってのが俺の臆測だ」
「だがこれだとただの憶測の域をでない。だから――おい、そこの中坊! 今から聞く事に正直に答えろ! お前の証言しだいで助かるぞ!」
唐突に呼ばれた中坊は、肩を震わせて俯いてた顔をあげ見てきた所で問い掛ける事を了承をえる為に聞くと首をぎこちなくだが縦に振る。
後ろから「お前のそれは、脅しに聞こえないか?」と呆れた声で聴いてくるが、無視して自分がたてた推測の確実性を求めて聞く。
「お前が痴漢だと言った女は、お前を駅員につきだしたか!?」
「え、いえ、その」
中坊を囲んでいる奴等が余計な事を言えばどうなるか分かってんだよな! と言いたげに睨み付けてるせいか最初に見かけた時と、同じ様に自分の意見を震えたまま言わない。
(やっぱりと言うべきか、アイツ等の視線を気にして言わないか。本当ならこんな面倒な事をしなくともコイツ等自体どうにでも出来るが――それだと意味がねえからな)
「中坊! お前が行動しなければ、何も変わらねえ! ずっと搾取され続けるだけだ! お前なら、自分で動く事が出来るはずだ! 俺を巻き込まない様に言葉を発する事が出来たんだ! なら次は、自分が助かる為に発しろ! それができれば――――俺が助けてやる!」
俺がそう言うと、中坊が「ッ!!」と息を呑み俯く。
その姿を見て赤髪達は口々に「プハハハ! 何を暑苦しく言ってんだ! 馬鹿かよ!」「クハハハ! 助けに入った俺カッコいい! とでも思ってんのかよ! アハハハ」「しかもコイツは、俯いて黙りこんでるよ! 熱く語ってもこれがある以上、意味ねえのに無駄だな!」と口々に言って笑い馬鹿にするが、角刈りゴリだけが、モブ2のが言った事に訝しげな表情をつくるが、それに仲間の誰も気付かずに笑い続ける姿を無視して中坊を見続けると――――
「……つ、連れて行かれ、そうに、なり、ました」
――――そう呟きに近いが確かな声で答える。
「んな、テメー何を言いッ――――!?」
それに赤髪達がギョッ!? とした顔で慌てて中坊を見て叫びに近い怒声で遮ろうとするが、顔をあげた中坊の表情を見て怯むが、その理由は――――明らかに顔を俯いた時の弱々しい顔ではなく完全に決意をした男の顔をしていたからだ。
俺は、それを笑みを浮かべてゆっくりと近付いて次の質問をぶつける。
「連れて行かれそうになったって事は、連れては行かれてないんだな?」
「はい、連れて行かれる直前にこの人達が、声をかけて女の人と話し始めました!」
「その時にどんな会話をしていたか、覚えてるか?」
「いえ、その時、自分も混乱していて話していた内容まで覚えていません。ただ女の人とこの人が親しげに話していたのは覚えてます!」
そう言って、赤髪の奴に指を向けハッキリと告げる。
その姿が、さっきまでの気弱な中坊などとは思えないのか、赤髪達は、慌てふためいており角刈りゴリは「おい、どういうことだ!?」と問いつめそれを「違います! アイツが適当な事を言ってるだけです!」「そうですよ! 何よりもここにこうして証拠があります!」「そうだぜ証拠もあんだ! きっとアイツ等グルになってるだけだ!」等と説得に入り、話している中坊を誰も止めようとさえしない。
それを内心笑いながら歩を進めていき最後の質問を投げ掛ける。
「最後は二つ質問だ。お前はその女にまたは女の服に触ったか? 触る触らなかったに関係なく、さっきの推測で言った様に手を掴まれて向けさせられたか?」
「いえ、少しスカートの方を触ってしまいました。ですが体自体には触れてません! 本当です!」
アイツ等が今だ揉めてるなか質問をぶつけると、答えはしたが今だ不安なのか必死に信じてもらおうとする。
「今は、信じてもらう為の呼び掛けをする暇があるなら聴いた事を答えて待て、さっき言っただろ助けてやるってな」
「ッ!? す、すみません。手は、貴女が言った通り掴まれて誘導されました!」
目を見つめたまま、笑いかけて答えると、涙を流して質問の続きを答えてくれた。
そのおかげで、必要な条件が揃った事に笑みを深めタイミングよく揉め事が落ち着いた赤髪達を見る。
(さあ~て、お膳立てはすんだ。そして、確たる証言も得た。さぁ、この話のエンディングといくか)
「よう。どうやらそちらさんも終わった様だな? お前等が内輪揉めしてる間にこちらも確実な証言が手に入ったぞ」
角刈りゴリが、問いつめた際に赤髪達……三人揃って中坊から離れた隙を見計らい、横に陣取った俺が勝ち誇った笑みを浮かべた。
読んで下さりありがとうございます。
誤字や脱字または、前書きに書いた様に変になってる部分が見つかったら教えていただけると嬉しいです。
次は、9月に出します。