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神と人と妖魔の戦記録  作者: 邪な鬼
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第9章 疑惑と家族愛?

投稿が毎度遅くてすみません。


 少し変になってしまってる部分があるかもしれないので、気づいてくれたら教えてもらえるとありがたいです。


 そう結論付けた瞬間――一度怒りを覚えるが、すぐに深く息を吐き心を落ち着かせる作業に移る。


(……落ち着け、冷静になれ。……昔を思い出せ。……感情的にならず、一つずつ冷静に対処しろ)


 思い出したくない記憶を使うと、すぐとはいかないが段々と落ち着いていき思考を巡らせる。


(最初に、今ある情報を整理しろ。

 一, 姉貴と俺の記憶の大部分は合っていた。だが、当時のじいちゃんの行動に認識のずれがある。

 二, 行動の違いは、姉貴の記憶だと俺達を見続け笑いながら話していた。だが俺の記憶では、何処か遠くもしくは――誰かを見て話していた。

 三, この二つの共通する事は、じいちゃんの行動と第三者の存在があった可能性。

 この三つの情報だけで結論をだすと――――)


「兄貴? いつもより長いが大丈夫か?」


 今ある情報を整理し終わり、今出せる結論に行きかけた所で……後ろから入ってきた彩希羅に声を掛けられ、思考するのをやめ振り向くと……着替えたのか起きた当初の肌着等ではなく黒のシャツに青ジーパン姿の彩希羅が心配そうに俺を見ていた。


 それがありがたく思い笑いながら「大丈夫だ。少しでも目が綺麗になってるかと思ってな?」と言うとため息をついて憐れみの目で「兄貴の目はいつも清んで……るよ」と言うが途中で我慢出来なかったのか目を逸らして言いたくなさそうに言ってきた。


 意外にもショックを受けたのか冷静になっている心が少しだがイラッとし彩希羅に笑顔を作りながら「ありかとな~、お礼に彩希羅のクラスメイトの前で抱き付いてあげるよ~」何て言うと目が笑ってなかったからか頬をひきつらせ「謝るからそれだけは勘弁してくれ!」だの「最近、更に女に見られてるせいで野郎共から告られてんだ!」と言い土下座してくる姿を見てスッとしたのを感じ洗面所から出ようと横を通り「早く終らせて、彩芽に代われよ」と言い、出た途端に後ろから――今の謝罪に返事は!? 等と聞こえてくるが無視して進んだ。


「お姉ちゃん味噌汁は、もう少し味を濃くして良いかも」


「そう? なら味噌をたすだけっていうのも何だから具材も、もうちょっと入れよ♪」


「うん♪ それでいいと思うよ。じゃあ私はお浸しを作っとくね! あ、お兄ちゃんやっときた。も~、遅いよ!」


 中に入るなりお互いに味見しあって作ってる姿を見ながら近くに掛けていたエプロンを取り近づくと冷蔵庫から物を取ろうと振り向いた彩芽が気付き声をかけてきた瞬間――


 ――――カコーン!


 何かを落とす音が聞こえ発生源の方を見ると味見に使っていた小皿を慌てて拾おうとしている姉貴がいた。


「ビックリした! お姉ちゃんが物を落とす何て珍しいね? もしかして、体調が悪かったりする?」


「あはは、大丈夫どこも悪くないよ♪ ただ未来に後ろから視姦されていると考えてビックリしただけだよ♪」


「それもそれでどうかと思うよ! というより料理してる時にそんな事を考えない! 危ないでしょ! もう、お姉ちゃんは、お兄ちゃんが絡むとすぐ――――」


 姉貴は頭を掻きテヘッ! と小さく舌を出すと更に彩芽が怒り説教をする。


 そのやり取りを見て姉貴のフォローにまわる為、彩芽の真後ろに立つと背中の中心を指で軽くなぞった途端――――


「ファニャァアアアー!?」


 奇声を発し、へたり込むと体をビクビクと小さく痙攣させ顔を赤らめて睨んでくる。


「お、お兄ちゃん! い、いきなりお、乙女の敏感な部分を撫で付けるなんて何するのよ! この変態、痴漢、ゾンビ!」


「悪い悪い、でもな~、まだ料理の途中だろ? それなのに説教を続けたらいつまでたっても食えねえし、まだ姉貴もやることが残ってるから説教は後にしてくれ」


 罵詈雑言を無視してそう言うと……歯噛みして唸っていたが、すぐに立ち上がり擦れ違い様に腕を叩いて出ていった。


 彩希羅の騒ぐ声が聞こえる事から洗面所に行ったのだろうと考え、すぐに目の前の姉貴に意識を戻すと……顔を洗いにいく直前で見せた表情で口を開閉させるが目を閉じ大きく呼吸をした後、意を決した表情になる。


「……未来、何を隠してるのか教えて……もし何か困っているのなら力にならせて欲しい」


「……分かった。ただ俺自身もまだ確証がある訳じゃない。殆ど憶測に近い事だがそれでいいか?」


 姉貴は、一つの迷いも無い目で頷く姿を見て心の中で礼を言いつつ「アイツ等に怪しまれない様、作りながら話すぞ」と返答し料理の準備にかかると姉貴も再開しだす。


「俺が、隠していた事は唐突にした質問の事に関係している」


「それは、お祖父ちゃんに関する事? それともお姉ちゃん?」


「両方、というより……俺も含めたあの時の記憶自体の事だ」


「それはどういう事、未来の言い方だとまるで、記憶自体が間違ってる様に聞こえるんだけど?」


 食材を切っていた手を止め怪訝な顔で聞いてくるが俺は、見てきてる事に気付きつつも調理を進めたまま答える。


「……いい難いが、その通りだ」


「……冗談とかじゃ、ないんだよね?」


 声を少し震えさせていた事で作る手を止め、姉貴を見ると、よくよく見ないと分からない程に手を震えさせており表情も不安に彩られていた。俺は、安心しろ。と思いながら手を握り続きを話す。


「……大丈夫だ。姉貴が危惧している部分に違いはなかった。違いがあった部分は……じいちゃんに関する部分だけだ」


「お祖父ちゃんの事、だけじゃないよね? 未来が言い淀むって事は他にもあるんでしょ。本当はあの出来事も違っていたんじゃないの? ……本当の事を教えてよじゃないと――――怖いよ」


 第三者がいた可能性を話すか迷い言い淀んでしまったが、(まだ可能性があっただけで断言は出来ないから言わない方がいいな)と考えじいちゃんの事だけを言ったが、言い淀んだ事でまだ何かを隠してると分かったからか、俺にとっても大切な思いでに疑惑を感じ始めた姉貴の言葉は――最後には泣き出しそうになりながら言われた。


 俺は、その姿を見て考える前に姉貴を――抱き寄せてた。


「……確かにまだ隠してる事はある。ただそれは確証がないからだ。憶測で言って混乱して欲しくないから、だから今は言わない。でもこれだけは自信を持って言える。――俺と姉貴が、本当の家族に、姉弟になれたあの出来事だけは、書き換えられた物じゃない。……だからこれ以上不安にならないでくれ」


「……本当に、間違いないんだよね? 信じていいんだよね?」


 そう鼻を啜りながら言い、胸に顔を埋め力強く抱き返してくる。


「信じて欲しいとは言わない。だが今の言葉に嘘は無い。……何より今、こうしているのは誰かから言われた訳でも打算的な考えでもない俺の本心だ」


 それを言った後、少しの沈黙後、姉貴は一瞬だけ俺を強く抱き締めると「もう大丈夫」と言われ離すと背中を向け息を整えた後、向き直る。


「分かった、もう疑わない。でもまだ不安があるの……だから憶測でもいいから教えて」


 今だ不安な顔では、あるが何処か決意した目をしており、言うか言うまいか迷ったが嫌われたくないと思い言う選択をする。


「……最初に言った通り憶測でしかないが……俺達三人以外にもう一人いた可能性が高い」


「……何でそう思ったの」


「簡単に説明すると、俺と姉貴の違いはじいちゃんに関する事ってさっき言ったよな?」


「うん、私の記憶だと笑顔でいたけど、そういえば未来の記憶だとどうなっているの?」

 

「俺の記憶だとじいちゃんが笑顔を向けたのは、俺が泣き止んでからだった。それまでは時折俺や姉貴を見るが、殆ど空に視線を向け続けて話していた」


「つまり未来が言いたいのは、その空に固定している部分は景色じゃなく……別の一人を見ていた。……そう考えているのね。でも、それは」


 姉貴は、瞬時に俺の考えている事を理解し頷くが、怪訝な顔をしながら言いづらそうに口ごもり始めた所で、頷き言葉を引き継ぐ。


「ああ、姉貴が言いたい事は分かってる。自分の記憶が変えられているなら、俺の記憶も同じなんじゃないか? もしくは、姉貴の記憶は本当は合っており、実際は俺の記憶が弄られた物じゃないのか? この二つだろ?」


「……うん、疑う様で悪いと思う……だけど私はそう思いたいの、ごめんね」


「アホ、そんなので謝るな。それに、それは俺自身を落ち着かせた時に最初に考えてんだよ。だから前置きしただろまだ憶測でしかないって――さて話は終わりだそろそろアイツ等も戻ってくるだろうからな、集中して作るぞ」


 これ以上お互い話していても憶測の域を出ないと考え、手を叩いて止め調理を再開しようとした途端、姉貴が「ぁ、待って最後に! ――」と聞こえ振り向いた瞬間――――


 ――――チュッ、と頬にキスさた。


 唐突な行動に理解できず「は?」と間抜けな声を出し固まっていると耳元に吐息がかかる距離で囁く様に言ってくる。


「疑ってごめんね。今のは謝罪と私の気持ち。私は未来が……家族が大好きって気持ち受け取ってね」


 そう言い終わると離れ「ごめん、まだ準備があったの思い出したから後お願い!」と早口に言うや否や脱兎のごとき速さで台所や居間を出ていった。


 階段を駆け上る音を聞いて熱くなる顔を隠す様に手で覆った。


「不意打ちで、んなことすんじゃねぇよ。しかも姉貴自身――――恥ずかしいならやるなよ」


 横を通り過ぎる際に見えた姉貴の真っ赤な顔を思い出して呟いた。


 それからすぐに、まだ怒っている彩芽と少しゲッソリした彩希羅がきて「兄貴、後で覚えてろ」等と言い怨みがましく見てくる彩希羅に「悪い悪い」と出来てすぐのちょっぴり失敗した唐揚げを一つずつやると二人揃って熱々とお手玉した後食べ首を傾げた後お互いに顔を合わせるが、まっ、良いか! という顔で食べ機嫌を直した。


 それから三十分程で作り終わると同時に姉貴が下りてきたが、さっきの出来事でまだ顔を合わせづらく顔を背けていると「ねえ、何でお姉ちゃんもお兄ちゃん顔を逸らしてるの?」と彩芽が言い、姉貴も同じ状態だと分かると可笑しくなり見ると姉貴も同じ様に思ったのか笑いながら見てくる。


 その姿を見て彩芽は、? と首を傾げ彩希羅はニヤニヤと笑みを浮かべて「気にしないから、さっさとくっ付けよ」と言われた所で、椅子に腰掛けようと移動し通り過ぎ様に頭に拳骨を落とすと「フブッ!」と聞こえるが気にせずにいると今度は「グガッ!」と聞こえ、振り向くと赤くした姉貴が完全に倒れ伏した彩希羅から離れ、倒れた彩希羅を「うわ~、痛そう」と言い引いてる彩芽の様子から(ああ、やっぱ殺られたか。まあ、自業自得だな)等と呑気に考え席についた。


 配膳が終わり席についた所でようやく起き上がった彩希羅と呆れた表情の彩芽が席につき、そんじゃ~食うか。と思った途端――――


 ――ピンポーンと音が鳴った。


 全員訝しげな顔を見合わせた所でもう一度音が鳴った。


「俺が行くから、先に食っててくれ」


「うん、それじゃあお願い何かあったら呼んでね」


 「お~う」とめんどくさく思いながら返事して玄関に向かい「はーい」と居ることを示した所で外にいる奴が覚えのある気配をしていた。


 だが、(この気配がアイツなら何でこんな早い時間に家にきてんだ?)と疑問に思ったが(取り敢えず後で考えるか)とドアを開けると案の定そこには――――透き通る程の長い黒髪を一つに纏め……メガネで眼のキツさを隠しているからか綺麗より可愛いが先に出てくる顔になっており、体は桃色のコートに白いマフラーで覆っているのもありパッと見だと可愛い美少女に見えるが、纏う雰囲気は、凛々しさを感じさせるというギャップがある幼馴染みである――――


「おはよう、未来君……病院に行くんじゃなかったの?」


 ――――頚樹 麗奈(くびき れな)が訝しげな表情でいた。


読んで下さりありがとうございます。


 前書きに書いてある様に変になってる部分や誤字脱字があれば教えてもらえると助かります。


 次回は8月に更新します。

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