表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
頭を撫でてもいいですか?  作者: 凪と玄
第一章 零れ落ちゆく一粒の雫
7/7

5


 妙に晴れやかな気持ちだったのは、きっと再びあの少女を見たから。そして、彼女には悲しげな雰囲気などないと知ったから。

 どこか忘れられないあの雨の日の公園の少女とは別人のような気さえするほどに。


 修に気分が良さそうだと言われ、そうだとは言わなかった。否、そうだとは思っていなかった。

 実際はあの少女とは赤の他人であり、彼女がどのような状況であるかなど、誠には関係のないことだ。関係のないことで気分が上下するほど誠は暇ではない。


 しかし、今、こうしてまた、あの少女のことを思い出しているのは、やはり、どこか気になっているからなのだと、誠は原因を探る。探ったところでわからないのは承知の上で、だ。


 雨の日の少女をあの少女、としているが、恐らく彼女は先輩だろう。そうだとしたら、誠自身から少女として見るのは少々失礼に当たる。かと言って、何か相応しい呼称があるわけでもなく、頭から離れない彼女を、あの少女、とするしか今はないのである。


 その日の帰り道、誠はまたあの公園が見える道を通る。

 そこにあの少女の姿はなく、小さな雨粒が降り続く景色の中、古びた遊具が目立つだけだった。

 やはり、あの少女の悲しさは見間違えだったのかもしれない。


 家の方向へ振り向き、足を運ぶ。

 そうだ。きっと気のせいだったのだ。どんより暗い雨雲の下で、似たようなイメージを見てしまったのだろう。


 誠は傘から額に落ちた雫を拭いながら、そう自分に言い聞かせた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 面白くなりそうなところで止まっているので残念です。 最後まで輝いた雫とは何か、この先のお話がぜひ読みたいです。 書けたら続きをお願いします!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ