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ひょんなことから小説作家になりたいと思った。
「なんでさ?」
きっかけはとある恋。
「不純だね」
動機なんてそんなもん。
「適当だねぇ」
始まりなんてそんなもん。
「で、どんな恋さ?」
それはそれはまさに青春。だけど、切ない。そんな恋だった。
「辛かった?」
うん。辛いし、苦しかった。でも、
「何か気持ちの変化でもあったのかい?」
そんなところ。聞いてみるかい?
「へぇ? 僕だって一応文学少年だよ? その僕を満足させられるのかな?」
できるさ。もちろん。
だって、――――――君の物語なんだから。