作家がSNSを凍結されるお話
まず、はじめに言っておくべきことは、僕は『転生吸血鬼さんはお昼寝がしたい』というお話を書いている1なろう作家であること。
転生吸血鬼さんは4巻くらい出ていて、5巻の発売とコミカライズの単行本まで決定しているのだけど、それはちょっと関係ない話なのでおいておきましょう。
一応プロの作家ということもあり、広報として利用することが多いのが、いわゆるSNSである。
不特定多数に見てもらえるし、フォローしてくれた人たちが拡散を手伝ってくれる。
知られなければ、作品を好きになってもらうことはできない。
プロとかアマとか以前に、作者としてとても大切なツールである。
そんなSNSアカウントが、ある朝凍結されていた。
朝の九時ごろ起きたときに、フォロワーさんたちから別媒体で「凍結されてる!」、「大丈夫!?」というメッセージが大量に入っていたので気づいた僕がリアルでこぼした言葉は、
「マジかよ。息子のご飯用意しないといけないのにめんどくせーな」
でした。いやほんと、朝は忙しいんですよ。既婚者子持ちなんだから。
しぶしぶ新アカウントを作り、周りに『新しいアカウントつくるね』と言ったりしてる間に、僕は昨今漏れ聞こえてくる『絵師さんのアカウントが愉快犯により凍結されている』という話を思い出した。
たしかに僕は書籍化作家なので、なんやかんやと広報するときに画像を貼る。ファンアートも貰うので貼る。
そういった行為によってたまに絵描きさんと間違えられて、「絵師リスト」に入れられたり、「僕にもイラストかいて!」みたいなメッセージが届いていたこともままある。
「そうかー。絵師さんと間違えられたかー。ああでも最近凍結をネタにする逞しい人も結構いたな。僕もやろ」
正直3000人というフォロワーさんが吹っ飛んだことは素直に悲しいしぶっちゃけ業務妨害なので犯罪だろと思ったし落ち込んだのだけど、そこはそれ。
一応プロである僕にとって、こんなつまらない事で筆を止めてしまうのは屈辱だし、なによりそれが相手の望み。
だったらその逆のことを思いっきりしてやろう。匿名でちまちま嫌がらせするしかできないみみっちい人間と違って、僕にはちゃんと心配してくれる人がいるし、やましいことはなんにも無いのだから。
そう考えた僕は、とりあえず思いつく限りはっちゃけて、ついでに宣伝した。やってるうちに本当に楽しくなってきて、悲しさはいつの間にか消えて、前向きになっていた。
おまけにそのお陰で本を買ってくれる人もいたので、どっちかっていうと凍結自体はいい宣伝になったので、最終的な結果は犯人が考えてたこととはだいぶズレたと思う。
そうこうしているうちに、知り合いがいろいろと教えてくれた。
なんでも、少し前に流行った「童貞を殺す服」というものについて呟いたときの、「殺す」というワードに反応してアカウント凍結しているのだとか。
絵師さんのアカウントが相次いで凍結されている理由も、そこらしい。確かに言われてみれば、僕もその言葉をつぶやいたことはある。
ただ、これが本当ならこのSNSの管理部はなにかしら通報が来たときに適当な検索ツールでNGワードがあるかどうか走らせて、それがあれば『前後の単語や会話をロクに確認もせずに凍結処置をしている』ということなのだ。
正直億単位の人間が使い、たくさんの企業も利用しているようなコミュニティツールでそんな雑な判定をしているとしたら、さすがにちょっと仕事してほしい。
さらに先日同じようにアカウント凍結された方がその会社のオフィスへと突撃していろいろ聞いた結果、日本支部の皆さんは抗議メールすら読んでないとのこと。
「不当に凍結されたら意義を申し立ててね!」とメールフォームを用意しているのに、読んでないなら意味無いでしょ。
どっちかっていうとやられたことより、管理側の対応の方に頭痛くなってきたのだけど、うだうだ言っても仕方ない。
この文章を書いてるのはたぶん凍結されてから24時間くらいで、その間にいろいろなことがありました。レーベルさんや友達に周知したり、凍結芸で宣伝して買ってもらったり、エビを茹でて剥いたり、散髪行ったり、凍結記念焼き鳥パーティをしたり。
作家仲間の人が抗議文を送ったりはしてくれたのだけど、さてさてどうなるやら。
総括すると、このお話で言いたいのは、本当にちょっとしたことで凍結される可能性があるということです。
前後もろくに見ずに判定しているっぽいので、皆さんもSNSを利用する際は十分に気をつけてください。
昨今はこの愉快犯による凍結の流れが絵師さんだけでなく、プログラマーさんなどに波及しているようなので、今回の私のケースは「絵師さんに誤認」の可能性もあるし、まあ私怨やら嫉妬という可能性もあるでしょう。
今後物書き界隈にもこの流れが本格的に来る可能性がありますので、今から対応をオススメします。
あるいは私みたいに凍結芸するからいいやで開き直るのもありです。
悲しんだら負けです。それは相手が一番喜ぶことです。
それならむしろ、宣伝にしてやるくらいの気持ちでいましょう。昨今はこの問題は大きめに取り上げられているので、むしろみんなに知ってもらうチャンスになるかもです(笑)
それでは、乱雑ではありますがこの辺で。ご視聴ありがとうございました。よければ私の作品を見ていただけると嬉しいですよ。
ちなみに新アカウントはこれです!(頭のマーク抜き)
tyokin_gyo_maru