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うさぎに騙され異世界へ  作者: 桜田 律 
第3章 冒険
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13.開墾

村長さんの案内で村の一番端に位置する森に面した、雑草だらけの広い場所にやって来た。

「今はここしかないのじゃが、大丈夫だろうか」

綾子はその場所を端から端まで眺めながら、足元の土を触る。

あたしも農業をしていたわけじゃないから、適している土がどんなのか全くわからない。暖かなところで乾燥させないように育てる。それだけしか知らないが、ここは天狐様がおられるのだし失敗はないでしょ。適さなければ適する作物に変えてもらえばいいのだから。

ただ、あまりにも理から外れると周りの村や町からやっかみをうけると面倒だから、それなりに誰が見ても納得できる畑にしないと。

そうなると水があった方がいいと思う。だけど目に見えて川らしきものはない。だけど森に面しているのだからどこかに水源はあるはず。


「村長さん、場所はここでいいと思います。この場所の日当たりはどうですか?気候は年中穏やかですか?水源は近くにありますか?」

「日当たりは森に面していない場所は問題ないが、冬になると森に面している場所は殆ど当たらない。だが不思議なことに土が常に温かいからじゃろが、雪が降るというのに積もることはない。そして水源だが残念じゃがない。だから村人もここの開墾を諦めた。手間がかかりすぎる」


ん?土が温かい?水源はないけど森はしっかりと根付いている。

もしかして、もしかして、この下に温泉が流れているとか?!

家の庭はほぼ理を逸脱しているからいつでも温かいお湯が出るので気にならなかったけれど、ここで温泉が出るのなら村人ももっと衛生的に健康になると思うから、出るにこしたことはないわよね。

しかも天狐様がいるのなら、石鹸の元になる実とか葉っぱとか作ってもらえばいいじゃない!ナイスアイディア!!持ってきた石鹸とか家で使うなら排水も気にならないけど、流石にどこかで使うのはどんな化学反応があるかわからないので、誰かにあげるとか売るとかは出来ない。

作ってもらえばいいよね。この世界に適したものを!

ふふふっふ。


「綾子はどうしたのだ?」

「…ああ、放っておいて大丈夫だ。時期に戻ってくる」

「…そうか」

「そうだ」


天狐とタケルがひそひそ話をしている中、綾子は次なる野望を打ち立てた。自分で手が回らないものはこの村でやってもらえばいいのだと。その為に遠慮なく改造させてもらおう。天下の天狐様が保護している土地というのを打ち出して。

まずは温泉なるものの水脈を探さないといけないけれど、それは天狐様にお願いして。

掘るのは頑張るよ?

次は泡の実がなる木(体・髪用)も作ってもらって。

香りをつけたければネットみたいなものにハーブと一緒に入れて使えばいい。

取りあえずそれをして、問題が出てくれば天狐様にお願いすればいいか。


「――ということで、天狐様。この土地の下に流れている水脈を探してください。温かい水が流れているはずです」

「温かな水か…。ウム、……。あるな」

よし!だけど流しっぱなしにしても排水の問題が出てくるから、蓋もしないと駄目だよね。蛇口みたいなものがあればいいけど、水圧とか全く計算できない。理工系は正直皆無。ノームたちに作ってもらえるのかな?街に行けば誰か工事できる?難しいことは分からない。

考えるのを辞めよう。

「村長さん、この近くの川はどこ?」

「ここから5キロほど先に大きな川があるが、隆起している土地が多くそこから水を引くのは無理じゃ」

「そこに水量増えても氾濫とか起こさないぐらい大きい?」

「それは問題ないじゃろ」


「天狐様その水脈は何処?」

綾子の脳内で行われているイメージが他に誰一人分かるわけもなく、一体何が始まるのだと皆顔が引きつる。特に村長さんは天狐様が望まれるならいいが、この村はどうなるのだろうかと不安でいっぱいだった。

「綾子、取りあえず説明」

綾子がしようとすることが何となく理解できたタケルは、先走る綾子に説明を促した。タケルが理解できたのは綾子の世界を知識として持っているからと管理者が作った家を知っているからだ。

「ああ、ごめん」


「今から作ろうとしているのは温泉。所謂お風呂ね。村人がそれに入ることにより体が清潔になり、疲労回復や風邪など病気の予防になること。そのお湯の温度次第で冷ませば畑に使えることが利点。ただ温かな水は流しっぱなしになるので、余りを川に流す予定。そこそこ距離はあるから温度は冷めると思うので、川に流しても生態系は崩れないから大丈夫だと思う。温度が高ければ、また考える。そしてそれらが整ったら天狐様に泡の実なるものを作ってもらう予定。これは体・髪などを洗うものでお風呂に入った時に使うものね。後は料理する・食べる前の手洗いとか」

わかったようなわからないような顔をする者を前に、綾子はため息をついた。

これ以上上手く説明する自信がない。やりながら説明しよう。


「取りあえず、見てもらうね。天狐様その場所は何処ですか?」

「ああ、それならここだ」

その場所は森に面している日当たりの悪い奥まった場所だった。

これは好都合。先に温度を確認したいところだけど水量もわからないし、出てしまったら溢れるものを貯められる場所がないから、先に川につなげる道を作ろう。温度が熱ければまた迂回道を作ればいいか。

「先に川までの水路を作る。タケルとジュニア護衛宜しく」


読んで頂き、ありがとうございます。きっとこれが多分今年最後の投稿になると思います。

来年早々バタバタが決定している為ゆっくり更新になります。

来年もよろしくお願いします。



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