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うさぎに騙され異世界へ  作者: 桜田 律 
2章 異世界生活スタート
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23.呪いの正体

「ルプス、呪いって何?」

「一言では難しい。カルマ、業、と言えばわかるか」

「因果応報」

「そう言われているが、そこは謎に包まれている。1000人に一人の割合で生まれ、10才の誕生日に額に不思議なあざが出来る」

まだ水の膜に包まれている為あざを確認できないが、鑑定ででているのならあるのだろう。

「それで?」

「本人の意思関係なく不幸を呼び込むとされ、村や町を追い出される運命にある。もしくは奴隷商に売り渡されるかだ」

「そんなこと、起こってもない出来事を確定のように扱うの?!」

「実際、そうなりやすい。いるはずの魔物が迷い込んで襲われたとか、雷が落ちたとか。それに両親は自分たちの血筋が呪われていると思われることを由としない」


確かに科学が栄え色んな現象が解明されてきたが、それでも謎をもったままのことは沢山ある。

〇〇〇〇〇〇の大予言がいい例かもしれない。起きるかどうかもわからないことを、いろんなことをこじつけて噂されていた。メディアが取り上げれば耳に入るし、話もする。段々と話が大きくなるのは世の常だ。地球だって全地域に文明が進んでいるわけではないし、先進国と言われる国でさえ言い伝えや伝統だからと、ナンセンスなことがされている。


特にこの世界で閉鎖的な地域でいる人たちは、日々のことで精一杯で誰かのことに構っていられないだろう。

だからといって、このまま放置など出来るわけがない。

ここに居る時間は少ないかもしれないけど、関わると決めたのだから出来ることをしていこう。


「ねえ、ルプス。この呪いを解く方法はあるの?」

「我は知らぬ。進化する我らのような者が増えているのなら、人間でも進化している者が居るやもしれぬ。シャーマンがいるのならばもしかすれば」

「え、居ないの?」

「100年前に職業から消えたと聞いた。それも闇が深まる原因やもしれんが、憶測でしかない。我とてまだ300年しか生きておらん。1000年生きているといわれる北の長老ならば、あるいは」


「どれぐらいの距離?もしレオが成獣になったら、行ける?」

「レオならば行ける、か。獣道もない山奥に隠居されていると言われているからな。定かではないがグリフォンなら一ヶ月余りか?」


レオがどれぐらいで成獣になるかわからないが、間に合うのならそれまで出来ることをすればいい。ここに居られる間は、この子のスキル不運は発揮されないはずだ。


この中には害虫どころか、魔ですら入れない。神の絶対区域のはずだ。

ですよね?管理人さん。

毎日浄化してみるのも、いいかもしれない。


さて、この子が起きた時に食べさせてあげられるものを作らないと。

雑炊が一番に浮かんだが、この世界に米は普及していないと思う。だとすれば、少し甘くて柔らかいパンに、野菜を煮込んだとろーりしたスープかな?


小麦が実るのはまだ先だ。取りあえず手持ちの小麦を使うとしよう。

中力粉に砂糖を一割ほどいれ、塩とイースト菌、卵と牛乳を入れ混ぜる。

耳たぶの柔らかさになれば、発酵を促してしばし待つ。

その間に、以前切ってあった玉ねぎが大量に残っているので、軽く炒めてからお水を入れて温める。煮立ってきたらコンソメ・塩・胡椒をいれ、味を調える。後はゆっくりと煮込むだけだ。

大きく膨らんできたパン生地を、小さくちぎって伸ばして形を作る。

ベンチタイムを15分ほどとれば、あとは焼くだけだ。


休憩をしようと振り返れば、何故かみんながいる。

「あ、ごめん。わすれてた。これはあの子のだから、あげないわよ」


「我のは…」

「今から作るから!」

その前にパンを急いで焼かないと。この子達の食事を作っていたら、焼く時間なんてあるわけがない。


とにかくすぐに火が通るように、肉は千切れながらも薄く切った。

何を作るかと言えば、生姜焼き。ショウガの外皮を軽くスプーンで削り、おろし金で擦って細かくする。

黒糖・みりん・酒・醤油を混ぜ、肉を浸した。


「タケル倉庫から野菜適当に持ってきて」

ノーム達が作った野菜の幾つかは食べないと、彩りも悪ければ体にも悪い。

タケルに野菜を適当に切ってもらっている内に、パンを焼くことにした。

小さくしているので、焼ける時間は短くて済んだ。

よし!出来た。



タケルも野菜を切り終わったようだし、肉を焼こう。

腕が痛い。

本気で誰か料理してくれる人が欲しい。

フライパンをフル活用しながら、肉食5獣衆(ルプス・兄たち・ジュニア・レオ)の為に肉を焼きまくった。

誰か人化したりしない?

タケルだけじゃ、手が足りないんだけど!


あーごめんね、メア。

忘れてないよ、勿論。

加護の中でじっとつぶらな瞳で見ているメアに、念話で伝える。言葉に出してしまえば、我もいると言い出すに決まっているからだ。

ハチミツだけ舐めさせても、納得するのだろうか?


『もう少ししたら焼きたてパンにハチミツたっぷりつけて、食べようね』

『あい!』

かわいいよ。メアが私の癒しだよ。


「ちょっと!ルプス!焼いてるでしょ、床によだれ垂らすの止めて」

本当にこの子、(といっても300歳)はフェンリルの王なのだろうか。こんな姿どこにも見せられないよ。北にいる長が見たら泣くに違いない。不甲斐ないのが王になったと。


「はい、これがラストだから」

「旨い!」

「それは良かったよ。もう、腕が上がらない。体力が上がっても、あまり筋力は上がらないもんだね。あんなに走れるのに」

「主が走れるのは、無意識に風魔法を使っているのだろう。我もタケルもレオが使っているからな」

「スキルになくても、使えるモノ?」

「ノームのスキルを見て使っていたではないか」

「あ!そうだよね、育成したわ」

「そのうち身体強化も魔力の流れがわかれば、出来るようになるだろう。もちろん根本的にスキルを手に入れた方が効率はいいがな」

「なるほど、流石はフェンリルの王だね!」


どや顔をしているルプスは放置して、タケルに私の分と二人分を焼いて貰うことにした。

その間に、メアは焼きたてパンとハチミツを食べさせる。

「まま、おいち」

こっちにいる子達は成長早いな。

この間までスプーンでハチミツをスプーンで掬って食べさせていたのに、パンを持つことが出来ている。

嬉しいような、寂しいような。


「綾子、出来た」

「ありがとう、メアも食べ終わるし一緒に食べよう」

メアがパンを少しずつ食べている横で、ショウガ焼きを食べた。

知っている味とはやはり違ったが、美味しかった。これは食が進むだろう。タケルもいつも以上に食べていた。


肉食5獣衆はお腹が一杯なのか、アクビをしながら床に寝そべっていた。お風呂にも入らずにねそうだったので、みんなにクリーンを掛ける。

清潔大事!


私も一度あの子の様子を見てから、お風呂に入ろう。

腕の疲れをとらないとね。


ストックがなくなってきた。

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