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うさぎに騙され異世界へ  作者: 桜田 律 
2章 異世界生活スタート
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10 夕食作りとメル

新しく仲間になったハニー・ベアのメアが中々離れてくれない。

「ままー、やー!」

「大丈夫、ここにいるよ」


夕食の支度の為に、クッションの上に置こうとすると痛いぐらいに掴まれる。

また捨てられるかもという不安がどうしても消えないのだろう。

こんなかわいい子を放っておくことは出来ない。

抱っこ紐とかあれば、背負っておくけど流石にそれは想定外で準備などしていない。


一度タケルの背中に乗せてみたが、安定感がなく微妙だった。これでよくぞ背中にへばりついていられたものだ。ここに来るまでのメアの必死さが伝わり、この子を守るのだとさらに覚悟が決まりギュッと抱きしめた。

「ままー、ぎゅっ」

嬉しそうに声を出すメア。

ダメだ、泣きそうだ。


「綾子、薪拾ってくる」

タケルは空気を読んだのか、突然行くと言いだした。

最近のタケルってまだ数日だけど、人間ぽくなった。管理者からの入れ知恵でもあっただろうか。私としては良い傾向に思えるけど。

まあ、良いか。折角だから拾ってきて貰おう。どうせいるんだし。

夕食は量が量なのでコンロでは間に合わない。だから仮で作った竈で料理を作ることにした。もちろん土魔法で気合いで作る。祖父の家にあった竈のイメージだ。

「うん、お願い。その後タケルはお肉捌いて貰っていい?私はこの子背負って野菜切るよ」

「わかった」


今覚えば、よくもまあノリとはいえ寸胴鍋とか買おうと思ったよ。もふもふパラダイスになったら量を作ることになるからね!なんてラノベ読んでその気になっていたとは、誰にも言えないけど。


それにしてもなにか…。なにかないだろうか。背負えるもの。

背負う?

あ、確かもしもの冒険の為にリュックサックを買ったよ。メアがもう少し大きくなったら難しいけれど今なら入るはずだ。

段ボールにリュックと書いてあるのを探す。

あった。

「メア、ここに入ろうね」

入れた直後は手足をバタつかせジタバタと暴れていたが、リュックを背負うと大人しくなった。

「いっしょ」

「うん、一緒」

なんとか納得してくれたようだ。


足元でたすたすと俺も構えと言っている子狼には、テニスボールを見せて目線が追ったのを確認して転がした。早速転がっているボールに向かって走り出し、捕まえたら歯でガシガシしている。

良かった、気に入ってもらえたようだ。

流石に動き回る子狼まで背負うのは無理だし。

ただあれはもう、使えないな。

腰痛のためにテニスボールを使ってストレッチをしょうと持ってきた物だったのだが、今は涎塗れの子狼の玩具となってしまった。クリーンを掛けても、ちょっと微妙。


さて、静かになったところで野菜の下ごしらえに入る。

畑のものはまだ収穫できそうにないので、持ってきた野菜から選ぶ。

まず腹が膨れるじゃがいも、人参。そしてたまねぎに、あ、こんにゃくとかもいいね。

そしてこの面子となれば、肉じゃがでしょう!

なら、エリンギも追加で決定。


スープはカボチャがあるから、全部潰さずごろごろカボチャスープにすれば、お腹も膨れる。

和風と洋風ってどうなの?というつっこみはあえてスルー。

今日は量が必要なのだ、量が。


そういえば、たまねぎも入れたいけど、フェンリルとかって食べられるの?

ああ、肉じゃがもだ。

最悪は肉じゃがの玉ねぎは大丈夫と分かった時点で入れることにする。

あの甘さがいいんだけど、そこは仕方ない。

まずピーラーでジャガイモの皮をむき、水を張ったボールに順次入れる。少しずつ濁ってくるが井戸がない為すぐに水を出せないので、まとめてする。

にんじんの皮むき、玉ねぎの皮むきが終わったら、こんにゃくを袋から出した。

「ウオーター」

イメージはちょろちょろ水道から出る水だ。

野菜全部を洗い終えると、ひたすら切り始めた。

たまねぎが目にしーみーる!


手で目を触れなくて、目を瞑って顔を振っていたら遊んでるのかと思ったのか、メアは楽しそうに声をあげる。

「もっと」

いや、メアこれ以上はヘッドバンキングになるから、出来ないよ。



「綾子、肉ブロックに切れた」

「ありがとう。じゃあ、すぐに竈を作るから火を起こしてもらっていい」

「わかった」


「クリエイト!」

不格好な竈…。後は穴が変な場所に空いてなければ良い。


キッチンに戻り、タケルが置いて行ったお肉を見ると、10個の塊があった。多分5羽ぐらいのものなんだろう。タケルも頑張ってくれたようだが、やっぱり匂いも滴る血も苦手だ。

とりあえず、クリーン。

自分の手もお肉も寄生虫とかいたら嫌だし。


切る前に念のため鑑定して確認したが、クリーンで綺麗になったのか元々なのかわからないが、問題ないようだ。

魔物のうさぎ肉。正直どう調理していいのかまったく想像つかない。

今日はとにかくなにも考えないようにして、薄切りにしよう。

考えたら、負けだ。


…お肉屋さんって偉大。

そんな感想を持ちました。

解体をしたタケルを今日はとにかく褒めよう。


お肉を全部きり終えたころ、背中の重みが増した。

見えてないけど、多分寝たのだろう。

夕食が終わったら、タケルとフェンリルと交えてハニー・ベアの食事とか習性をちゃんと聞いておこう。以前貰ったガイドにはどこの部分がお金になるとか、弱点が書かれてあるけど流石に子供の時の注意点は書いてない。

大人ならテイムすれば念話で話せるから、聞けばいいのだけど。


日々勉強ー。

日本にいる時以上に忙しいのは、きっと気のせいであって欲しい。


さて、気を取り直して。

寸胴鍋2つをまず外に運び、セット。

穴が少し小さかったようだが、大きくて落ちるよりはいいだろう。

油を注いでお肉どばー。

臭みけしの為に、お酒どばー。

もはや野営料理だ。

にんじん、じゃがいも入ります。

「タケル、これ焦げないようにとにかく混ぜて」

混ぜてもらっている間に、カボチャを切る。

実がしっかりしているので、切るのも一苦労…?しなかった。

あれ、かなり楽に切れる。

これがレベルがあったということか。流石に人参ではわからなかったよ。

ヘタと種を除けて、ザクザクきる。切ったら水を入れた大きめの鍋にカボチャを入れ、コンロに火をつけた。豆乳とか牛乳とかないのでしかたない。その代わり塩。胡椒・コンソメで味を効かせるのだ。


「綾子、この後は?」

「水を入れるね。ウォーター。灰汁が出てきたらとるのだけどそれはするから、もう一つの寸胴鍋にお肉入れるから、お願い」

先ほどと同じことを繰り返して、灰汁を取り続ける。

後はこんにゃく入れて砂糖やら醤油を適当に入れて味を調えるだけだ。


カボチャスープは出来上がったので、火を落としてアイテムボックスに。

肉じゃがは味をなじませる為に、ひとまず火から下ろして冷ませることにした。

「タケル、お疲れ様」

「ああ、量が多いと戦いだな」

「本当、メルが大きくならないうちは、動けないから次回から全力で阻止する」

タケルの出来ればいいなーという声は、聞こえないふりをした。


私だって、断れるし。

…多分。

次回『フェンリルの事情と貢物』

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