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だいすき

作者: 草月叶弥

とても短いです

「大好き大好き大好き大すきだいすきだいすきだいすきだいすき…」



大好きって沢山唱えてると“大好き魔神”がやってきて、お前のことを大好きになってくれるよ。

それが、大好きなおばあちゃんの口癖だった、




______________________________





春の初めにおばあちゃんが死んだ


「だいすき」


心筋梗塞だった


「だいすき」


死なないで。ってお願いしたけど『人はいつか死ぬもんだ』って笑ってた


「だいすき」


大好きだったおばあちゃん

『幸せになって』と笑って逝った


「だいすき」


おばあちゃんが居なければ幸せになんてなれないよ……


「だいすきだいすきだいすきっ…!!」


涙が止まらないまま言葉を紡ぐ。

どれだけ泣いても、どれだけ願っても、おばあちゃんは還ってこない。

おばあちゃんを思い出すときは教えてもらったおまじないを唱える。

『幸せになって』と願って逝ったおばあちゃんの願いを叶えるために。

大好き魔神なんて信じてなかった。でも、今の私にはそれしかすがるものがない。


「……大好きなのっ……!!」


夏が近づいて熱をはらんだ風が吹く河原で、私は今日も「大好き」と唱える。

いつか大好き魔神に逢うために。


そして、私を好きになって______

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