表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

元気なお姫様

「んぁー。よく寝たぁー」

重たい体をなんとか起こすと

んーっと両手を組み、頭上に思いっきり伸ばした

何時になったんだろうか、窓が近くにないのでよくわからないが

周りは相変わらず静かなままだった



「さてと、どうしよっかなぁ」

オレは半ば寝ぼけながら左右二手を見ていた



どちらから来たか覚えているはずも無く適当に右の道に歩き出そうとすると

隣に人がうずくまって座っていることに気がついた



なんでオレの隣に人が・・・・・・?

オレ一人だったよなぁ

もしかしたらオレが寝ぼけてなにかしたのか・・・・・・?

そんなことを考えていると急に心音が早まり、不安になる

それに耐え切れず、オレは声をかけてみた



「あのぉ、どうかしましたか?」

「・・・・・・・・・・・・」

反応なし

「あのぉ・・・・・・」

軽く肩を揺さぶってみた

「・・・・・・・・・・・・」

反応なし

「おーい! もしもーし、生きてるかー?」

あれ、このセリフ。なんか聴き覚えがある?

少し反応を待っているとその人は眠たそうな声で「あと、3分だけ」と答えた



どこのドラマの主人公だよ

起こしてやってるのにもかかわらず図々しくも延長の要求を出すとは

「そうだな。いつまでも寝ててくれ、オレはもう帰る」

めんどくさい、その一言が頭を過ぎりオレは要望通り立ち去ることにした

踵を返し彼女に背を向け再び廊下を歩き出した



「あっ! ちょっ、待ってよ、ね 君!」

歩きだしてすぐ、背中に聞き覚えのある声がかけられる

オレはつい、反射的に後ろを向いた



オレは彼女に視線を向けると、少し驚き目を見開いた

「あなたは、夢の中にいた・・・・・・」

「えっ、いやいや何言ってんのよ。もう、ちゃんと目を覚ましなさいよ〜」

あはは、と苦笑いをしながらこちらを見ていた



「あ、思い出した。あの時の興味のない人か。なんか用?」

寝起きのオレはご機嫌がやや斜め

トーンの低い声でオレは言った



「興味のない人って、君。サラリとかなりひどいこと言うね」

彼女は笑ったまま、壁にもたれかかるようにして立ち上がった



「で、なにか用?」

早くしてくれー。家に帰ってさっさと3度寝たいんだぁー。

と催促するように話題も膨らませることなく本題をストレートに尋ねる



「ほぅっほーう。君、いい度胸してるわね。いいわよ。

教えてあげようじゃない。アタシの魅力を♪」

彼女は両手を腰に当て、嬉しそうな怒ってるような

まるで勝負を申し込むような顔で言ってきた



「えっ、いや別に・・・・・・そんなことは」

な、なにその反応は。

いきなりの彼女の意味不明な反応にうまく言葉がでないまま彼女の

会話はテンポを上げる



「じゃあ、まずは1階から順番に病室、治療室、手術室などなど

いっっぱい見所あるから全部まわろうよ、ね♪」

目をキラキラ輝かせ、早く早くと今度は彼女が催促をするようにねだってくる



「はい、え。なにそれ、どういう状況?」

もうこの人、意味がわかんないんだけど

モジモジと黙り込み当惑していると彼女の手がオレの手に伸びる



「ほら、考え込んでないで。行くよ♪」

「えっ、うわぁっ! ちょ、ちょっと待って」

オレの意見なんてお構いなし

彼女はオレの手をグイグイ引っ張りながら階段を駆け下りていった


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ