超能力とその周りについて
三人称です。読まなくてもおそらく問題はないと思われます。短い。
超能力は先天的なものもあれば後天的なものもある。先天的なものは産まれてすぐに検査が行われ対処ができるが、後天的なものは突発的に目覚めるらしく、ひどければ街自体に災害が起こったかのようになるらしい。有名なのが222事件。ゾロ目がなんとも不吉な日に僅か五歳の少年が起こした超能力による大災害だ。
また一重に超能力と言っても精神関与系、物理操作系、空間調節系など様々なものに分かれる。まれに複数の能力を持った人が現れるらしいが、彼等は尊敬と畏怖を込めて与えられた災厄と呼ばれた。
以上が超能学で一般的に教えられる基本知識である。
この神楽学園の高等部には三学年合わせて約100人もの超能力者が存在する。その能力は物をずらす程度のものから自然災害を意図的に引き起こすものまでと様々だが、やはり総じて一般人から見れば尊敬の対象だ。
中でも特に強い力を持ちえたものは生徒会とは別に、風紀統括委員会とは名ばかりの対超能力者組織として動いている。本人が望まなくても、生かされる条件の中にそれがあるのだから仕方がない。でなければ能力に驕った小さな能力者が学園を支配しようとたくらむのだから、まぁ当然と言えば当然の措置なのだろう。
「仕事だよ、蓮」
「えー……俺仕事したくないっす」
「そう。それでもいいけど、それ相応の覚悟はできてるのかな?」
「はいはい、わかりましたよもう。人使い荒いんだから叶人さんは」
「蓮」
「あー、もう、叶人先輩!これでいいですよね、ったく」
「仕事、頑張って」
「…やっぱわかんねえなぁ、先輩は」
綺麗に染められた金髪を後ろ手に掻きながら独りごちる。そのまま風紀室を出て行く蓮の後ろ姿を見ながら叶人は穏やかに笑っていた。
ちょこっと出てきた二人の容姿や能力などは後日詳しく小説内で書きます。