表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/22

ドキドキしてきた

 「おめでとうございます」


 商店街のオジサンが鐘を鳴らすと周りから注目を浴びた。今日は奏矢と買い物をしていたのだが、福引券を数枚もらえた。喜び勇んでガラガラを回せる列に並んだ。


 でも綾乃は運が無い。この18年間いろんなクジを引いてきた。おみくじはいつも末吉か小吉。ビンゴゲームは揃わない。クラスの席替えの時は大抵前の方。アイスの当たりですら滅多に引けない。


 1等 最新型PC

 2等 マウンテンバイク

 3等 豪華ホテルディナー券


 うん、どれも欲しいぞ。



 静かに目を閉じて集中する。


 神様お願いします。最近いい事がない私にご慈悲を。


 当たれ、当たれ、当たれ……


 心の中で唱えながら、ゆっくりとガラガラを回す。出てきた玉は青。どうなんだ?何等??



 おめでとう&鐘なのだ、結構いい方に違いない。綾乃は神に感謝する。



 「4等、スパリゾートサンシャインズ ペアご招待券になります」


 そういって手渡されたのは先日オープンされたスパやプールが一体化されているアミューズメント施設の招待券であった。


 キタコレっ!


 脳内のミニ綾乃達は、小踊りしたり楽器を鳴らしたりクラッカーを鳴らした。


 

 余韻を楽しみつつ振り返ると奏矢が言う。


 「おめでとうございます。私も楽しみです」


 え?あんたと行く訳ないじゃない。

 

 そう言おうとしてとどまった。よく考えてみよう。ペア招待券なのだ。紗希か優奈、片方だけを誘うわけにもいかなかった。


 こんな時に素敵な彼氏でもいれば……


 奏矢と2人でデート。しかも水着姿を見せるはめになった。



 そう、綾乃は運が無い。





 


 お盆は過ぎていたものの暑さはまだまだ続いている。天気のいい日を狙って行く事にした。


 何度も行くものでもないので奏矢の水着は現地レンタルする事にした。綾乃の水着は……今年の新作に後ろ髪を引かれたものの、去年買った物で我慢する事にした。だって見せる相手は奏矢だし。


 入り口でチケットを渡して2人分かれる。綾乃は更衣室に向かった。奥の方に進みロッカーを開けて着替え始める。


 周りには中高生に見える子から少し年上のお姉さんが多かった。グループよりも1人でいる人の方が多い。やはりカップルで来ているのだろうか。


 一番近くで着替えをしていた子は高校生だろうか。あどけないベビーフェイスにツインテールの絵に描いたような美少女は、グラビアアイドルかと思わせる程メリハリがきいていた。


 なんて発育してやがるっ。全く最近の子は……。大して年も離れていない子をチラリと見ながらそう思う。 



 


 更衣室を出ると仕方なく奏矢を探した。人ごみの中でも奏矢を見つけるのはさほど難しい事では無かった。


 奏矢の周りには1mくらいの間隔を空けて女の子が数人立っている。それぞれがやや遠巻きに奏矢をウットリした眼で眺めている。あなた達のお連れの方、もうすぐ来てしまいますよ?


 その親衛隊もどきの視線を掻き分けて奏矢の元へと向かった。


 「ごめん、待ったぁ?」


 意地悪で普段言わないカップルごっこを演じてしまった。親衛隊の皆さんの視線が綾乃に集まる。数秒後、皆一同に不満そうな顔でそっぽを向いた。こんなんで、どうも悪うござんしたっ!そう思いつつその場から離れた。



 「お綺麗ですよ」


 奏矢が綾乃に語りかける。やや薄めのブルーに白い水玉模様のビキニを着た綾乃は、悪くなかった。短めの髪とあいまって、その水着は健康的少女を引き立たせていた。


 「嘘つき。どうせ貧乳だとか非乳だとか無乳だとかチッパイだとか思ってるんでしょ」


 綾乃は言いながら自分で悲しくなった。言葉の刃の怖さを改めて思い知る。


 「いいえ。本当にとても魅力的ですよ」


 そういって奏矢はジーっと見つめている。マジマジと見つめている。


 「ちょっと。見すぎっ!」


 恥ずかしくなってしまう。ドキドキしてきた。


 「あ、すみません。別フォルダに名前をつけて保存していたもので」


 何の事かわからない。何?と首をかしげて奏矢に尋ねた。


 「他の女性の水着姿と混ざってしまっては困りますので、綾乃さん用のフォルダを作りましてそこに画像を入れているのです」


 シレっと言いやがった、この変態め。シャッター音のしない盗撮野郎に向かってそう言った。


 他の女性と混ざる?あんた一体何人の画像取ったのよ。


 目に入ったものの粗方は、と言っている。データは多い方がいいのでと付け加えて。


 そのデータは何の役に立つのかと説教しようかと思ったがやめた。


 他の人の画像は残していいから、私のだけ消しなさい。綾乃は命令する。


 「かしこまりました」


 軽く会釈をしながら奏矢は言う。


 消すのよ?絶対消すのよ?今すぐによっ?


 奏矢から返事はなく、ただニコニコと綾乃を見つめていた。

皆様大変長らくお待たせ致しました。

待望の水着回でございます。


……


見えねーよ。ここだけアニメ化しろよ。


さて話は変わりまして、最近よく聞くようになったチッパイという言葉。最初に聞いたのは15年程前でしょうか。作者のお連れの方がよく使っておられました。大変可愛らしい言葉であり他と比べてダメージの少ない仕様になっていると思われます。是非1度お試し下さいませ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ