本日の天気です『バレルソシテアヤマル』でしょう。
問題です。私達は警察ではなく、生徒指導室に居るのは何故でしょう?
1.制服に着替えた後、撮影会をしていたから。
2.制服の持ち主が、着替えに戻るのを考えていなかったから。
3.制服の持ち主が、先生だったから。
答えは‥‥
「まさか、この学校の先生が制服マニアとはね」
「由々しき事ですね」
3でした。
「よし、お前達の歯が全部折れるまで殴ってやる」
「ごめんなさい!」「申し訳ありません!」
嘘でした。
本当は、生徒会室を出た私達の前に、このボディービルダーが‥‥失礼。
私達の前に、この先生が居たからです。
喋り方が何時もと違うって?
いやいや、当たり前でしょ‥‥
だって、さっき余計な事を言ってから睨まれてるんだからね! 本当は、この人の眼力で失禁しそうなんだからね! アタシだって怖いんだから!!
「オイ、お前達」
「「はい!」」
できれば、ドス声は止めて下さい!
「見覚えが無いんだが、どこのクラスだ?」
‥‥‥‥あれ?
もしかして、この先生気付いてないの?
「‥‥舞お姉様、どうします? 弟のクラスなら、担任の名前とかも解りますけど」
同じく、詩織ちゃんも気付かれて居ないと思ったらしく、私にどう誤魔化すか耳打ちしてきた。
「‥‥詩織ちゃんに任せるよ」
「‥‥了解しました」
会話を終えた私達‥‥だけどね。
私達の会話もバレて居ない訳が無くてね。私の目の前で睨まれてるのぅ〜♪
てか、何でアタシだけを睨むんじゃいッ!
「どうした、言えねえのか?」
「いえ、違います!」「1-3であります!」
いきなり話し掛けられて、思わず敬礼する私達。
てか、顔が近いんですけど‥‥鼻毛、見えてますよ。
あっ! 離れて行く、通じたのかしら?
「ん? 1-3にお前達みたい生意気な奴が居たか? んんん?」
あら違ったみたい、記憶に無かった私達を思い出そうとしてるみたいね‥‥無理だけど。
「ちょっと名前を言ってくれ、思い出せん」
直ぐに諦めるなよッ! アンタ教師でしょッ!?
‥‥じゃなくて。
「桜井です」
「藤崎です」
言われた通り名乗ったけど先生は難しい顔をする。
私達が偽生徒ってバレる前に、思い出そうとするの止めて欲しいなぁ‥‥。
私の願いが叶ったのか、先生は考えるのを止めて息を吐く。
「ふぅ‥俺も歳をとったってことか‥‥
すまんな、どうも思い出せんようだ」
少し寂しそうな顔をした先生が、私達の前に、二百文字用紙を二枚差し出した。
「この紙に反省文を書いて、生徒指導室まで持ってこい。授業中の間は、生徒会室を使ってくれても構わん。とにかく今は、俺を一人にしてくれ‥‥」
そして、私達は生徒指導室を追い出された。
「ねぇ詩織ちゃん、胸がモヤモヤするんだけど‥‥二日酔いかしら?」
「舞お姉様、私は、胸が締め付けられるみたいに苦しいです」
こんな、やり取りの後に生徒指導室の中から、大きな溜め息が聞こえた。
「「ぐはッ! 」」
騙した罪悪感に耐えられ無くて、胸を押さえ、膝を着く私達。
「この思いを貰った用紙に認めよっか?」
「そうしましょう」






