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ぷろろ~ぐ『リメイク版』

 リメイク版のプロローグです。ここから原版へと、話のブレは無いかと思います。

 

 出来ればですが、感想などのお願いを致したいのですが、宜しいでしょうか?

 教室で悩み事をしていたら、昔の記憶をふと思い出した。私と彼女の運命の出会いを――――

 「ねぇ、舞ちゃん。今日は転校生がくるんだって、知ってた?」 「いや、アンタから聞いたのが初めて」

 顔も憶えていない曖昧な記憶だけど、確かこんな感じの会話だった。

 「ほら、先生と一緒に来たよ!」

 「ん? どれどれ、私がどんな奴か見てみ……ぁ」

 ここだけは、鮮明に覚えて要る。先生の顔が入らない程に、一緒にやって来た子が可愛いくて――

 「ちょっと、何なのよ。あの可愛い物体は!」

 「ま、舞ちゃん…くっ、首が…首がしま――」

 ――――その可愛い子に惚れると同時に、顔も曖昧にしか思い出せない友人を殺しかけた。

 

 それが小学生の頃の話――そして現在へ。

 

 高校一年生と成った私は、転校生だった子と友人関係も結べて、更には同じ女子高校へと進めた。

 まさに人生百合色。

 そして友人関係を結んだ私の友人――結城ゆうき 華月かづきとの友人関係も、なかなか良好なもので、私の事を親友と思ってくれて要る……が、それじゃあ物足りない。

 私が思われたいのは親友じゃあ無い。恋人だ!

 『親友から恋人へ』どうしたら進めるのかが、私の悩み……。

 先程から教室で悩む私は、机に両膝をつき、組み合わせた両手の甲の上に、あごを置く。

 「――なぁーに、難しい顔してんのぉ? 桜井には似合わないよ」

 「誰が、お気楽バカ娘だコラッ!」

 「…誰もそこまで言って無いから」

 私の座る席の前に座る娘が、上半身を私の方へ捻って失礼な事を言って来た。相変わらず失礼な奴め……。

 

 この娘とは、高校で知り合い友人と成ったが……何故、この娘と友人に成れたのかが、今でも理解出来ない。

 この娘――牧野まきの 朋子ともこと私は、正反対なのだ。勉強がからっきし駄目な私だけど朋子は常に上位にいる。逆に、朋子は運動が駄目だけど私は、色々と校内記録を塗り替えた。

 「――ん? 私の事じろじろと見て、どうしたの?」

 外見が似ている訳でもなさそうだ。

 朋子は肩口まで伸びた髪にカールを入れて、顔の周りを描く感じだけど、私の髪は、腰までストレートに伸ばしている。

 「――いや、だから。じろじろと見てどうしたの?」

 「少し黙ってて」

 「解ったから睨まないで……怖いよ」

 私が、切れ長い目付きをしているから睨んでいる様に見えたらしい。失礼な奴め。

 

 私の目付きに怯える朋子だが、眼鏡を外せば私以上に鋭い目付きをしている。

 前に、私が朋子の眼鏡を貸して貰った時に、先生が朋子に話し掛けて来たのだが……振り向いた朋子の目付きに怯えていた。

 そして、そばで朋子を見ていた私も同様に、足が振るえていた。

 「――って、それか!」

 私達の似ているところを見付けた私は、両手を机に叩きつけて立ち上がる。

 「朋子、解ったわよ!!」

 だけど授業が始まったていたらしく、立ち上がる私を先生が見ていた。

 「桜井、お前――「はい、廊下で立ってます!」

 先に、私に言われた先生は、物凄く悔しそうな顔をしていた。

 

 ――放課後。

 

 「さようなら朋子」 「うん。また明日ね」

 笑顔で私に返事をする君だけど、私の言っている意味は違うのだよ…………この物語でエンカウント率が零に等しい朋子さん。

 哀れな友人に涙を流した私は、愛しの華月を求めてこの場を去る。

 

 ――1-A(華月のいるクラス)前。

 

 このクラスではホームルームが長い。何時も、それだけの話が出来る担任に、気に成った私も聞いてみたけど……パチンコ武勇伝だった。それも給料よりか儲けて要るらしい……。

 確かに副業じゃあ無いけど……いいのかなぁ?

 

 ホームルーム。もとい、パチンコ武勇伝が終わり、教室から出てくる生徒達が決壊したダムのような激しい流れをみせる……

 「昨日の店でいいの?」

 「あそこはダメ。設定が嘘だもん」

 「それじゃ、どの店?」

 「今日、先生が言ってた店は?」

 「よし、そこだ!」

 ……流れが去った頃には、流れに耐えられず倒された数人の生徒が、背中に足跡を付けていた。

 それにしても、先生からの影響すごいなぁ……。

 華月も影響受けているのか少し心配しながら、兵達が去った跡を眺めていた。

 

 それから少し待つと、教室から出てくる華月が手を左右に振り、登場を主調する。

 華月の登場に喜ぶ私は、それを顔に出さないように気持ちを抑えて、文句を言った。

 「遅いよ」

 「何時も待ってもらってるね。ごめんね――先生の話が長いんだよね」

 最初は、細い眉を寄せて困った顔をする華月だったが、直ぐに頬を膨らまし、薄い唇を尖らして怒りを表現する。

 華月のそれを私は、まるで愛らしい子供のように感じた。かといって外見が幼いという訳では無く、彼女の持つ様々な雰囲気が、私に、そう感じさせる。

 そして、そう感じさせる華月の事を私は、好きに成った。愛していると言っても構わない。

 だけど、心優しい少したれ目な私の天使がモテない訳がなく、昔からモテてしまう。

 そして惚れた大抵の奴が、『桜井舞わたしから守ってあげたい』って勘違いな奴。なんか私が悪者みたいじゃん!

 まっ、華月を奪う奴が現れたら、黙っていまへんけどな。

 

 「――どこ見てるの?」

 脳内暴走しかけた私は、華月の一言で返ってきた。

 「いや、ちょっと旅にね――って、華月ちゃん聞いてます?」

 遠くを見詰めて返した私の返事も華月は、慣れた様子で私の存在ごとスルーして先先と歩いて行く。

 でも、大丈夫! 私が焦りだせば、何時も待ってくれる。

 いくら怒っていても華月は、大体は許してくれる。だから、今回も私が焦りだすと……

 「待って! 無視しないで、私も一緒に帰る!!」

 「……次にバカなこと言ってたら、本当に先に帰るからね」

 ほらね、待ってくれた。

 

 それから私達は、帰路につく訳だが、この帰り道こそが私の戦いの始まりと成る。


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