web小説によくある「彼女のお腹の中には子どもがいるんだ」と、結婚も視野に入れていた恋人に言われたので
センシティブな内容です。
「彼女のお腹の中には子どもがいるんだ」
あ〜、馬鹿らしい。
婚約者が浮気して、相手の女性を妊娠させた。
そんな話、web小説で腐るほどある。その相手が婚約者の姉妹だなんて、よくあるよくある。
ここで姉妹格差の両親が譲ってやれとか言い出すんだよなー。
でも、同じ子どもができちゃったパターンでも、自称子どもができちゃったと言い出すパターンもあったんだよなー。
大概、勘違い女が「彼の子どもがいるの!」と言い出すパターン。
浮気していないから、処女懐胎擬きで妊娠しましたって、言い出すパターン。
姉妹の婚約者、寝取る性格って、この勘違い女並みにヤバい精神じゃないとできないよね。
と、現実逃避してみる。
「許してくれ、アズサ。この子には罪はないんだ」
とか、恋人がほざいている。
恋人とも子どもができる関係しておいて、浮気相手を妊娠させたから、別れてくれ?
あ。そういえば、姉妹の婚約者、寝取る話には妊娠は嘘だったって話もあったなー。
それに、本当に浮気相手がいて、妊娠したって、嘘ついていた話とか。
まんま、今の状況に当てはまるかも。
「・・・ごめん、マサシ。あたしにも子どもができたの」
「え“?!」
どうする、浮気男。
どうする、浮気相手。
勝ち誇っていた浮気相手の顔色がサッと悪くなった。
「だって、付き合っていたし、結婚の話もしていたよね」
「だけど、彼女は妊娠していて・・・」
「あたしも妊娠している。二股かけてたあんたが悪いんでしょ。どっちと結婚するの? 彼女? それとも、あたし? 結婚しないほうは中絶しないといけないから、早く決めて」
「え? 中絶って、いきなりなんで・・・?」
「馬鹿じゃないの? 結婚できるのは一人だけで、妊婦は2人なんだよ。妊娠は一人じゃできないから、子どもを殺す判断はあんたがしなきゃいけないの」
「だからって、なんで俺が・・・」
「後先考えずに浮気したあんたが悪いんでしょ。どんな避妊方法、使ったって、100%避妊なんかできないんだから、浮気さえしなければ、人殺しにならなかったのに」
「人殺しって、たかが胎児だろ」
「うわっ! クズ発言、頂きました! あんたがまだ胎児だったら、母親に言って中絶してもらうわ!」
中絶を人殺しだと感じていない時点で引く。
浮気しておいて、育てられない子どもできても、産めるように考える気もなければ、中絶が人殺しだって理解していないのが耐えられない。
子どもは玩具じゃないし、かけがえのないものだ。
自分の付属品でもない。
でも、どうしても、産みたくない子どもだっている。
だから、中絶する。
中絶をしてノーダメージの女性もいれば、人殺しになったとダメージを負う女性もいる。
犯罪の結果にできた子どもだって、中絶した後に女性が苦しむ例だってある。
浮気女がマサシの袖を引っ張って、注意を引く。
「マー君。この子、中絶しろだなんて、言わないよね」
「あたしも妊娠してんですけど、あたしに中絶しろっていうの。この鬼女」
「鬼女って、私のこと? ひどい、そんなこと言うなんて――」
「こいつと浮気した時点で修羅の道を選んだんでしょ。自分の子どもは大切でも、他人の子どもの命は摘み取るなんて、鬼女じゃない」
「マー君~」
「・・・」
浮気クズ男に泣きつく鬼女。
そうだよね。
浮気相手になる女なんて、自分のことしか考えていないから、他人の子どものことなんか一切、考えていない鬼女だわ。
鬼女でも、他人の子どもの命の大切さに気付いて、子どもの守護者になったのが鬼子母神。
所詮、浮気相手になるような、お花畑だし。
実際に、あたしに中絶しろって、浮気クズ男に強請っているから、鬼女だわ。
文字通り、鬼女。
「で、どっちの子どもを殺すの? あたしの? それとも、彼女の?」
「殺すなんて言うな! たかが、中絶だろ!」
「なら、彼女に中絶してもらって。たかが、中絶なんだから」
「「え?!」」
浮気クズ男と鬼女が驚く。
「驚くこと? だって、付き合っていたのは、あたしで、子どもができたから、別れようって、言われたんだよね? 同じ条件になったら、中絶するのは浮気相手の彼女でしょ」
「ひどい! 私に中絶しろって言うのね!」
「浮気しておいて、慰謝料、請求しないだけマシだと思いなさいよ!」
「・・・!」
「やっぱり、あんたみたいなクズの遺伝子、残したくないから、あたしが中絶するわ」
妊娠していないし。
その後、共通の知人から浮気クズ男と鬼女が結婚した後、また浮気クズ男が浮気して浮気相手を妊娠させて、離婚して再婚したらしい。
可哀そうに。その再婚相手もまた浮気されて離婚されるまで、あと5年だろうなー。




