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_________________________________________________________________________






「何これ」



ベッドライトだけがついた薄暗い部屋で、光っているスマホの画面に映し出されたのは怪しげな迷惑メールだった。最近何か変な通販サイトで買い物でもしたっけ、と画面をスクロールしながら思い出す。



『ルナ〜。もう寝る?』



同居している友人のシオリが眠そうに目をこすりながら話しかけてくる。



「あ、うん。そろそろ。はあ、明日バイト嫌だな〜。」



見ていたスマホをベッドに軽く投げる。そのまま両手両足を広げたまま、自分も同じようにベッドに身を投げた。ぼすん、という音が部屋に響く。



『それな〜。明日起きたらアイドルになってるとかない?』



シオリは二段ベッドに登りながらバカみたいな話を広げる。みし、みし、とハシゴを踏む音を聞きながら、現実が迫ってくることを思い知らされる。湿気の多い部屋にはオタクのため息が満ちていく。



「おやすみ」



その一言と共に、カチッとベッドライトを消せば、暗闇に会話は消えていった。






・・・






パチン、と指が鳴る音がして、目を開けた。



『ようこそ!お待ちしておりました!』



真っ赤なカーテンが掛かった洋風の劇場のようなところで、私は座り込んでいた。


どこからか聞こえてくる景気のいい男性の声が不気味で、心がゾワっと逆立つ。



『宇田川 ルナさん。エントリーナンバーは、19番。』



後ろを振り向けば、黒いタキシードを着た吊り目の男が立っている。


男はコツ、コツと音を立てて私に近づいてくる。


私はすぐに立ち上がり、後退りするが、彼は私の右手首を掴んだ。



「誰?」


『そう警戒しないでくださいよ。先ほどご案内をお送りした【愛$ゲーム】番組プロデューサーの逆田と申します。』



逆田と名乗る男は掴んだ手首を離して、手のひらを返す。



『あなたの才能を活かす場所へ、ご案内します。』



彼の釣り上がった細い目を覗くと、小さな流れ星がいくつも見える。チカチカと視界がゆらぐ。


これが夢であることを祈りながら、私は気を失った。

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