表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サトシ先生は美しき十代の乙女に手を出さない  作者: 白神ブナ
第二章 一年二学期

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/273

第76話 女生徒SIDE:生徒指導室


 二学期の期末テストが終わり、テストが返却された。

サトシは英語のテストを生徒それぞれの名前を呼んで、一言添えながら返却していた。


「桜井美柑」


「はい」


「今回は頑張りましたね。この調子で頑張ってください」


「ありがとうございます」


英語のテストは78点だった。

桜井にしてはかなり頑張った点数だ。

だが、桜井の表情はあまり嬉しそうではなかった。

サトシはそれが気になって、声をかけた。


「桜井、あとで職員室に来なさい」


「はーい」


桃瀬も桜井の浮かない表情に気が付いた。


「美柑、どうしちゃったの? あれから、先生のお母様に何か言われたの?」


「別に」


柚木は、桜井の暗い表情にむかついていた。


「また始まったわ。美柑のメランコリー。どうせまたサトシ先生とうまくいかないのとか、言うんでしょ。いつものことよ」


「柚木くん、言い過ぎよ。美柑だっていろいろ大変なんだから」


「わたしだって大変よ。みんなが愛だの恋だの言っている間も、ずっと走り込みよ。わたしだって青春したいわ」


「柚木くんは、駅伝に青春を賭けてるじゃないの」


「ハルちゃん、やめて。わたし駅伝なんかより恋をしたいのよ!」


すると、夏梅が桃瀬と柚木を注意した。


「はい、そこ。柚木さんと桃瀬さん! 先生の声が聞こえないわ。静かにして!」


「夏梅、あんたも青春してるんでしょ。知っているわよ、白金祭で若狭くんとLINE交換をしてるとこを見たんだからね」


「ハルちゃん、それ本当? あのダンスの後、わたしが写真撮影に応じている間に、こいつ……」


「ホホホホ、嫌だわ。しかたなくよ、しかたなく交換したのよ。モテる女はつらいわね」


「くっ! ほんとムカつく」





 休み時間になった。

言われた通りに、桜井はサトシの後について教室を出た。

サトシの後ろついて廊下を歩くと、いろんな生徒がサトシに挨拶して通り過ぎていく。


「サトシ先生、こんにちは」

「あ、サトシ先生だ。かっこいいー!」


(ああ、サトシ先生って、こんなに人気あるんだなぁ。みんな、サトシ先生が好きなんだわ。あ、わたしもその中のひとりか)


サトシは生徒指導室と書かれた部屋のドアを開けた。


「あれ? 先生、ここ職員室じゃないよ。生徒指導室」


「そうだよ。他の先生に聞かれてはまずいこともあると思うから、ここにします」


サトシは、生徒指導室の灯りをつけると、椅子に座った。


「桜井、座りなさい」


「わたし、ここで叱られるんですか?」


「叱らない。話をするだけだ」


桜井が、サトシと対面する形で椅子に座ると、サトシは切り出した。


「桜井だけ、進路調査票が出ていないんだが」


「あ、すみません。ほら、やっぱり叱るんだ」


「違う。心配しているんだ。何か困りごとでもあるなら、聞くぞ」


「……」


「せっかく、成績が上がり始めたのに、ちっとも嬉しそうじゃない。最近、ちょっと変だぞ」


「……」


「もしかして、俺の実家に週一で来るのが負担になっているんじゃないのか?」


「……」


「やっぱり、そうか。あれはレイコ姉さんの思い付きなんだから、無理して来ることはないんだぞ」


「先生、わたしの作ったご飯って、ちゃんと食べてますか?」


「ああ、毎週おいしく食べているよ」


「そう、よかった」


「親父にも、週一回ぐらい家で食事しなさいって言われてね。桜井のおかげで、親父との仲も自然に戻りつつある」


「それは、本当によかったです」


「だから、もう無理に週一で通わなくても。レイコ姉さんには、先生から言っておくから」


「いいえ、お母さまに気に入ってもらうまでは続けようかと」


「え? 母さんに何か言われたのか?」


「佐藤家に来るなら学歴と美貌が必要だって。そのためには、わたし英語だって頑張るし、ダイエットしてきれいになりたいし……あれ、わたし何言ってるんだろう」


そこまで話すと、桜井はサトシの実家と、自分の家庭環境に雲泥の差があることに気がついた。


(いくら頑張っても、大学に進学する教育資金なんかきっと母に出してもらえない。先生のお母さまが言うような、高学歴の美女になれるわけがないんだわ)


「いいえ、やっぱり訂正します。いいんです。もうやめます。もう実家に伺うの、やめます!」


「桜井? どうした?」


「あの、進路調査票、申し訳ありません。もうちょっと待ってくれませんか」


「いいよ。もし遅れても、先生の家に直接持ってきてくれてもいいから」


「ありがとうございます」


「相談したいことがあったら、いつでも言いなさい」


「はい、ありがとうございます」


いつもより素直すぎる桜井の態度に、サトシは返って心配になった。


いかがでしたでしょうか。


「面白い! サトシ先生が気になる」

「この続きはどうなるの? この先の美柑を読みたい!」

「サトシ先生、更新したら通知が欲しいです!」

「先生、応援の仕方を教えてください」


「では、先生から応援する方法を教えましょう。

面白いなぁと思った生徒は、こんな方法があるからよく聞くように。

ブックマークや、『☆』を『★★★★★』に評価して下さると作者のモチベーションアップに繋がります。はい、ここ重要ですからね。テストに出まーす!わかりましたかー?」


「はーい」


「よろしく頼みますよ、みなさん」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ