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サトシ先生は美しき十代の乙女に手を出さない  作者: 白神ブナ
第二章 一年二学期

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第58話 ある日突然友達は大人に?

挿絵(By みてみん) 


ピピ、ピピ、ピピ、ピピ……


 目覚まし時計が鳴った。

サトシは、うつぶせのまま目覚まし時計を止めた。

ねぼけ眼で時間を見て、ぶっ飛んだ。


「やっば! 寝過ごした! とりあえず学校に電話しなきゃ」


ベッドから飛び起きて、スマホを手に取ったが、隣に人の気配を感じ視線を横に動かした。


「桜井? ……か?」


起きた時間にも驚いたが、隣に桜井が寝ていることに、サトシはもっと驚いた。


(ええええええーーーー! 俺は生徒と過ちを……、いや待て、桜井も俺も昨夜の服のままで何も乱れていない。これは、単に寝ただけ?)


激しく動揺したサトシだったが、とりあえず学校に遅れる旨の連絡をした。


「すみません。佐藤サトシです。うっかり朝寝坊をしてしまいました。遅れます。申し訳ございません」


サトシの声で、桜井は目を覚ました。


「……」


「えっと、さく……らい?」


「……、キャーーーーーー―!!! ちょっとー! ナニコレ―!」


「落ち着きなさい。服は、服は着ているから、何もしていない」


「服、そうよ服! 服が無い!」


「いや、ちゃんと着ているって。落ち着いて」


「そうじゃない! 制服が無い! 家に帰らないと制服が無いのよーーー!」


「桜井!」


桜井は、サトシと目を合わすこともなく慌てて家を飛び出して行った。



桜井が出て行ったあと、サトシは冷静に昨夜のことを思い出そうとした。


(あれから、そうそう、日本酒を飲んで歌で盛り上がって、桜井はたぶん水と間違えて日本酒を飲んで酔いつぶれたんだ。そのあと、桜井をベッドに運び……俺も酔いつぶれて寝た。

なんだ、何もないじゃないか。たぶん……)


桜井は制服に着替えるため自宅に帰ったのだ。


挿絵(By みてみん)



 そのころ、職員室では……


「サトシ先生、寝坊しちゃったみたいですよ」

「ああ、やっちゃいましたか。そっかー。正直ですね」

「HRは誰か代わりに出られますかね。古松川先生はB組があるから無理か」

「仕方ありません。教務のわたしが出ましょう」

「五十嵐先生、お願いしていいですか?」

「まぁ、生徒たちにはうまく言っておくから」




 ―女生徒SIDE


キーンコーンカーンコーン……


始業のチャイムが鳴った。

一年A組の桃瀬は、桜井がまだ来ていないのを心配していた。


「美柑、まだ来てないよね。柚木くん、何か聞いてる?」


「何も。あ、五十嵐先生が来たよ。サトシ先生じゃないんだ」


五十嵐先生は、黒板の前で出席簿をかざして、「みんな、静かにするように」と大きな声で言った。


「おはようございます。サトシ先生は他のお仕事の関係でちょっとだけ遅れます。では、出席をとります。相原……阿部……」


五十嵐先生は、一年A組の出席をとった。


「桜井……桜井? お、桜井が来てないな。休みか?」


出席を取り終わると、「今日の一時限目は、自習です」と言って、教室を出て行った。


五十嵐先生がいなくなると桃瀬は柚木と話し始めた。


「やっぱり、美柑ったら……。サトシ先生と美柑が揃って学校に来ないなんて、何かあったのよ……」


「え? ハルちゃんもやっぱりそう思う? そんなハルちゃんこそ、最近どおなのよ」


「どうって?」


「シラを切らないでよ。聞いてあげようとしてるじゃない。恋の進展具合よ」


「別に話したい事なんか何もないわよ。期待されてもね」


「ハルちゃんの彼氏、早く見せてよね」


「いないってそんな人。柚木くんこそ、夏休みに他校との練習試合で、知り合った人いたんじゃないの?」


「そんな人いないわよ。汗臭い男子なんて嫌いよっ」


「そ、柚木くんは潔癖症だもんね。ところでさ、意外なところで、夏梅なんかどうかしら」


「夏梅が? まさかぁ! だってあんなにくそ真面目……」


彼女たちの雑談を注意しながら、夏梅はきっちりクラスをまとめようと一生懸命になっていた。


「ほら、そこ無駄話はしないこと! 一時限目は自習よ。ちゃんと、みんなノートを提出してね! おしゃべりがうるさい人は報告するからね」



小声で柚木は言った。


「やっぱり、夏梅は無いわ。期待は美柑よね」


「そうね」


「さ、自習しよう、自習」


桃瀬も柚木の意見に完全同意し、桜井が一番乗りで大人になるに違いないと、面白半分で結論付けた。




 しばらくすると、夏梅が窓から外に向かって叫んだ。

夏梅は、校門から登校してくる桜井を見つけたのだ。


「桜井さーん! 今頃来たのー? ちゃんと職員室に報告してから教室に入りなさいよーーー!」


柚木と桃瀬は、投稿してくる桜井を確認するために、夏梅を横につき蹴とばして、窓からその姿を見た。


校庭を、けだるそうに歩く桜井の姿。

いつもとは違う、桜井の様子に、柚木と桃瀬は息をのんだ。


「もしかして……」


―ある日、突然クラスメイトは大人になっている。

いつもと違う、けだるそうな表情をして。


桃瀬と柚木は、夏梅の注意を無視して教室を飛び出した。


「桃瀬さん、柚木さん、自習だからって無断で教室出ないでーー!」


桜井の親友である二人は、廊下から昇降口までダッシュして桜井のところまでやってきた。


「みかーん!」


「どうしたのよー! こんな時間に登校して!」


「どうかしたの? 体の具合でも悪いの?」


「うん……。ちょっとね」


「ゆうべ、帰るの遅かったでしょー。昨日の夜、美柑の家に電話したら弟さんが、『うちの姉ちゃんは、事情があって出かけてます』って」


「ハルちゃん! それ、本当なの?」


桜井は、だるそうに答えた。


「うん、まあね」


いつもなら『そうなのよ! 聞いてよー』と返ってくるはずなのに、明らかに今の反応はいつもと違う。

桃瀬は思い切って勝負に出た。


「美柑、昨夜、サトシ先生と会ってたの?」


一瞬で桜井の顔色が変わった。


「やめて、聞かないで! サトシ先生となんか、何もないんだから。もう終わったのよ」


「ご、ごめん」


柚木は桃瀬にそっと耳打ちした。


「かなりいらだっているわ。やっぱり、ゆうべ、何かあったのよ」


桜井はうるさい桃瀬たちの追及から逃れるために、校舎の中へと駆けて行った。


「ちょっとー! 教えてくれたっていいじゃなーい!」


「ケチ!」


「わたしたち、美柑だけが頼りなのに! ね、柚木くん」


「ずるーい、自分だけ」


桃瀬は駆けて行く桜井の後ろ姿を見ていると、悲しくなってきた。


「自分だけ大人になっちゃうなんて、ひとりで先に大人への階段なんてを登るなんて、……わたしたち友達じゃないの」


「ハルちゃん……、わたしハルちゃんの事、誤解してたわ。ごめんなさい。興味本位で聞いているのかと思ってた」


「それもあるけど」


「謝罪を即時撤回」




 教室に入った桜井が席に着くと、今度は夏梅が寄って来た。


「ねぇ、ねぇ桜井さん? 今日のあなた、とっても変よ。体調でも悪いの? 言ってごらんなさい。学級委員長として相談に乗るわよ。ねぇ、何があったの?」


これは決して、親切心で相談に乗ると言っているのではない。

何気に夏梅も、昨夜の事情に興味があるのだ。

夏梅は桜井の目をじっと見つめて、返事を待った。


「……」


「お、同じ女として、相談にのってあげてもいいわよ!」


「うざっ!」


「え?」


「あっちに行ってよ夏梅。マジでウザいからやめてくんない? あんたに話す事なんか何もないわよ」


「くっ……ころ……」


夏梅は悔しくて窓側まで走ると、カーテンの陰で隠れてシクシク泣いた。

そんな夏梅の様子を見て、桃瀬はため息をついた。


「無理よ。わたし達にだって話してくれないのに、同じグループでもない夏梅になんか」


「きっと、わたし達と同じグループに入りたいんじゃない?」



すると突然、桜井は頬杖をつきながら深いため息をついた。


「ああああー」


桃瀬と柚木は、その声にドキッとして桜井を見つめた。


「あのだるそうな様子」


「きっと、昨夜のことを思い出しているんだわ。で、でも、昨夜の事って、いったいどんなことかしら……」


「柚木くん、あなたの想像通りじゃない?」


「え? ハルちゃんったら、何のことかしら、わたしわかんなーい」


「わたし達と違って、美柑はもう大人だから」


「なのに、ちっとも打ち明けてくれない……」


挿絵(By みてみん)


桜井は誰にも打ち明けることなく、再びため息をついた。


「はぁーー」



(言えるかよ。清らかなあんたらなんかに。

昨夜、サトシ先生の家で、ノリノリでロック踊って体が筋肉痛。おまけに未成年なのに飲酒して二日酔いで気持ち悪いのよ。しかも、先生と一夜を共にしたのに、ただ爆睡していただけなんて……清いあんたらになんか、とても言えないわ)


いかがでしたでしょうか。


「面白い! サトシ先生が気になる」

「この続きはどうなるの? この先の美柑を読みたい!」

「サトシ先生、更新したら通知が欲しいです!」

「先生、応援の仕方を教えてください」


「では、先生から応援する方法を教えましょう。

面白いなぁと思った生徒は、こんな方法があるからよく聞くように。

ブックマークや、『☆』を『★★★★★』に評価して下さると作者のモチベーションアップに繋がります。はい、ここ重要ですからね。テストに出まーす!わかりましたかー?」


「はーい」


「よろしく頼みますよ、みなさん」




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