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サトシ先生は美しき十代の乙女に手を出さない  作者: 白神ブナ
第十章 Wedding編

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第268話 結婚披露宴スペシャルムービー

「それでは、ご覧ください。スペシャルサプライズムービー!」


藤原先生と小松川先生が深く頭を下げると、会場の照明がすっと落ち、スクリーンが明るくなった。

画面に浮かぶのは、校章をバックにした金色の文字。


『祝・結婚披露宴スペシャルムービー!』


続いて、スライドショーのように学校の外観、教室、職員室、体育館などのカットが映し出された。


【職員室/作戦会議】とテロップが出た。

放課後の職員室。いつもよりテンションが高い先生たちが会議テーブルを囲んでいる。

ホワイトボードには手書きで、「祝!サトシ先生 結婚式 余興会議」と大きく書かれている。

全員で、余興では何をするべきか、職員会議を開いていた。


校長先生「あの二人が結ばれる日がついに来たか…盛大に祝ってやらねばのぅ」

五十嵐先生(副校長)「予算はありませんが、愛ならあります」

青柳先生(数学)「僕の存在確率はゼロに近いと思っていたのに……」

大山先生(体育)「よし! 隊列だ! 隊列組もう!」

工藤先生(英語)「I think… we need a dance? Maybe.」(たぶん…ダンスが必要だと思う)


挿絵(By みてみん)


【裏方からの愛】とテロップが変わり、白金女子学園で働く人たちへのインタビューが映った。

購買部のカウンター前で、焼きたてメロンパンを片手に、購買部のおばちゃんがカメラに向かって喋っている。


購買部おばちゃん「あの子、いつも焼きたてメロンパン2つ買ってたよ。片方はサトシ先生にだったのかねぇ〜ふふ。お幸せに!」


インタビュアーの生徒の声だけ聞こえた。


「え、美柑先輩って、毎日お弁当でしたよ」


購買部のおばちゃんは、切り返した。


「毎日早弁してたんでしょ? 多いのよ、そういう生徒」


続いて、用務員室にて。


用務員のおじさん「バレンタイン禁止で早朝にチョコ持ってきた子だろ? 覚えてるよー。おれが、こっそりサトシ先生の机に置いてやったんだ。あれが成功したのかな。……あと、サトシ先生がこっそりこのモップを持ちながら、振り付けの練習してたの見たことあるよ。余興、期待してるよ!」



テロップ【秘密のリハーサル】

音楽室でピアノを弾く音楽の赤川先生、隣にはストップウォッチ片手に振り付けを指導する体育の大山先生。


大山先生「ステップはこう!キメ顔忘れるなよ!」


緑川先生(理科)「動きはエネルギーです!」

白衣姿で力の方程式をホワイトボードに書いていた。


美術の先生はカメラチェックしていた。

「光の角度、もう少し……よし、美しい!」


背景のホワイトボードには、「Secret Training」(秘密の訓練)と書かれている。

この動画では全容を明かさないことを示唆していた。

訓練の途中で、「本番よろしくお願いします!」と体育教師の大山先生が気合を入れると、校長先生(住職)が後ろでこっそりダンスの練習してるのが映りこみ、会場は大爆笑した。


次の画面は、テロップ【訓練をサボる者たち】

若手の数学教師、科学の教師、日本史の教師たちが、学校の中庭でサボっているシーンが映し出された。

生徒のナレーションで「すみません。密着取材中、見てしまいました。公開します。これって公開処刑って言うのでしょうか」


挿絵(By みてみん)


会場はここでも大爆笑。



テロップ【メッセージリレー】

画面が切り替わり、教職員がひとりずつメッセージを送る映像が映し出された。


校長「桜井さんを見ていて、愛とは何かを学びました。仏の教えに通ずるものが…」

『校長の話が長いのでフェードアウトします』と、テロップが流れた。


養護教諭「あの子、具合が悪くなると、よくサトシ先生がここに運んで来たのよ。保健室で泣いたり笑ったりして…。大人になったわねぇ。うっうっ」


塾からの臨時講師「You guys are meant to be!」(君たちは運命の人だよ!)



テロップ【全員ダンス】

ダンスの曲名は流さないが、BGMとしてピアノアレンジのインストVer.が流れていた。

アップテンポな音楽が流れているように、全職員で「1,2,3,4! 1,2,3,4!」と掛け声だけで練習している風景が映し出された。

校庭、教室、職員室、理科準備室、中庭など、校内のあらゆる場所で踊る先生たち!

住職である校長は、木魚を叩いてリズムをとる。

五十嵐先生は、手拍子と指揮役。

中庭で練習をさぼっていた先生たちも、最終的に練習に参加している様子が撮影されていた。

用務員さんがモップでターン。

購買部おばちゃんが焼きたてメロンパン片手に踊る。

赤川先生は、ラストにピアノソロでサビを盛り上げるような映像だけ。

最後は、全教員が校舎の前に集合し、カメラに向かって笑顔でポーズ!


挿絵(By みてみん)


そして、画面は、職員室や教室の窓から差し込む夕日と、校舎前での全員集合シーンのスローモーションカット。


最後に【エンドロール】が流れた。

\ Special Thanks /


To Mr.Satoshi & Ms.Mikan

May your life be full of happiness and love.

(サトシ様、ミカン様へ

お二人の人生が幸せと愛に満ち溢れますように)


――

CAST

教師陣 … 白金女子学園のみなさん

購買部のおばちゃん … 本人

用務員のおじさん … 本人

友情出演 … 校長先生(&木魚)



DANCE TEAM

元3年 担任チーム

体育教師 & 美術教師 & 養護教諭 etc.



CREW

撮影:放送部有志

照明:物理部 × 化学部

衣装:被服部

美術セット:美術部



制作協力

白金女子学園生徒会有志

English Club

校内放送局「Radio Soaring」

校庭ドローン班(許可済)



Directed by:在校生一同

Edited by:放送部3年 引退メンバー

Supported by:PTA & 教職員



From All of Us… Thank You for Letting Us Be a Part of Your Story.

(私たち全員から…あなたの物語の一部にさせていただきました、ありがとうございます)


一度、画面がフェードアウトした。

そして、最後に一枚の黒背景に、生徒たちの手書きで白い文字で静かに浮かんだ。


“サトシ先生、美柑先輩!

わたしたちの憧れです。”



まさか 在校生がここまで準備していたとは思わず、二人の涙腺が崩壊した。

後輩たち、教え子たちの成長と気遣いに、桜井もサトシも胸がいっぱいになり、ハンカチで目元を押さえていた。


映像終了後、レイコ姉さんは静かに言った。


「なお、撮影は放課後にこっそり行われたそうです」


その言葉に、ゲストは感嘆の声をあげ、会場は拍手に溢れた。



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