淑女?の意味不明な戦い開幕!
ささやき声はするものの概ね静かになったサロンを、背筋を伸ばしてゆっくりと歩く。
顔にはやり過ぎない程度に微笑を装備し、周りの方に目線でご挨拶しながら、ゆっくりゆっくりたどり着いたのは、おかあさまとお義姉さまのおそば。
それまで2人を取り囲んでいた方々がさーっと脇により、にっこりと見渡してお礼をのべたあとに2人に歩き寄る。
「来たのね。皆さま改めて我が家の愛らしき次女ライネリアですわ。どうぞお見知りおきを。」
すでに名乗りを終えているため、わたしはもう一度軽く淑女の礼をとるにとどめた。
すると早速、おかあさまと懇意にしているご婦人方からお声がかかる。
お披露目の寿ぎから始まり、やはり昨日と今日のドレスについての質問もあった。
それについてはドレスを作ってくれたお店の説明まですることになったが、想定内である。
さてさて、気になるのはイヤ〜な視線。
ご婦人方に囲まれている私には近付けないからなのでしょう、余計に敏感に感じてしまいますなぁ〜。
サロンの奥に集まった年若い令嬢の数人から殺気ほどではないものの、敵意とは呼べそうな視線を浴びせられております。
もちろん私が感じるほど強いのですから、おかあさまをはじめ家族は全員気が付いていますが、敢えて無視してくれている様子です。
ようするに私にすべてお任せいただけると言うことだと理解しました。
「リリ、ロロ。そろそろお話をしにいきますよ〜♪」
なんだかちょっと楽しくなってきた私を、後ろからぴったりとついてきたバロックが呆れたように見てきます。
リリとロロとバロックを引き連れて、敵意を向けてきた令嬢たちの集まる場所に向かいました。
それに気づいた令嬢たちはさすがに戸惑ったようでしたが、すぐにすました顔でこちらを迎える体制にうつったようです。
さて、始めましょうか。
「ごきげんよう。わが辺境伯領にようこそお越しくださいました。辺境伯家が次女ライネリアでございます。」
まずはきちんとご挨拶から。
先制攻撃するべきか悩んだのですがあちらの出方を見ることにしました。
「ふふっ、ご丁寧なご挨拶をありがとうごさいます。
お小さいのにずいぶんとしっかりされているのね?」
いくぶんか年かさのフィーナねえさまほどの年のご令嬢が集団のリーダーのようです。
なぜか名乗ってはいただけませんでしたが、後方のバロックからのつぶやきで子爵家のスカーレット様と。
その両脇は取り巻きの男爵令嬢と子爵令嬢だそうですが、名前は忘れました。
その奥に昨日お会いした伯爵令嬢マルガレーテさまもいらっしゃいました。
まるで取り巻き令嬢たちに守られるかのようなご様子です。
なんかムカつく、ここは我が家のサロンなんだけど?
ねぇ?どう思うリリ?ロロ?
『どうって、何したいのネリ?』
う〜ん、どうしようかな〜?
「あら?やっぱりまだまだお子ちゃまなのね〜褒めて差し上げたんだからお礼くらい言えないのかしら?ねぇみなさん。」
子爵令嬢スカーレットさまの言葉に令嬢集団からは高らかな笑いがおこりました。
その笑い声はサロン内にずいぶんと響いたようでしたが、それを契機にリリとロロが厳戒体制に入りました。
唸り声を上げて牙を剥くロロと翼を広げて威嚇の声を上げるリリ。
主を貶されたと判断した守護精霊たちが本気で怒ったようです。
焦った令嬢たちも慌てて自分たちの守護妖精を呼び出しますが、こちらは妖精の上位種である精霊です。
敵うはずがありませんし、そもそも闘う対象にすらなりませんので、呼び出しに応じた妖精達はすぐに大人しく座り込み幼子のように震えてしまいました。
バロックの撹乱術を使用するまでもありませんでした。
ほんの一瞬で形勢逆転ですわね。
「あらら、リリもロロもちょっと落ち着いて。スカーレットさまお褒めいただきありがとうございます。ですが、子爵令嬢であるスカーレットさまに辺境伯令嬢の私が笑われて黙っているとお思いでしたの?この事は全て辺境伯である父にお伝えしておきますね。子爵家の無事な存続をお祈りしておきますわ。」
と、まぁ何て言うか思いっきり前世で読んだ小説の悪役令嬢風にやってしまいました♪うん楽しい!
ちょっとガッツポーズしそうになったところで首謀者の登場です!!
さて、どう出てくるのかな?
読んでいただけて
ありがとうございます。




