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多分戻ってこないのでパーティーメンバーとともに急展開を乗り越える!

ここは…どこだ?

さっきまで家の中にいたはず。

なのに外にいる。

ぼんやりと映る景色は見たことがある気がするが足を運んだ覚えはない。

背中が、チクチクするな……地面に寝ているのか?

家で寝ていた覚えはない。

なんだ、痛い!

腹が殴られたように痛みがする!?


「ぶはっ!?」


急に苦しさが胸を通り呼吸が加速する

「はぁーっ!はぁーっ!!」


声に出るほど息を吸って吐いた。


「メルシー!!ガイナスの意識が戻ったよ!!」


メルシー?ガイナス?誰のことだ?


「本当!?なら逃げるわよ!こんなとこ命がいくつあっても足りないんだから!」

「ガイナス!立てる?」


女の声?がする。

視界もしっかりしてきたので周囲を見回す。

空はなく上は岩盤、辺り一帯から洞窟と判断できる。

ガイナスに該当するような人物は確認できず自分以外にはそれらしい人物はいない。


「聞いてるの!大丈夫!?」


声の主の呼ぶガイナスとは自分のことでいいようだ。


「……ぁ、あぁ。」


「じゃあ早く立ちなさい!ここにいるとまたあいつがくるわよ!」

「……」


俺は言われるまま立ち上がる。

体が重い、何だこれ?鎧?

それに手に握っていたのは剣か?


「ふぅ……。まったくもう!ガイナスが無茶しすぎだから私達も巻き添えくらったんじゃない!ちょっとは反省して!」


えらく不機嫌そうな顔をしている。

この女は俺を知っているのか?


「ごめんねガイナス!でもメルシーのおかげで助かったんだよ!ありがとうメルシー!」

「でももう限界!今の私達ではあのロックドラゴンを倒すなんて無理だわ!」


メルシーと呼ばれた魔女の格好をした人が自分の手を引いて走る。

ロックドラゴン?

あのドラゴンか?

ドラゴンなんているわけないだろ?


「やっぱり討伐にキマイラ選ばなくて正解だよ!」


キマイラ?ライオンみたいなモンスターだったはずだ。

そんなことより俺はどうしてこんなところにいるんだ?


「おい、一体なにを……」

「そんなもの後!今はとにかく逃げないと!アイツは縄張りから出ると無理して追っては来ないのよ!」


後ろを確認すると岩のような鱗?を覆った大型の爬虫類らしきもの、ドラゴンが雄叫びをあげて追ってきている。


「わかった!行こうガイナス!」


そう言うと二人は俺の手を引き走り出した。


「ちょっ!待て!手を離せ!」

「ダメ!まだ完全に治ってないでしょ!」


引きずられるようにして走った先には強い光が見えた。


「もう少しの辛抱よ!『マッドトラップ』!」

「メルシー!魔術はもう使っちゃ……」

「でもしょうがないじゃない!」


後ろを確認するとドラゴンの走る速度が目に見えて下がってるのが見えた。

ドラゴン周辺の地面が濡れて泥になり追跡速度が落ちていたのだ。


「もう縄張りの外に着くわよ!」


洞窟駆け抜け眩しい光の元へ突っ切る。


洞窟より明るい外では彼女達の姿がより視認でき、自分をガイナスと初めて呼んだ少女は短めの茶髪で

紫色の瞳をしていた。

気づかなかったが背に一人背負っているが白く長い髪に黒いローブを着ていたが誰なのかわから……待て、なんだか見覚えがある。

会ったことなどないけど。

魔女の格好をした人がメルシーと呼ばれてた。

自分は暫定ガイナス。

ならそこの二人は……まさか!……ッ!?」

思考が加速する。走馬灯のように記憶が流れていく。

これは俺だけの記憶じゃない。

誰かの記憶だ。

だがそこに頼らなくてもわかる。

到達した答えが……


「……リリィ、シルヴィア?」

「ん?ガイナス?……あっ、シルヴィーちゃんならちゃんと生きてるよ。」

「……はい、生きてます。リリィさんもありがとうございます。」

「助け合いが大事だからね!」


シルヴィー……いやそうだった。

茶髪の方の少女、リリィはシルヴィアをシルヴィーと呼んでた!

もうこれで確信した。


「追放モノのやつかぁ……」


3人に聞こえない声量で呟いた。

今の自分の体は本来ガイナスという人物であり関係ない私がなぜかこの体を動かしている。

彼の役割は簡単、主人公を無能と決めつけパーティー追い出しなぜか落ちぶれ他のパーティーメンバーに見捨てられる。

そして復讐と言ってかつて追い出した主人公に言いがかりをつけ襲うが軽くあしらわれ最終的には人間を辞めて再び襲いかかるが『考えるのをやめた』をさせられる。

つまりガイナスはこの物語の主人公ではない。

そしてシルヴィア、彼女は主人公(名前忘れちゃった)追い出したあとの代替要員として加入したはずだから既に主人公は追放済みかぁ。

3人揃って顔面偏差値高いのはガイナスの趣味だったはず。

今更ながらに気づいたがガイナスはイケメンの部類に入る顔つきをしている。

それにしても……


「なんで私はここにいるんだろう……。」

「ガイナス!何ブツブツ言ってるの!?」

「いや、なんでもない……。」


今はロックドラゴン討伐失敗のとき。

つまり主人公が抜けて時間軸は割とすぐくらいか。

確かこの後、主人公がやってきてロックドラゴンは倒されるはずだが……


「…………」

「ガイナス?どうしたの?早く逃げようよ!」

「あぁ、すまない……。」

とりあえず逃げるか……。

ーーーーー


「ねぇガイナス!どうしてあの時あんな無茶したの?ガイナスは回復魔術使えないでしょ?」

「そうよ!私達がどれだけ心配したと思ってるのかしら!」


リリィ、メルシーが目に見えて怒っているのがわかる。

すまないがガイナスに聞いてくれ。

自分はガイナスの体に入り込んだ別人だ。

だがそれでは二人は納得してくれない。


「……ごめん。でもあの時はああするのが最善だと思った。」


それらしいことを答えて誤魔化す。


「……?……それで死んだら元も子もないでしょうが!」

「うん、本当にそうだね。」

「もう!次からは気をつけてよね!」

「……わかったよ。」


そういえばガイナスはこんなキャラじゃなかった気がする。

もっとこう……なんかアホというかすぐ頭に血が上るような感じではなかっただろうか?

さっきリリィが次から気をつけてといった。

まだパーティー解散展開までチャンスはあるみたいだ。


「二人とも!見て!町が見えるわ!」

「やった!これで少しはゆっくりできるよ!」

「……そうだな。」

「ふぅ、やっと着いたね!」

「えぇ!お疲れ様!今日は討伐失敗を報告してからゆっくり休む!明日はギルドに行って依頼を確認しましょう。」

「あぁ、そうする」


……やっぱりガイナスはこんなんじゃない。

逆にアイツここで本来、強がって遠回しにシルヴィアに原因があるようなこと言ってた。

どんなメンタルしてるんだよ?


冒険者ギルドで依頼の失敗を報告するとき失敗のときの補償費とかでお金を取られる、とガイナスの知識にあったがどうやらドラゴン討伐となると命のリスクから払う必要はないとのこと。


「……シルヴィーちゃん?」

「……はい。」

「大丈夫よ、そんなに思い詰めないで。」

「ありがとうございます。……でも私が足を引っ張ってしまって……すみません。」


彼女が最初にロックドラゴン戦で負傷し戦闘不能になったらしく落ち込んでいた。

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