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終焉・新時代

シアンと一つになった俺は、真矢達がいる場所へと猛スピードな勢いで飛び上がっていく。


ただ、ひとつだけ失念していた事があった。それは……


「む…がはぁ〜〜⁉︎」


「あ」


「「……え?」」


「「……へ?」」


[俺(禅内仁)は急には止まれない]


咄嗟に奴目掛けて蹴りの動作を行なった訳なのだがその結果、俺は羅刹道成を上空の彼方へと吹っ飛ばしてしまったのだ!


全員「えーー⁉︎」


「正直、俺が一番驚いてんだけど…」


「……フム」



禅内仁が想定外の結果をつくってしまい戸惑い始める一方で、ただ一人マスター・ゼノンだけが大気圏を突き抜け、宇宙空間にまで飛ばされてしまった道成を落ち着いて眺めていた。

まるでまだ終わっていないかのように……


果たして彼は、この地上に戻って来ることができるのであろうか?


「かはっ!…あ…」

大気圏を大きく突き抜けていった羅刹道成は呼吸ができず、宇宙空間の中でもがき苦しんでいた!


(ぐ!こんな形で終わりを迎えるとはなんとも無様な事だが、まあ良いか……これでキューと会えるというのならそれでよしとしておこう。とは言えあの小僧め、よくもやってくれたわ‼︎)


予想外の結果で退けられた事にいささか不満を覚えるも、後悔という言葉を言うだけの資格は既に持っていないと自覚している。

故に彼は、己の死を快く受け入れようとしていた。


だがそんな時、彼は薄れゆく意識の中にひとつだけ願った…


(せめてもう一度だけ、キューの声が聞きたい…)

道成がそれを願うと、彼の周りには半透明な光の球体が現れ、[彼女]の声が聞こえ始める。


それと同時に、どういうわけか呼吸ができるようになった!



「道成…ん、道成さん!」


「う……その声はもしやキュー、なのか?」


「そうですよ?お久しぶり…と言うには少し変な気持ちですが。」

若干苦笑いでもしてるんじゃないだろうかと思えるその声を聞いた彼は、色々思うところはあれども彼女の声を聞く事にどこか満足していた。


「本当に生きてくれていたのだな?死ぬまでずっと会えないと考えていた…」


「そうですね……あなたの魂と一つになったあの日から今日に至るまで、あなたがこれまで行ってきた事…考えていた事を見聞きしてきましたから」


「…キューは恨んでいないのか?私は人間にも、お前の同胞であるガイダーをも汚い方法で手にかけてきたんだぞ。」


「許すも許さないもないです!確かに私の同胞はもちろん、全てのガイダーと人間達をその手にかけ続けてきたあなたを見ているのはとても心が痛かった。

でも、今の時代を生きるガイダーと人間達の姿がどんなものかを知る事ができたのは、あなたが最後に取り込んでいたベルゼルのおかげなんですよ?」


「ベルゼルのおかげだと?」


「ええ。道成の中に吸収された彼はあなたの心奥深くに眠っていた、深い悲しみの記憶を見ていた事を聞きました。」


「…私は最初、闇属性であるあいつの力を完全に取り込む為、わざと[あの時]の記憶を見せつけ精神崩壊状態になるのを見計らい吸収するつもりでいたんだがな。

そういう事か……キューが拾いあげていたのだな?」


「そうです。道成今なら間に合いますから、マスター・ゼノン様と周りにおられる方々に今すぐ謝りに行きませんか?」


「ダメだ。私は既に謝っても許されない事を今日までたくさん行ってきた!故にできることはただ一つ…己の悪行を完全に裁かれる為彼らと戦った後この命を絶つ!」

それが唯一彼に残された贖罪である事を、羅刹道成は受け入れていたから。


「そうですか……では仕方ないですね?こうなったら私もあなたと共に戦いましょう!」


「何を言うか⁉︎過ちの報いを甘んじて受けるべきなのは私だけだ!キューまで付き合う必要はなかろう?」


「バカな事をおっしゃわないで下さいな!一体何のために今日まであなたの魂と一つになって、命を繋いで来たと思ってるんです?」


「うっ‼︎」


「あの日から私の思いは一切変わってはおりません!あなたを愛するが故に、こうして同じ時を過ごして来たのですのにあなたときたら……」


「分かった!もう分かったからそんな長ったらしい説教を今しないでくれんか…本当に昔と変わらんなキューは。」


「……むぅ〜〜!」

強引に話を打ち切られて、若干不満気味な声をこぼすキュー。


「もう。その言い逃れのしかたをされているあなたこそまったく変わっておりませんよ?ふふふ!」


「ふふふふ…そのようだな。」


「いきましょう道成。二人で共に!」


「ああ、行こうかキュー」

二人の心が完全に一つとなったその時、なんと二人も絆の覚醒によって一つの存在の姿となった!


「こ、これは⁉︎あの者らがやっていたのと同じ?一体どうなった!」


「すごいですね道成!全身が黄金色(こがねいろ)に染まっているその姿‼︎」

彼の変身後に放たれるその眩い光は、地上のどこからでも見える程強い輝きがあった。


「こんなことが自分の身に起きようとは!私は何故、こんな素晴らしい力を知らずに今日まで過ごしていたのだろう。」


「嘆くのはその辺に致しませんか?今なら何があっても怖くないでしょう。」


「…ああ、行こう!」

道成は自らの体を、禅内達がいる方向へと向けて勢いよく降下して行く!


「ヤレヤレ……上ニイル道成達モ愚カ者ダガ、コノ者ラモ大概ナコトダ。」

同時刻、宇宙に突き上げてしまった禅内仁は自身のように変身していた彼らから苦情の嵐を受け続けていた……

その口論を聞きながらマスター・ゼノンは苦笑いを浮かべつつも、天高くから近づいて来る彼らの事をじっと見つめ動きを捕捉する。



「兄貴!何勝手に一人でアイツを終わらせてんですか⁉︎もう少し俺らは戦いたかったんすよ?」


女子達「ブーブー!」


「んな事言われてもなぁ…あのまま俺だけが奴の隣を突き抜けちまったら、[ただの鉄砲玉]じゃねぇか‼︎」


「何言ってんすか!兄貴なら余裕で戻れますでしょう?」


「無茶苦茶言うな‼︎」


「オ主ラヨ口論ハソコマデダ。奴ガ間モナク戻ッテクルゾ?」


「えっ⁉︎」


「こちら光風…禅内君!それにそこにいるであろう者達も聞いて欲しい事がある!あの羅刹道成はまだ生きている上に、更に変身して地上に戻って来ているようなのだ‼︎

ただちに身構えておくように!」

俺達が光風指揮官からの通信を聞きふと上空を見上げてみると、黄金色をした光の塊が凄まじい勢いで近づいてきている事に気づく。


「良かったなみんな…どうやらまだ終わらせてはくれないみたいだぜ?」


「へへ!今度はもう吹き飛ばさないで下さいよ?兄貴!」


「分かってらぁ…行くぜみんな‼︎」


「おお!」

俺達は一丸となって、上から急降下してくる道成を迎え撃つ為全力で飛び上がった!


「俺があいつの勢いを殺すからみんなも続いてくれ!」


真矢達「了解!」


「援護は任せろ兄貴…おらぁ‼︎」


「むぐっ!……また土玉を飛ばすかあの小僧め‼︎」

道成は最初に倒す相手を幹太に変えて、突っ込んでくる。


それを確認した俺は幹太を庇うように奴の前に立ちはだかる為、勢いよく突進する事にした!


「やらせっかよぉ‼︎」


「む!…うおおお‼︎」

幹太を庇うために正面についた俺にむけて、まとめて蹴散らそうと考えたのか、更に勢いをつけて俺を迎えうつ羅刹道成。


彼らが全力で衝突したその刹那、空と地上も震えているのではと思えるほどの激しい音が、この地を中心に木霊していた…


「ぐ、ぬぬぬ‼︎」


「う…おおお‼︎」

一瞬道成方が力強く押していたが、俺は突き飛ばされぬように粘り続ける。


なぜなら[彼女ら]がすでに近くまで来ていたから…


「「道成〜‼︎」」


「力を合わせて行こう?礼奈!日笠さん‼︎」

3人の女剣士達が来るのを見た俺は、すぐさまその場を離れた。


その直後、入れ替わるような形で今度は彼女達が道成と対峙する!


「ぐぁ〜‼︎な、なんだこの切れ味は⁉︎降下している時に見た木刀の物とはとても思わな……いや待て、そんなことあり得ん‼︎無属性のガイダーが何故!」

少しずつ3人の猛攻を捌き切れなくなっていく道成は、彼女達が手にしている木刀を媒介にイメージで作られたのか天叢雲(あまのむらくも)正宗(まさむね)一文字(いちもんじ)といった[神器・名刀]3振りが具現化されていたことに気づく。


正直俺も今更ながら、彼女らが持つ武器の存在に気づいた…


「私の大事なあの子の…リオの仇を討たせてもらうから‼︎道成、覚悟!」

相沢がとどめとばかりに振り下ろしたその剣は、道成が紙一重で展開した見えない「壁」のような物によって、ギリギリ阻まれた!


「「「⁉︎」」」

真矢達は何が起きたのか分からなかったようだが、俺はようやくあいつが盾に使っている物の正体に気づく!


「はっ、そういう事かよ!ようやく分かったぜ…俺を切り裂いた物も、真矢達の攻撃を今防いでいる物の正体もな。」


「仁も気づいたのね?そうあれは…」


「ああシアン…あれは氷なんだな?じゃあやる事は決まってるぜ!行くぞ‼︎」


「うん仁!思いっきり行くわよ〜‼︎(なんだろう、仁の中にいるだけでなんだか心も体も激しく燃えていく感じがする……って、あれ?)」

この時の俺はまだ気がついていなかった。


シアンが俺の内側から少しずつ、その体が消えかけていた事を……


「みんな一旦下がれ!」


幹太達「!」

道成が構えている見えない盾を必死に攻撃していた彼らは、俺の声が頭上から聞こえてきた事に気づく。


彼らが見上げると、炎を右腕に纏っている俺の存在を知り速やかに離れていった。


「む?…なぬっ‼︎」

道成が俺の存在に気づいたようだがもう遅い。

既に高速移動で接近した後に繰り出される炎のパンチが、奴を捉えていたからだ!


「おらぁーー⁉︎」


「…ぐおおおーー‼︎」

上空から地上に叩きつけるため、最大速度となった俺の拳は奴の氷で作られた勢いよく盾を壊し、そのままどてっ腹に全力の一撃をぶち込んだ!


轟音を立てて地面に叩きつけられた道成。それと同時に、俺の炎が柱となって天高く舞い上がっていく。


地上ではコンクリートが大きくえぐれて半径10m程のクレーターがその場で出来上がっていた…


「ゴホッ!……カハッ‼︎」


「終わりだぜ?羅刹道成さんよ」


「グフッ!…ふふふ、まさか私がここまで完膚なきまでに打ちのめされる日が来ようとは。だが、こんな終わり方も悪くない…」

倒された道成がどこか満たされたかのような笑顔で横たわっているなか、あかりや店長、佳与達やネレとエレを含めたエージェント部隊とメイド部隊(?)が俺の所へと合流してきた。


上からも幹太や真矢達が揃って降りて来る……


「感謝スル禅内仁ヨ。我ガデキナイデイタ事ヲ、オ前トシアンハ見事ニ果タシテクレタ……ムッ⁉︎」

時間切れってわけではない筈なのに、俺とシアンの合体は急に解除される。

その時、俺の肩に乗っているシアンが変わり果てた姿になっていた事に自分の目を疑った!


「し、シアン⁉︎どうしたんだその格好は!」


「えへへ…なんか仁の中で、まるで燃えるように心が熱かったように感じてたの。でもその時からどうしてか、ゆっくりと体が無くなっちゃってて」

シアンの姿は、既にへそがあった所にあたる上半身までしか体は残っておらず、今もゆっくりと淡い黄色の粒子が彼女の体から漏れ続けている。


「それは…今のキューと同じだと、彼女が私の中から言っている……」


「はぁ⁉︎それはどういう事だよアンタ‼︎」


「ゴホッゴホッ‼︎耳元で大声を出すでないわ小僧。私の命を伸ばす為彼女の力がこの身に循環してくれていたから、私はどんな時でも生き抜いてこれた…ただ、こうして話している間にもキューの存在が次第に終わりへと近づいて来ている。

私ももう終わりが近いのでこれ以上話せそうにない……心配しなくとも、おそらくその者は死ぬわけではないらしいが……さらばだ」

羅刹道成は最後にそう言い残して、静かに命を引き取った。


彼の魂は金色の光と引き合いながらクルクルと回りつつ、天高くへと昇っていく…


「なんだよそれ…ふざけんなよ!」

目の前でシアンが消える。その避けようのない出来事にやり場のない悲しみと寂しさの声を俺は亡骸となった道成のそばに向けてぶつけた。


彼の魂が、とっくにもうない事を知りながらも……


「兄貴…」


「仁さん…」


「ふふふ!気にしなくてもいいのよ仁……確かにガイダーとして仁と生活する事はできなくなっちゃったかもだけど、死ぬわけじゃないから。

ちょっと力を使いすぎて、体の維持ができなくなっただけなんだし!」

力なく笑いかけているシアンを見て、俺は切ない気持ちを覚え始める。


そして初めて知った……大事な存在が自分の前から姿を消してしまうのが、これほどまでに悲しいものだって事を。


「でもシアン、俺はお前がいなくなるのは寂しい…どうすれば良い?マスター・ゼノン様」


「……我ノ元ヘしあんヲ来サセヨ」


「……はい」

マスター・ゼノンに言われるまま、俺は既に胸の所まで消えかかってるシアンを両手ですくいあげ、まるで捧げるかのような体勢になった。


「……ゼノン様」


「ナンダ?しあんヨ」

俺の手からシアンはゆっくりと持ち上げられていき、マスター・ゼノンの口元まで運ばれた。

そこでシアンは俺達には聞こえない小さな声で、こう告げる。


「ゼノン様…このまま消えちゃう前に一つだけ、わがままを言わせて下さい。」


「カマワン…言ッテミナサイ」


「せめて私を、仁とあかりの子供として生まれ変わらせて下さい……他は何も望みません。」

初めてシアンがマスター・ゼノンに向けて、少し無茶なお願いをした瞬間だった。


「良イダロウ。オ前ノ望ム通リニナルガイイ……愛スル子ヨ、健ヤカニ生キルノダゾ?」


「はい…」

シアンの体から溢れていた光の残りが僅かに留まり、彼女の周りを黄色い光の粒が囲みだす。


「シアン!」


「仁…大丈夫、これでさよならじゃないから。また必ず会えるその時まで絶対待っててね?」


「分かった…俺は待つよ。いつまでもずっと!だから必ず帰ってこいよな?」


「うん!みんな、そしてあかり……[またね]?」


「うん…うん!絶対戻ってきてよ?約束ね!」


「ありがとう…みんな……大好き!」

最後にシアンはそう告げると、みるみるうちに小さな光の核となってあかりのお腹の中へと宿っていくのが見えた。


これが最初何を意味するのかこの時の俺はまだ知らなかったが、あかりだけは心の中で確信する!


(そっかシアン…私達と一緒になるのね?)


目の前からシアンの光があかりの中に入って行った時どうすればいいのかよく分からなかったが、かつて出会ったかも知れない「誰か」の言葉が脳裏に浮かぶ。



[迷った時は、女を抱け!]



俺は正直戸惑いを隠せないでいたが、意を決してあかりのそばに近づきそのまま後ろから抱きしめた。


「‼︎…仁君」

俺達が無事に終結させる事ができた、この東京を中心に巻き起こった羅刹道成の所業による大災害で亡くなった大勢の人達の深い悲しみと怒りは、後世に渡って残り続けるものとなった。


ゆえに、この出来事を彼らはこう書き記したという…… [世崩しと再構成の兆し]



道成によるマスター・ゼノンへの抗議とも受け取れるこの出来事が起きて数ヶ月が経った頃、禅内達は総理大臣らから[国民栄誉]の称号を受けるよう命じられたが彼らは「興味ない」と告げて突っぱね、日本政府の決定から背を向けた。


名誉ある国民を讃え、その流れで次期選挙にて有効な演説に利用しようと考えていた、頭のおめでたい老害議員達はこれを聞き激しく憤慨した!


「我らに恥をかかせるとは日本国民の恥だ!そんな真似する奴らなんぞこっちから断る‼︎」

本当に国民の意思をこの指導者達は理解できていたのだろうかと、禅内を含めこの事件に関わった人物全員は思った。


この出来事により、[無価値国民]のラッテルをマスコミメディアを通して全国に報道された彼らだったが、ごく一部のアンチで[自分の見方は正しい]と勘違いしている連中を除いた国民全てから、そこかしこで密かに称賛されていた!


不名誉な称号をもらっていた彼らはその事実を知り、逆に喜びを分かち合い、構うことなくそれぞれの道を進む事を約束する。



そして2年後、この理不尽な名誉報道を仕向けていた各メディア達の関心が完全に無くなったのを機に、この俺禅内仁と富士野あかりとの結婚式が豪勢に行われたのであった。


「禅内(仁)さんにあかりさん!ご結婚おめでとうございます‼︎」


「おめでとう(ございます)‼︎」

お祝いの音頭をとったのはなんと、現在クラーク学園の中等部学生となった佳与と、既に端水幹太とのできちゃった婚を果たしつけめん屋[やすべぇ]で正規社員として働いている真矢の仲良し姉妹だ。


これまで関わりを持った人物達(俺の両親は来なかった…)が全国から集まり、総出でお祝いの言葉を大声で俺達に向かって送る!


「ありがとう佳与に真矢……それと皆さん!俺達の式にこれほど来ていただき本当にありがとうございます!」

しっかり者の風格を身を包んでいた俺は、集まった人達に深々とお辞儀していく。


「私達は本当に今日まで、日本政府と[マ・ス・ゴ・ミ]!達からの嫌がらせを受けながら生きてきましたが、こうして大好きな彼と結婚できる日を迎える事ができて本当に嬉しいです!

皆さんに改めて言いますが、本当にありがとうございます‼︎」

あかり、根に持ちすぎだろ…


この披露宴が済んだ後に行われたのは、みんなが祝福の気持ちを込めた催し物を共に見て楽しむ事だった。

とても賑やかで有意義な時間のお陰で、昔の嫌な思い出が全て吹き飛ぶくらいに楽しかった…


「ふふふ…楽しいね仁!」


「はは!そうだなあかり。本当、夢のように幸せな時間だ(こんな時、シアンがそばにいたらどう言ってくれていたのだろうか?)」

だがどうしても時々あいつの事を考えてしまう。それほどにまで俺は、シアンの存在が大きかったから…


「……」

あかりも笑顔で楽しんではいるが、どことなくソワソワしているように感じた。


全ての出し物が済み、参加者の人達から大量の祝い袋をいただいた俺達。正直受け取りすぎて申し訳ないと感じるくらいに、まとめ用の袋の中がパンパンに膨れ上がっていた!


「あかり、今日は1日色々大変だったな?」


「本当ね仁…でもとても幸せでいっぱいよ!だからもっと幸せでいられるように、今夜は二人の時間を満喫しましょう?」

この日の晩、とうとう俺達二人は初夜を迎える事となったのだった。あかりの中も、そして肌同士の温もりも全てがとても心地よい……



禅内仁と富士野あかりの結婚式から一年が経過した。ついに二人の子供となって誕生する[彼女]がこの世に姿を現す瞬間を、あかりは心待ちにしていたのだから!


今こうして、隣で手を握ってくれている夫の仁が必死に応援していく中、ついにその時がやってくる。


「…おぎゃあ、おぎゃあ!」

あー、やっと出れたわ…仁もあかりも大きな声を出しすぎ!ずっと頭に響くじゃないの!


「おめでとうあかりさん、女の子の赤ちゃんですよ!」

看護婦の手で包まれた赤ん坊(私)は、そのまま母であるあかりの元へと運ばれた。


「ありがとう…生まれてきてくれて、本当にありがとう!しあん[シアン]」


「やった…よく頑張ったなあかり‼︎」


「こんなに元気な女の子が生まれてくるんだね?やっぱり人間ってすごいや!」


「あー!あー!」

なによ、すっかり老けたんじゃないのあかり?でもそうね…私もずっと会いたかった!


ずっと仲良く一緒に暮らそうね?あかり[お母さん]、フロット……仁[お父さん]‼︎



本来生まれる事がなかった…元ガイダーの意志を持ったまま転生し、この世に生を受けたシアンはこれからは[禅内紫杏(ぜんないしあん)]として生きる事となる。


そしてこれがきっかけとなって世界の新たな始まりがゆっくりと、だが確実に人の世に浸透し続けていく前触れとなっていくのであった。


ただし、この事を知っているのはマスター・ゼノンを含めてまだ誰もいない……彼女の今後の人生が世界の全てを変えてしまう事になるのは、遠い…未来のお話。

最終回、ついに辿り着けたーー‼︎╰(*´︶`*)╯

ガイダーであるシアンが人間の女の子として、この世に転生する……個人的にはとっても心が温かくなる話にしたいと思い、今回のような終わり方にしてみました!


物語の終わりにはあえて意味深な言葉を添えておりますか、正直続編を考えきれてないのが現実です…


なので、作者として一つだけお願いがあります。今回の作品を最後まで読んで下さった方々、このお話を見て気になったこと・楽しかったこと・改善すべき展開など、一言ずつご意見をお聞かせください!

それらをもとに今後どう指針を絞っていけばいいのか、気付けるきっかけにしたいと考えてます…


あと、最後に改めてお礼の言葉をさせてください。


長い間この拙作を読了して下さり、本当に本当に…ありがとうございました‼︎

お礼のしるしに、別の世界線でハッピーエンドを迎えた禅内仁の特別話も、7月10日・12時にひとつだけ上げさせて頂きますね!

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