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皆と鳥取旅行

「おーいシアン!エレにネレも!そろそろ出発するぞ‼︎」


「今行く、仁~‼︎」


「「待ってぇ~‼︎」」

俺達は朝から大忙しで羽田空港行きのバスに乗る為、支度を整えて出発する所だ。


「鳥取かぁ…楽しみね二人とも!」


「「うん‼︎」」

俺達は昨日、あかりが当ててくれた団体客での鳥取小旅行券を使い即座に行くことを決めた。


俺自身行くのは二度目となるが、観光らしい事はできそうになかったので非常に嬉しい話である。今は、急いで皆が待っているであろうバス乗り場へと、シアン達を連れて駆け足で向かってる最中だった。



一方その頃、先にバス停前に着いていた富士野あかりと須上直毅、相田明音は禅内を含めまだ来ていない彼らをゆとりを持って待つ為、会話をしながら待つことにした。


「直毅、昨日の福引きの券で鳥取での二泊三日旅行を当てた富士野さんの顔が、こんなにふにゃけてるのはどうして?」


「なんでも社長から、[ありがとう富士野。彼らにとっても良い休日になるだろうから禅内君共々、存分に楽しんで来て欲しい!]って激励されていたと他の男エージェント達から俺は聞いたのだが、これはどちらかと言うと…」


「えへへへ~…仁君と一緒に小旅行~!」


「…あかり、いいかげんしゃんとしなよ」

フロットからも呆れ顔で指摘するほど、締まらない顔つきの状態で立ち続けていた。


「なんか、すっかり年齢とはアンバランスな感じになってるわよね?まあそれほど彼にご執心って証拠なんだろうけど。」


「シェーラ、ひょっとしてあかりさんも僕達みたいに彼とキスするんだろうか?」


「うーん、彼女はなんか奥手っぽく見えるしよほど勢いがないとしないかもね?エンラ」

須上と相田は、二人が上でアツい話をしてるのを聞いて顔を赤く染めていく。


「「「……」」」

その姿をガイダー二人の更に上から無言で眺めて楽しんでいた幽霊家族は、邪魔しないよう笑顔で気遣っていた。


彼らが改めて意識し合い、上の二人と同じ色恋の反応になる寸前で犬吹一家と端水幹太。並びに、真矢の友達……宇佐路圭、日笠理乃、相沢礼奈の3人が揃って到着した!


「お待たせしました~!…あれ?どうかされたんですか二人とも。あかりさんはなんとなく分かりますけど」


「あああ⁉︎な、なんでもない!なんでもないの‼︎気にしないで?」


「そ、そうそう!ところで禅内はどうした?もう間もなくバスが来る頃なんだが」

見ると確かに須上直毅が指差す方向から、一台のバスが近づいて来るのが見える。


「おいおい、あいつ大丈夫なのか?」


「真矢のお父さん、兄貴なら問題無さそうですよ?あのバスの後ろをよく見て下さい。」

富士野あかりを含めた全員が、端水幹太の差し示す方向を見る。


「ひぃ…はぁ!ひぃ…はぁ‼︎」


「「仁サマファイト~!」」


「お、お前ら⁉︎こちとら荷物を一人で運んでるんだぞ!おまけに最小限の磁場を使ってバスに追いつけるよう走ってんだからよぉ!」


「一般感覚で見れば、こんだけできてたら十分アスリートとも渡り合える速さよ?仁」

3人のガイダーは禅内の周りを一定の距離間隔で飛び、追従していた。


「仁サマ!みんながいるよ~!」


「はやくーー!」


「ぜー、ぜー、ぜー……」


(しょうがないわね、私も少しだけ助力したげようかな?…えい!)

シアンが電気で禅内を一時的に動きやすいようにと使おうとした雷は、何故か発動しなかった…


(えっ?なんで、出せないの!)

その後、バス停にギリギリ追いついて到着した禅内が座席に座るなか、疲れ切ってのびている彼の肩の上に乗っかるシアン。


何度か目の前に雷が出せないか集中してみたものの、全く出る気配が無い。


「ど、どうして…」

シアンが静かに泣いていると、禅内のすぐ隣座席に座っていた富士野あかりがそっと掬い上げるようにシアンを片手に乗せる。


「⁉︎あ、あかり?」


「どうしたのよシアン。急に泣き出して」


「あかり!私、雷が出せなくなっちゃったみたいなの。」


「「えっ⁉︎」」

あかりとフロットも、流石に驚いたのか目が大きく見開いていた!


「それはやっぱり、仁君に雷属性全てをぶつけたからじゃないかな?っていうか、それしか思いつかないわよ。」


「そう、かもね。でもまさかこんな結果になるなんて……」


「まあ、これから向かう鳥取には小旅行で行くんだし気分転換だけでもしとこう?あなたも仁君も今までたくさん頑張って来たんだもの。

今だけは深く考えないで、思う存分遊ぶわよ‼︎」


「あははは!結局あかりもはしゃぎたいだけじゃないか。でも、あかりの言う通りだよ?もしかしたら禅内仁なら、雷を少し戻す事もできる気がする!」


「ふふっ…そうね。ありがとう二人とも!みっともないとこ見せちゃったな?」


「それはお互い様でしょシアン!私だってあなたと仁君達に弱い所見せてたんだし」


(そうか…俺にシアンの力全てが入ってしまったのか。向こうで寝る時があったらちゃんと返してやらねぇとな?)

彼は目を閉じた仮眠状態の中で、シアン達の会話をこっそり聞いていた。


しばらく皆が外の風景を眺めて楽しんでいた頃、幽霊の3人がふと[とある一点の神社]に目線を向けていた。


「はて、あんな不穏な(やしろ)が何故この東京と呼ばれる都市の中心地に存在してるんだろうか?」


「厳蔵さん!僕怖いよ。」


「私も…」

3人の幽霊達は禅内達には聞こえない場所…すなわち、バスの天井の上に上半身だけを出して覗いていた。彼らが見つけた場所こそ、まさにガイダー達が捕らえられている場所そのものである!


そんな事は彼らも思いはしなかったが、落ち着いてから相談しようと考え保留する事に決めたのだった。


「無事羽田空港に着いたか~!いやぁ、長かったな。」


「本当ですねご主人様。でもいよいよとなると私も胸がドキドキしてきました!」

犬吹豪太とティーアが先に降りる形で皆が次々と降りていく。



そして最後に降りようとしていた俺はふと、バスの運転手さんに声をかけられた。


「いやぁ君。なかなか足速いじゃないか!おじさんも本当はゆっくり走ってあげるべきか悩んでいたんだが、客を適切な時間と場所に降ろすのが仕事なんでね?

まあ、見てると楽しくなってそのまま君を置いて行こうかなと正直考えていたよ…ははは!」


「しゃ、洒落になりませんっておじさん!」


「はっはっは!まあまあ。だがもしこのバスみたいに公共の乗り物を利用する時は、もう少し早く行動しなさい?」


「うっ!…そ、そうします」

俺は笑い続けている運転手さんに向けて、ややへこみつつも軽く会釈してから、バスを降りていく。


「あはは!仁兄ちゃん注意されちゃったね?」


「ほらほら佳与?からかい過ぎないの。仁さん、受付を済ませてから水分補給してきてください!時間ギリギリですけど」


「分かった、そうさせてもらうわ…」

俺達は全員でロビーに向かい、あかりが手に入れたチケットを見せるとスムーズに手続きを済ませる事ができた。


「兄貴、早く飲んできてくださいよ?俺達はちゃんとここにいますから。」


「私もみんなと待ってるから。早く済ませてよ?仁」


「分かってるって。じゃ、ちょっと行ってくる!」


「ねぇ、良いのシアン?普段ならあなたが側にいられるタイミングなのに。」


「うん…って言うか、飲み物飲む時の仁にはなるべく近づきたくない。」


「?」


「…仁はね、家でも時々飲み物を飲んでる時にオナラをする癖があるのよ。」


全員「…」

そんな会話があったとは知る由もなく、スッキリした顔で戻ってくる俺を見た彼らは、なぜかやや苦笑いをしていた。


「?どうしたんだお前ら。」


「い、いやぁ…飲むの早いなって思って!」



「…ぐわぁー⁉︎くせぇ~‼︎」

どこかで見知らぬ一般客男性が大声で叫んでいたのを聞き、シアンは心の中で(うちの仁がごめんなさい。)とまるで母親みたいな気持ちで謝っていたのは、当人しか知らない。


一行は予定通り飛行機に乗り、鳥取に着くまでの間空の旅をそれぞれが楽しんでいた。


「あーー‼︎コ○ン君だぁ!」


「しんじつは、いつも一つ!」


「ネレ兄ぃ似てないー!」

無事、鳥取空港に到着した面々が最初に見たものは、今大声で興奮して叫んだ佳与が言う「名探偵コ○ン」の主人公とヒロインが見えるエリアである。



「はいはいあなた達!こんな所で騒いでたら皆通れないんだから、その辺にしとこうね?」

真矢…お前は保母さんか⁉︎


「やるわね真矢ちゃん。きっと良いお母さんになれるわよ?」


「え⁉︎えとその。ありがとうございます…ゴニョゴニョ」

相田が真矢の対応を見て褒めちぎると、本人は嬉し過ぎて恐縮していく。

隣にいた幹太も同様に、何故か顔を紅く染めて真矢の顔をじっと見つめていた。


そしてそんな2人の様子を宇佐路圭、日笠理乃、相沢礼奈の3人は無言でにやけ顔をしながら眺めていた。


「よし、じゃあまずはどのルートから行くかな?俺としては鳥取砂丘を一緒に歩こうかと思うんだが、皆行きたい所は?」


「…お客様方、よろしいですか?」


「?」

空港の受付員には見えない人が遠慮しながら聞いてきたので、俺達は声のした方へとふり向く。


「恐れ入りますお客様。もし鳥取の観光に悩んでおられるのでしたら[ループ麒麟獅子バス]をご利用頂くと、お手頃の運賃でオススメのスポットに行けますよ?」


「そ、そうなんですか?」


「はい!あっ、申し遅れました。私は鳥取観光案内所スタッフの稲田と言います。

県外客の皆様が有意義にお楽しみできる場所と時間を提供したく、お節介と思いつつもお声をかけさせて頂きました!」

ハキハキした口調で説明してきたその若い女性は、その手に持っていたパンフレットのようなものを渡してくれたので、それを早速眺めてみた。


なんと!先程聞いたループ麒麟獅子バスの時刻表と金額、オススメのスポットが書かれているのである。


「…へぇ、中学生以上が300円で小学生以上が150円か。確かに手頃な値段だ。」

もちろん、ガイダーは全員タダである。


「良かったじゃない仁。お金をたくさん使わなくて済みそう!」


「本当にな!じゃあこの観光地めぐりをしたい場所を決めるのは後回しにしといて、まずは泊まれる所を探すか!その方が荷物を管理してくれるから安全だなと思うんだが、おっさんはどう思う?」


「おう、それが良いな!正直禅内が前に泊まった所ってのを一度見てみてぇ。」


「確かにあの旅館…[ニュー砂丘荘]って所なら団体旅行者も来てたし、ちょうど良いかもな」


「えとえとあの!案内所のお姉さん。私達この[鳥取城跡]って所に行ってみたいんですが‼︎」

相沢と日笠は興奮気味に行きたい所を聞いている。


「大丈夫ですよ。麒麟獅子ループバスの時間内に動いてもらえたら!」


「なら私と直毅も一緒して良い?歴史物を調べるのは大好物だから♪」


「日が暮れないうちにちゃんと旅館まで戻ろうな?明音。」


「ぶぅ……分かったわよ」

須上の忠告に渋々答える相田。


「まぁまずは、[砂丘荘]で皆が泊まれるかどうか確認してみるか。」

パンフレットに載っているその旅館に、俺は電話をかける。


「……そうですか。はい、ではこれから行きますのでよろしくお願いします。」

俺は電話を切ってから皆にオッケーサインを出す。


「良かったじゃない仁。流石に前回泊まってた甲斐があったのかもね!」


「だな!じゃああそこに見えてる例のバスが来たら早速乗って、旅館に行こうぜ?」

俺が指差す方向から、観光スタッフの稲田さんが言っていたであろう麒麟獅子観光バスと表記された変わったデザインのバスが近づいて来ていた。


俺達は、スタッフの稲田さんにお礼を言ってから乗り込み到着するまで外の景色を見て楽しんでると、俺の知っている人物達があの砂丘会館前に立ってかき氷作りをしている姿を確認し、荷物を置いたら早速会いに行こうと心に決めていた。


無事旅館に辿り着くと、俺の知っているあの女将さんが出迎えてくれている!


「お客様方、ようこそいらっしゃいました…私はここの女将をさせて頂いてます奥山と申します。何泊をご希望ですか?」


「二泊三日でお願いします。」

おっさんが俺の代わりに言ってくれた。


「かしこまりました。ではお部屋にご案内しますので、初めに料金の支払いをお願い致しますね」

会計を済ませてから俺達は男女それぞれ分かれて部屋に入っていく。

すると、部屋の窓から見える景色に皆の心は奪われた。


「こんな雄大な砂の丘が海と一緒に見えるなんてすごく素敵じゃない…仁てばずるい‼︎」


「ずるいはねぇだろ…とにかく俺は早速鳥取で出会った知り合い達の所に行くから、シアンも来てくれよ。

双子達は既に佳与とリオーネ達にくっついて旅館の中を探検してくるって出ていったしな?おっさん達はどうする?」


「すまん禅内…俺は早速明音達と一緒に目的地にこのまま向かうから無理だ。」


「悪い禅内。俺も流石にしんどいのでちと休むわ!幹太君はどうすんだ?」


「そうっすね。俺は何を見て良いか分からないし暇なので、兄貴達についていきます!」

俺達が部屋を出て受付近くまで行くと、あかりと真矢…そして宇佐路圭も一緒だったので、俺は彼女らに声をかけて呼び止めた。


「おーい真矢達!」


「あっ、仁さん!幹太も‼︎」


「えっと、今更こんな事聞くのも変だろうけど良いか?

真矢達は剣道の試合があるのに、ここまで来て本当に良かったのか?」


「そこは大丈夫ですよ仁さん!私達はいつも竹刀を持って動いてますから。

どこでも稽古できるようにちゃんと準備はしてます!今夜稽古に付き合ってね?圭!」


「もちろんよ‼︎バシバシ行くから覚悟しなさい真矢!」


「…高校生って眩しいわね?仁君。」


「そうだなあかり。そうだ!あかり達ももし今暇なら、鳥取の知り合いがいる砂丘会館にリフトで降りて会いに行こうと思うんだが、一緒に来るか?」


「私は行くわよ?仁君!」


「私と圭も大丈夫ですよ?っていうより、リフトには乗ってみたいです‼︎」


「ははっ!そいつはちょうど良かった。じゃあ行こうぜ?」

俺達は少し歩いた先にあるリフト乗り場にそれぞれ乗り込んで行く。


そして下に降りるまでの景色を見て、それぞれのリフトから楽しんだ。

幹太は一人でリフトに乗ってはいたが、一心不乱にスマホで写真を撮りまくっている…


本当に誘って良かったぜ!


リフトから降りた俺達は、初めに彼らがいるかき氷売り場に向かう。

皆が「懐かしい」と言ってるのを聞いて、俺はもっと早く外に出て皆みたいにわいわい楽しみながら味わっておきたかったなと、心の中で呟くのであった。


「あっ‼︎禅内さーん!」


「「「禅内さん!」」」

ミカ達はちょうど休憩中だったらしく、すぐ俺の姿を見つけたようだ。


「よぉ!久しぶりだな」


「お元気そうで何よりです‼︎本当に仲間の方々を連れてきてくれたんですね?」


「おう!まさかこんな早く再会できる日が来るとは俺も思わなかった。あかりに感謝だな!」


「えへへ!」

俺達はこの四人に向けて軽く自己紹介をそれぞれが済ますと、ミカ達も名乗ってくれた。


「凱だ。よろしくな」


「俊だ。そこのボーイッシュな君可愛いね…ふごっ⁉︎」


「そう~?ありがと、よ‼︎」

なんか宇佐路の鉄拳があいつに食らってるんだけど⁉︎


「憐れだなぁおい……カインだ。廉のガイダーで水属性なんでよろしく」


「俺の名前は廉!実は俺達、神奈川から来たんだ。」

神奈川からだったのか……


「僕はレイ。ミカのガイダーだよ!氷属性なのでよろしく‼︎」


「山上ミカです。禅内さんにはかき氷作りのバイトを手伝ってもらったり、その日に強引なナンパをして来たここにいる彼らに危険な目にあわされた時までも助けられました!まぁ、今はもう襲われる問題は無いんですけど?」


「だ、だからずっと謝ってるだろ?ミカぁ!」


「…プィ!別に私は凱とくっつくから、もうなんでも良いもん!」


「ミカ、んな照れるこというなよ。」


「うおぉん‼︎」


「廉、諦めろ?俺も諦めるから…チキショウ!リア充爆発しろぉ~⁉︎」


「(なんか、病院でくっついてた仁君達のやりとりを見てた時の感情に似てる気がする。)」

富士野あかりは少し前の出来事を思い出して、ふと懐かしむ顔をしていた。


「あんたって本当どこにいってもトラブルに巻き込まれてるわよね?仁」


「そ、そう言われてもなぁ?」

俺達はしばらくの間雑談して楽しんでから、これも縁だと思いお互いのアドレス交換をした。


その後俺とシアン達はミカ達の売店から一度離れて、砂丘を歩くことに…


「ちょっ、ちょっと仁君‼︎砂が!砂が靴に入ってくるよぉ⁉︎」


「おう。俺もそれを味わったからな…今回は砂丘を歩く時は裸足にしといたんだよ!あかり達も脱いだ方が気持ち良いぜ?」


「わ、分かったわよぉ~!だったらまずは…肩貸してね♪」


「あざといわねあかり!」

シアンが対抗心に満ちた目つきをしてあかりを睨んでるんですけど?

そんな俺たちの事は気にしないとばかりに真矢、幹太、宇佐路は早速裸足になって、駆け足ではしゃぎ回っていた!



禅内達がそれぞれの場所で鳥取を満喫している頃、東京秋葉原でガイダー失踪事件捜査の為ガーディアン部隊の男二人が、光風指揮官のガイダールウェンが働いていると言っていた[メイド喫茶店]へと足を運んでいた。


「ルウェンの言う通り、本当にここで情報なんか手に入るんかね?」


「さあてな。俺も軽く周りを見渡してはみたが、そんな雰囲気を感じられねぇ…女の子達や周りを飛んでた女ガイダー達はとっても可愛いけどよ?」

男エージェント二人はメイド服の女の子達に見惚れて鼻の下を伸ばしていた。


そんな時、一人の小柄な女性が二人の座る席へと近づいてきた。


「お帰りなさいませご主人様方~!喉乾いてますか~?それとも私と遊んじゃいます?」


「「…良いなぁ」」

そのまま抱きしめたくなるほどに見目麗しく、どこか猫のような甘え方をしてくる小柄な貧乳ショートヘアの女の子(?)が、誘う目で二人を見てきた。


「えと…カルピスソーダ一つ。」


「お!俺はアイスコーヒーで」

職務放棄したい気持ちを必死に堪えつつ、二人はまず飲み物を注文した。


「かしこまりましたご主人様方♪」

肝心の事を聞き忘れまいと、二人は口を開いてみる。


「あっそうだ君!待ってくれ。」


「はい!なんですかぁ~?」


「実は俺達、ルウェンってガイダーからガイダー失踪に関する情報を聞けると言われてここに来たんだが、なにか知ってるか?」


「……チッ、そっちかよ!」


「「‼︎」」

猫撫で声の女が一瞬で豹変し、明らかに女とも思えない態度で毒づいてきた彼女。


「ちょっと待っててくれ?俺様がオーナーを呼んでくるからそこにいろよ?良いな?」


「「は、はい…」」

入店した時のうわついた気持ちが、一瞬にして冷めてしまったエージェントの二人。

程なくして、タキシード姿のちょび髭生やした背の高い男が、先程悪態ついたメイド服の彼女と戻ってきた!


「大変恐れ入りますがお二方。つもる話になりますので奥のVIPルームへ共に来ていただきませんか?」


「わ、分かりました」


「…はい」

二人が通されたVIPと彼が呼んだ場所は、どう考えても客を入れるべき空間ではない。


まるで、[ガーディ]の作戦本部内みたいにコンピュータだらけの場所へと導かれたのだ!


「では、詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか?あなた方が来たここへ理由を。」

オーナーと呼ばれた男の側に仕えるように立っていた女の子は…なんと男の隣でタバコを吸い始めた⁉︎


彼らの正体はいったい何者なのか?


今日訪れたメイド喫茶店の地下に隠されたこの部屋の秘密を知った若い男エージェント達は、後に度肝を抜かれる事となる。

自分は実際のメイド喫茶に足を運んだことは一度もないのですが、もしもこんな環境だったら怖気付いて逃げてたかも知れません……それ以上に、態度が豹変する女は怖ぇ〜〜⁉︎

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