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義をもって助太刀する

真矢達の部活に相沢と日笠が足を運ぶようになって、早はや日…今では暑さにやられて昨日まで出て来れなかった他の部員達も、彼女達の存在に注目を置いている。


相沢礼奈の動きはややヒーロー気取りの動きな為剣道の型から程遠いが、僅かな隙を見つけて鋭い一撃を繰り出してくる。

言うなれば、我流の剣士と表現した方が良いかも知れない。


特に真矢にとって、一番印象が深かったのは日笠理乃だ。彼女の飲み込みの速さは常軌を逸している…


最初は見学で来て素振りを覚えるだけだったのだが、剣道の基礎を真矢と二人の後輩に教わり続けていくうちに、もう上級者レベルにまで実力をつけていた後輩達をも簡単に追い越してしまった!


そして今は、真矢が日笠理乃といい戦いを繰り広げていた。


(あ、あれれ?どうしてこうなったんだっけ?確かに3日前までは完全な初心者だったはずなんだけど……この実力のつき方普通じゃない⁉︎まるで、仁さんレベルの凄さだよ〜!)


「隙ありぃ‼︎」


「わっ⁉︎…ふっ!」

油断しすぎた真矢はやや反応が遅れるも、とっさに竹刀を受け流しながら下がることができた。


「さ、流石犬吹殿‼︎間違いなくとったと思ったのだが…」


「あ、危なかったぁ~…相沢さんもそうだけど、本当に初心者の動きとは思えないわね!」


「真矢~!私もその子と打たせてよ?なんかずるい‼︎」

同級生の部員が一人戦いたがっているようなので、真矢は日笠と一礼した後いっぺん代わる事にした。


「だ、大丈夫なの?正直私も本気で挑まないとやられそうな程手強いよ?」

真矢と交代した少し茶色い感じのショートヘアで男勝りな女子部員は、片腕を軽く回して位置につく。


「ふ~ん、真矢が苦戦する相手…かぁ。面白そうね、やる気が出てきたわ‼︎」

どうやらこの娘は、自分よりも強い相手と戦うのが好きなようだ。


「いざ、尋常に勝負致す‼︎」


「オッケー行くよ!はぁーー‼︎」

竹刀が激しくぶつかり、そのまま割れてしまうのではと思うほどの大きな音が、体育館内にコダマした。


「む、うぅ!なんの‼︎」

日笠が負けじと踏ん張り切ったのを見た彼女は…


「へぇ‼︎私の一撃をまともに受けて平気な人って真矢に続いて二人目よ?ふふっ!俄然楽しくなってきたわぁ‼︎」


「ちょっ、ちょっと(けい)!日笠さんは見学者なんだから、そこまで本気になっちゃダメよーー‼︎」

目つきも雰囲気もガラリと変わってしまった男勝りな彼女は、真矢の制止を聞き入れなくなった…


「はああぁーー⁉︎」

圭と呼ばれた彼女は怒涛の攻めで日笠理乃に反撃の隙を与えまいとしている。


「…くっ!なんのこれしきぃ~⁉︎」

(まだ、足りない![奴ら]を倒してあの子達を助けるにはこれよりも強くなきゃいけないのだ‼︎)


「日笠氏!」

相沢礼奈は心配そうに日笠を見ていた!


「相沢殿…拙者は決して屈さぬ‼︎だあぁ⁉︎」


「わあぁ⁉︎…えぇ!何その[ばか力]は‼︎」

なんと、強引に竹刀ごと圭をノックバックさせた日笠理乃。その執念の強さには圭と呼ばれた彼女も、そして真矢達も思わず呆然となってしまう…


「(すごい日笠さん!一体何が彼女をここまでつき動かしてるの?)」

真矢は、無限の可能性を持つ彼女の事がとても気になり始めていた。


「拙者は、負けるわけにはいかんのだぁ~‼︎」

立ち尽くしていた圭が慌てて防御に入ろうと竹刀を構えたが、なんと日笠の持っていた竹刀が圭の竹刀を叩き折ってしまう。


「いぃ〜⁉︎」


「ここだーー‼︎」

追撃と言わんばかりに竹刀を再び構えて真下に振り下ろすと、面の防具越しに強打の衝撃が伝わっていく!


「あ、う…」

圭は頭の上から伝ってきた衝撃をまともに受けて、よろめき床にしゃがみ込んだ。


「⁉︎そ、そこまで‼︎」

真矢がすかさず技ありの判定を下し、それ以上攻撃させないようにした…はずだった。


「…てぇぇい‼︎」


「やめて日笠さん‼︎終わったから⁉︎」

真矢の声が聞こえていないのか、再び大きく竹刀を振りかぶり全力で叩こうとする日笠理乃。


「ダメぇ‼︎」

そんな時、一瞬の速さで日笠の攻撃を食い止めたのは他でもない、相沢礼奈だった‼︎


「待って日笠氏‼︎私達は奴らを倒し、あの子達を助ける為に力をつけようと頑張ってるだけなんだよ?関係ない人を倒しちゃダメ~⁉︎」


「はっ‼︎あ、相沢殿。それにそなたも誠にすまぬ⁉︎」


「…えっ⁉︎い、いやいや別に良いわよ‼︎一瞬だけ意識が飛びそうになったのはかなり焦ったけれど、あんたの実力は本物だわ!勝負してくれてありがとう!せっかくだから私も自己紹介するね?

私の名は圭!宇佐寺圭(うさじけい)だよ!よろしくね?日笠理乃‼︎」


「こちらこそ、有り難き体験をさせていただき感謝が絶えませぬ!拙者の事は好きに呼んでもらってもかまわぬぞ?」


「そっか‼︎じゃあこれからは理乃って呼ぶね?」


「圭が名前ですぐ呼ぶようになるなんて、かなりのお気に入りなんだね。日笠さんは!」


「さ、左様でござるか⁉︎」


「…会話が盛り上がってるとこ悪いんだけど、ずっと気になってた事聞いて良いかしら?二人のガイダーはどこにいんのよ?ここ毎日来てるのに、全然姿が見えないじゃない。」


「「うっ……」」

二人揃って言葉を詰まらせてしまう。


「えっ⁉︎あ、あたいなんか悪い事聞いちゃった?」

ミューラは気まずい空気にしてしまった事に、不安を感じてしまう。


「じ、実は昔私達のガイダーがある連中にさらわれてしまい、今日までそばにいないのです…」


「…なので拙者らは、共にそ奴らから相方であるガイダーを救う為日夜様々な所に行き、戦う力を身につけつつ連中の居場所を探しておりまする。」


「ええ⁉︎」

ガイダー達をさらう人間がいるなど、真矢達は思いもしなかった。


「ガイダーをさらう連中…か。あいつらしかいないわね‼︎」

ミューラが、珍しく憤りの表情で満たされていた顔を真矢達の前で見せる。


女子部員達「‼︎⁉︎」


「どうしたのミューラ⁉︎あなたがそんな顔するなんて初めて見た!」


「どうもこうもないわ真矢!その誘拐事件はね、野良ガイダーはもちろん主人がいるガイダーすら強引にどこかへさらっていくあのいけすかない連中…[小人討伐団]の仕業なんだから‼︎」


「小人討伐団⁉︎」


「ひどい…」


「「……」」

圭も後輩の二人も、ひどい話を聞いて表情に陰りが見え始める…


「そいつら、昔の時代から今に至るまでしつこく残ってるって噂らしいけど詳しくは知らないわ。全く嫌な話よ…」

憎々しげに口を開くミューラに、彼女達は黙って聞いていた。


「…ミューラ、エージェントに相談しようとはしなかったの?」


「既に暴走していた私を止めてくれたフロット達には話してたわ。それでも何故か手口を探しようがなくて向こうも長年苦労してたらしいし…どうにもできないの」


「そうでもないよ?今は仁さん達がいるから、まずは仁さん達に相談してみようよ!…そうだ。相沢さんと日笠さんも、良かったら今から一緒に私の家に来て?あの人ウチで働いてるから紹介するよ‼︎」


「えっ?なになに真矢。もしかして男?」

圭は下品なにやけ顔を作って、小指を一本立たせる仕草を見せてきた!


「ちち、違うって!確かに付き合ってる彼はいるけど、仁さんは違うから⁉︎」


「彼氏いたんなら早く言えーー‼︎」


「痛い痛い‼︎辞めてよ圭ー!」

防具越しだが、圭に竹刀でバシバシ頭を叩かれている真矢であった。


「…そうね、あたいもあの人達なら何かしてくれるかも知れないって思う。」


「そっその!よろしいでござるか犬吹殿。その御仁は強いのか?」

日笠の一言に、圭も叩くのをやめた。


「いたた…うん、とびっきり強いよ?ただ剣術じゃない方だけど。」


「け、剣ではない?もしかして犬吹さん‼︎その人ってヒーロー系ですか⁉︎」

相沢は両目を輝かせながら真矢にグイッと近づいた!


「ふぇっ⁉︎…う、うん。そっちのイメージが強いかな?でも、変身とかの類いは今のところ見てないよ!」


「全然良いですよぉ~‼︎私会いたいです…今すぐ会いたい!」


「ど、どうしようかな…圭」


「部活の事は気にしないで良いわよ。ってか私も行くし!皆は程々に稽古が終わったら今日は解散にしてね?これ、部長命令‼︎」


女子部員達「はーーい!」


「ええー⁉︎」


「あはは。後戻りできなくなったね真矢!…色々と」


「笑い事じゃないよミューラ~⁉︎」

こうして犬吹真矢とミューラ。相沢礼奈と日笠理乃、そして真矢の親友でありライバルでもある…宇佐路 圭を引き連れて真矢の自宅へと足を運ぶ事となった。


同時刻、犬吹電気店ではそこそこ客が来ている程度なので、たいして忙しくはなかった。

そんな中、禅内は新人である富士野あかりに仕事の必要な役割を少しずつ教えている…



「あうぅ…物の種類多過ぎじゃないの?」


「まあそうだな。だから、徐々に品名は覚えて行けば良いと思うぞ?あかりだって仕事場で品質管理くらい経験あるんじゃねぇのか?」


「え、えーっと…」

何故だかあかりは答えにくそうにしているみたいだが、どうした?


「あはは!禅内仁。あかりはね、面倒な作業を皆他人にやらせることしか覚えてなかったんだよ。」


「ダメじゃねぇか!」


「きゃう…ごめんなさい。」


「おおーい禅内!こっちの商品を運ぶから、手を貸してくれ!」


「はい!じゃシアン。悪いんだがあかりに他の仕事とかを教えておいてくれないか?…あかりもさぼんなよ」


「むぅ、しないわよ‼︎」


「ふふ!どうだか?じゃあ仁、こっちは任せて店長の方に行ってあげて。」


「おう、ありがとよ。」

俺はあかり達に背を向けて、店長の所へと走り出す間際にあかりとシアンがまた言い合いしているような声を聞いた。


「またか…仲は良いと思うんだがなぁ?」


禅内仁が店長の所へと行く為裏通りに向かっていくなか、こちらシアン達はあかりの指導もとい監視(?)も行いつつ、佳与とリオーネ達の手伝いをしている。



そんな時、真矢が複数の人間を連れて帰宅してきた。


「あっ!お姉ちゃんおかえりー‼︎」


「おかえり~!」


「ただいま佳与、リオーネ。あかりさん達もお疲れ様!」


「あっ、真矢ちゃんお帰り。後ろのお友達は?」


「初めまして!真矢のライバルで親友の、宇佐路圭です。そしてこの子が相棒のガイダー…リュー!」


「ども!リューです。土属性のガイダーですがよろしく‼︎」

爽やかな挨拶をしてきたその男ガイダーは、日焼けした肌が特徴的で髪は金髪。服装も、そんな目立つ髪や肌の色が強調されているかのように陽の光を反射していく白い無地の半袖Tシャツと、空色のハーフパンツ姿でいかにも行動的なタイプの格好である。


「よろしく!私は、今この場から少し離れているけれど禅内仁の雷属性ガイダー、シアンよ。」


「おお‼︎あなたが犬吹さんの言われていた、ヒーローみたいな方のガイダーですか⁉︎

わ、私相沢礼奈って言います‼︎」


「わぁ⁉︎…よ、よろしく。」


「失礼…拙者の名は日笠理乃と申す。主に武士ドラマを見て、戦い方を学んできた者故恐らく戸惑うでござろうが、よしなに頼む」


「う、うん。よろしく…ね(個性的な二人…)」


「お姉ちゃん、お友達連れてきたんだ!私は佳与!よろしくね。」


「私は佳与の相棒で火属性ガイダーのリオーネ。実は、ミューラと同じ元野良ガイダーだったの!」


「「⁉︎」」

二人は野良ガイダーだったと言う言葉に、強く反応して驚きを隠せないのか体を固めてしまう…


「真矢ちゃん、変わった感じの友達を連れてきたね?私は富士野あかり!ガーディのエージェントだった者よ。で、こっちが相棒の…」


「フロットだよ。無属性ガイダーではあるけど、戦うことはできるからね?」


「無属性‼︎私達の[そばにいた]ガイダー達もそうだったよね?日笠氏⁉︎」


「いかにも!」


「…そばにいた?」

フロットはその言葉の単語に違和感を感じると、あかりも察してきた。


「あなた達、もうガイダーはいないのね…」


「「……」」

二人は無言となり、代わりに辛い表情を作りながら俯く事で肯定する。


「その事であかりさんや仁さん。それと、エージェントの皆さんにも相談したい事があるんです!良ければ、聞いてもらいますか?」


「…分かったわ真矢ちゃん。でもその前に、 人数多いから中で話せそう?」


「うーん。この数は厳しいですね…」

そんな会話の最中、禅内と店長の豪太が汗まみれで戻ってきた!



「ああ~やっと済んだ…おお!真矢おかえり。早かったじゃねぇか…後ろの子らは友達だな?」


「ゼェ、ハァ…すまん禅内。あの重さの物を一人じゃ全部運べなかったから、すごく助かったぜ‼︎」


「へへ…ついこの前の俺だったら絶対断ってたな。」


「…ああ、違ぇねえな?」

二人がすごく辛そう だが、楽しそうな顔で戻ってきた姿を見て、シアンは尋ねてみる。


「二人とも、一体何を運んでたの?」


「旧式のデスク型パソコンだよ。それも重たいやつ4台だったから交代で運んでいたんだ…あ〜あづい~!クーラーあたりてぇ⁉︎」


「お疲れ様禅内仁…少しそこで大人しく立ってて?ちょっと試してあげるから!」


「ん?試すって何をだミューラ…お?霧みてぇなのが体を包んでくぞ!おっさん、これ気持ちいい‼︎」

その場を少しずれて、店長に譲る俺。


「どれどれ…おお⁉︎こりゃ良い!」

ミューラは二人が満足した姿を見て、頷き喜んだ。


「ありがとよミューラ!ところで、なんだってまたこんな大勢いんだ?」


「その事なんだけどね仁。実はガイダー絡みの事件があったらしくて…今から相談に乗りたい所だけど、どこが良いのか分からなくて困ってるのよ。」


「そうか…あ、そうだあかり!光風司令官から受け取ったあの箱の中身をまだ見てなかったんだが、それが何か聞き忘れててな。それでなんとかならねぇか?」


「あの箱の中身かぁ。確かに、[アレ]ならいけるわね!今持ってる?仁君」


「バイト中に持ってこれる訳ねぇだろう…しゃーない、ひとっ走り取ってくらぁ!」


「あ、私も行く!夜行性みたいに夜起きるようになっちゃったネレとエレも起こしてあげないと…」


「ははは…そうだな。じゃあ悪いですけど店長!一旦家に戻って来ます!シアン、中に入ってくれ。」


「りょーかーい!」

シアンが俺の中に入ったのを確認し、大跳躍からのアイスロードでゆるく走っていく。


「「「ええぇーー⁉︎」」」

圭、理乃、礼奈共にその光景を見て大変驚いてしまったのは言うまでもなかった。


「あの氷の特徴…見た事あるぞ?」

圭のガイダー、リューだけは冷静に見る…


10分後…早めに店じまいを済ませた頃、両手が塞がり飛べなくなった俺は、両手に小箱と双子ガイダー・ネレとエレを抱えて建物の上を跳躍して戻って来た。


「よぉ、待たせたな。」


「おかえり仁君!ネレとエレ、おはよう?」


「「おはよ~~…」」


「「「………」」」

3人は何から聞けば良いか分からなくなり、思考が止まったまま立ち尽くしていた。


「やっと起きたのかよ。じゃああかり、早速だが教えてくれるか?」


「任せて!まずは開けてみてちょうだい。」

俺はあかりの言う通りにまず箱を開けてみて、その中身に俺は驚いた!


「なんかかっけぇデザインの腕時計みたいな物が入ってるぞ⁉︎」


「ふふっ‼︎それこそ、私達エージェントが任務中に通信とレーダーを兼ねた代物…Search Radar Phon。

略してSRP端末よ‼︎私は退職する時に戻しちゃったからもう無いんだけれどね?持ってたらお揃いだったのに…」

どこかしょんぼり顔のあかりを、シアンは何故か影で笑っている…ような気がした。


(女のやりとりってこんなドロドロなのか…)

俺は知りたくも無い一面を見てしまったが、今は肝心な事を聞いておかないと。


「そ、それであかり。どう使えば良いのか教えてくれるか?」


「はっ‼︎う、うん!これはね…」

俺はあかりから起動方法から通信、サーチ方法などを一通り教わったので、早速使ってみた。


「…こちら、特殊部隊エージェント[ガーディ]の作戦指揮官光風だ。その端末の使い心地はいかがかね?禅内君!」


「光風指揮官⁉︎」

SRP端末から、指揮官の声が聞こえて来た!でもなんで、俺だってすぐ分かるんだ?


「えっと、何故俺だとすぐに分かるんです?今日初めて使ったんですが…」


「簡単な事だよ。その端末には個別ごとのIDが組み込まれているのだから!ところでわざわざこの端末で聞いてくるのは、試しに使ってみたかったからかな?」


「それもあるんですが、実はガイダー関係で相談したい子達がきてまして…流石に自宅などでは狭いので、どうしたものかと相談をしたくてかけました。」


「それなら、今すぐうちのクルーに送迎を頼むとしよう。場所はここ、ガーディの作戦基地だ!待ってるよ?禅内君」


「はい。ありがとうございます!…良かったな真矢、あそこで相談できそうだぞ?」


「良かった。ありがとう仁さん!…あっ‼︎幹太に連絡しとかないと」


「…はっ、真矢~?誰なのその幹太って人はー!もしかしてその人が彼氏〜?」

放心状態から戻った圭は、生き生きとした顔つきで真矢をいじりだす。


「そ、そうだよ!ちょっと今から電話するから待っててよね圭‼︎」

真矢は幹太に電話してみると、ちょうどもうじきつくと言っているらしい…


「はいはい♪」


「あ、あの…禅内さんでよろしいのですか?わ!私相沢礼奈と言います!ヒーローみたいに空を駆けていくなんて、カッコ良かった‼︎」


「んお⁉︎あ、ああ…」


「!待たれよ相沢殿‼︎この御仁、身体中からガイダーの力の気配が漂っているぞ?」

お、この侍みたいな言葉を使う女の子鋭いとこを見てるな。


「おう。ちと色々あってな?ガイダーの力を身につけちまったんだ!お前達の名前は?」


「し、失礼つかまつった!拙者の名は日笠理乃と申します。」


「おう、よろしくな‼︎」


「私は宇佐路圭です。真矢の親友で、剣道のライバルですんでよろしく‼︎」


「はははっ!ライバルとはすげぇな。」


「はい‼︎…ってリューどうしたのよ、そんな怖い顔して?」


「あんた人間…だよね。何故あのクソルーダの力なんて使えるの?あいつを殺したの?」


「…殺しちゃいないさ。殺されかけてた事はあったけどよ、あいつはマスターゼノンに裁かれて現世には既にいない」


「そ、そうか!あの男裁かれたんだな?良い気味だ‼︎僕と恋仲だったガイダーのイアンが、あいつの出すチャーム(魅了)のせいで酷い過ちを犯して死んじまった…でもそれを聞いて安心したよ。」


「そうか。まあ、今更アレの話をしてても気分が悪くなるだけだしこの辺にしとこう…確かリューって言ったな?よろしく。」


「おう!」


「ルーダ…どこまでも救えない男ね?仁」


「そうだなシアン。ただこの氷攻撃の力は今の俺達には必要だからありがたく使わせてもらうけどよ…どうすりゃ、人もガイダーも諍い無しに暮らせるのか俺にはさっぱり全くわからねぇ。」


「仁君、そんなの誰だって分からないでしょ?今は目の前の出来事と自分の気持ちだけ分かってればそれで良いじゃない。

それを教えてくれたのは他でもなく仁君?あんたなんだからね!」


「あかり…ありがとな。」


「あかりも、良い事言うじゃない…プゥ」


「あれぇ?何よシアン!ほっぺた膨らんでるわよぉ?うふふふ」


「う、うるさいうるさいうるさい⁉︎」

シアンとあかりによるコントみたいな会話を聞いて皆も笑い声を上げている時、一台の白いハイエースが皆の近くに止まった。


「相変わらず賑やかだな禅内。」


「須上⁉︎」


「私もいるよ?禅内君!」


「相田‼︎お前達が迎えに来てくれたのか!」


「おお!さ、皆乗ってくれ?既に一人乗せてるからよ。」

車の扉を開くと、端水幹太が既に乗っていた!それも、仕事服で…


「幹太⁉︎その格好で来てたのか!」


「あはは…今夜の仕事準備の最中に何やら急に店の前へ須上さんらが来て何事かと思いましたがね。急を要する話なんでしょ?」


「ああ、どうもそうみたいだ。あんたら車で移動中にでも詳しく教えてくれるか?」


「は、はい!」


「承った‼︎」

全員が乗り込んだのを確認して扉を閉めたら、案の定窮屈だった…


「す、すまねぇな須上。見ての通り搭乗人数超えちまった…俺だけでも走って行こうか?」


「よせよせ。その方が更に目立つ…とりあえず慎重に走るから暴れるなよ?」

全員が頷くと、車は発進して行った。


車内では、相沢達が過去に起きた事とミューラから聞く小人討伐団の話題で富士野あかりも苦い顔をしながらも、彼女達の悩みを聞いていた。


「ごめんなさい。私達も今までずっとあの犯罪者達を探してるけど、どうしてか見つからないのよ。まるでどこか見落としてるような、身近な場所にいる気がする…」


「あかりのせいじゃないから謝る事なんてないよ。長年探していても見つからないなんて、誰が見てもおかしい!」


「…なんか、禅内の周りってガイダートラブルが絶えないな。」


「直毅!」


「おっと!すまん禅内…」


「気にすんな。今に始まった事じゃない…」


「やれやれ…禅内、本業はうちの電化製品店なんだからな?そこは忘れるなよ。」


「あ、当たり前だろ店長‼︎」



これまで出会って来た者達、又はマスターゼノンによって全ての存在を消された者。

彼らとの共通点がこの時全て重なっていた事に気づけた者は、まだ誰一人としていなかった…

話もそろそろ、大きな展開に変わり始めてきましたね。次回はいよいよ黒幕…ある男がおぞましき計画を立てようとしている話ですので、ぜひ見てください!


今度の更新は、今夜の午後23時に行います!

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