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店主とフィック

「「おいしい~!」」


「うむ、これはなかなかに美味だ!」

幽霊の三人にも食べてもらうにはどうしたら良いか、悩んでいた禅内。

そんな時、ある事を思い出した幹太が実演込みで幽霊三人に食べさせる事に成功する。


それは…お供えである。


「お供えするだけで幽霊は食事ができるのか…初めて知ったぜ幹太!」


「昔思いつきでやってた事を思い出したってだけっすよ?だいいち、事情を知らない他人がいない時にした方が気にしないでできますからね。

兄貴ももし家に彼らと一緒に食べたい時は、このようにすれば十分です!」

見ると、幹太はつけ麺の中央に割り箸を立てそれを姫野達の前に置いていた。


そして、美味しそうに匂いを嗅いだ彼らは今に至っているわけなのだが……


幹太と真矢の2人がプロ顔負けの手捌きで俺達に食事を運んだ後、お供えして幽霊達が食べ終わっていた分を自分の分として食べて満喫していた。

匂いに釣られて店の外から数人の客が中に入ろうと近づいて来た事に、俺は気付く。


「おい幹太。なんか他の客がこの店に近づいてきたようだがどうする?」


「あー…まぁ、昼時ですからね。この際だし開店の目印を出しときますよ!真矢、厨房頼む!」


「うん、分かった!」

2人は素早く食べ終えてから食器を片付けた。

その後真矢は厨房で次の注文に応じられるよう、下準備を始めていく。

幹太は少し重量のある暖簾(のれん)を片手に店の外へと運び、入口の手前に引っ掛けた。


すると、待ってましたと言わんばかりに数人の客が入ってきた!


「いらっしゃいませー!お好きな席へどうぞ。」

真矢の明るい調子の声が、店中に響き渡る。


「俺らあまり長居はしない方が良さそうだから先に帰るわ。幹太、真矢」


「はい!兄貴もゆっくり休んでて下さいね?」


「ありがとよ。佳与は俺達と来るか?」


「ううん…私、おじさんともう少しここにいるよ。まだ残ってるし!」


「じゅる…食べられなかったなら、私も少しもらって良い?佳与。」

リオーネは物欲しそうな目で、佳与を眺めている…


「えっ‼︎まだ食べれるの?リオーネ」


「リオーネはよく食うなぁ!禅内、当分はしっかり休んでおけ?本当は長いこと店を閉じるのは辛いが、まだ入荷の連絡がねぇから仕事はないからな?」


「ありがとうよおっさん!…じゃねぇや、店長‼︎」


「はっはっは‼︎おうよ!」

満足げに笑うおっさんと、その近くでティーアと共につけ麺を美味しそうに食べているフィック。


俺は、彼女をいつあのオヤジさんに会わせるか尋ねてみることにした。


「フィックは、いつオヤジさんに合わせた方がいいと思うよ?」


「今日のこの客入りようでは難しいっすね…明日行ってみますよ。」


「真矢も、もちろん行くだろ?」


「う~ん……正直行きたいのは山々なんだけどねお父さん。高校最後の部活動として、剣道大会に参加する為練習しないといけないの」


「おお‼︎確かに来年は高校卒業だものな…よし!俺が真矢の代わりにあの人に会ってくるか‼︎ちょうど文句をいっぱい言ってやりたかったしなぁ。」


「ご主人様。暴れるのは無しですからね?」


「ゔ⁉︎お、おう…」

警察署内で暴れる気だったんかい!


「…じゃあ俺たちはこの辺で先に帰るぜ。真矢、幹太!今日残り半日だが、頑張れよ?」


「ありがとうっす兄貴‼︎」


「仁さん、ごゆっくりー!(色々な意味で♪)」

ふと、真矢が意味深な顔で笑いかけてたように見えたが、気のせい…だよな?


「禅内さん!私を助けていただき、本当にありがとうございました‼︎いずれやすべぇと一緒に、改めてお礼を言わせてもらいますね!」


「おう!またなフィック。」

おし、早く帰ってもう少し体を休めておこうか!


あかりは今どこに住んでいるのかは知らないが、機会があったら聞いてみるとしよう…迷惑をかけた詫びと、お礼もしに行きたいからな。


「あかりはこの後どうする?」


「え"⁉︎あ、うん!ちょいと軽ーく引っ越しの準備があるから一旦この辺で別れる![また後で]ね?」


「お、おう。また後で?…(引っ越しだと?)」

あかりはその場から慌てて、一目散に走り去って行った。


「(まさか…ね?)」

シアンは何を思ったのか、突然額の汗を流し始める。


実際、外は暑いから汗が出るのは自然であるとしても、何やら冷や汗をかいてるように俺は見えた。


「シアン、暑いんなら俺ん中に入っとくか?」


「え⁉︎う、ううん大丈夫…ありがとう仁!」


「シアン〜」


「私達眠い〜」

ネレとエレ。双子達の言葉を聞いた俺は、今日はさっさと帰って休む事に専念する事した。


「おし、じゃあ早いとこ帰って寝るぞ?2人とも。」


「「はーい‼︎」」


「そうね。私も今日は眠いかな…ずっと仁が帰ってくるか不安で、なかなか寝付けなかったもの」


「…ホント悪かったなシアン。今夜は久しぶりに一緒に寝るか?」


「「夫婦だ~」」


「ふやぁ⁉︎夫婦だなんてもぉ~‼︎」

シアン、何もそこまで取り乱さなくても良くね?


今、幹太達の側にいる姫野達の熱々ぶりを見てたら、確かに俺も[夫婦]という言葉に少し意識してしまう…


「ま、まあ!とにかく早く帰ろうぜ?シアン…ネレ、エレ!」


「うん!」


「「はぁーい」」

すぐに俺達は久しぶりの我が家へと戻って来た。


部屋の窓を開けてから4人で扇風機の風を浴びつつ、残りの半日を久しぶりにだらだらと過ごしてそのまま夜を迎えた。


双子達は俺が寝床をひいた途端真っ先に入り込み、「クゥ…」「スゥ…」とかわいらしい寝息を立てて熟睡する。


「俺の寝床を我先にと占領するなよこの双子は~…」


「あはは!しょうがないじゃない、2人も寂しかったんだから。」


「…そうだよな、たまにはこうして寝てみるか。」

俺とシアンは2人の寝顔を見てのち、外側から挟む格好で寝てみたのだが…


「…なんかこの格好、本当に親子っぽい感じがするな?」


「そそ!そうね…(うぅ、そんなこと言われたら余計考えちゃうじゃない仁‼︎)」

今まさに、真ん中に寝ているネレとエレを俺とシアンが両隣で挟んで寝てるという具合に、親子で川の字になって寝る状態となっていた。


「明日も仕事は休みだし、どっか行きたいとこはあるか?」


「うぅーん、正直言って私も鳥取に行きたいかなぁ。どんな風景があるのか見てみたいし!」


「風景か…あのなシアン。一応そん時に一枚だけ買ってた写真があるんだけど見るか?もちろん大声で笑わないって条件で!」


「見る見る‼︎でも、なぜ笑うな…なの?」


「恥ずかしい顔の俺が写ってんだよ…だから、な。」

俺はシアンは大笑いしないでくれることを心の中で願いつつ、敷布団から体を起こして立ち上がる。


向こうの旅館でもらっていた古着のポケットに突っ込んだまま折りたたんでいた写真を広げ、月明かりが差し込む窓際に俺は立つ。


「こっちに来てくれ。」


「分かった。」

そして、シアンは俺のいる窓側まで来たと思えば、小さい体を俺の顔に押しつけながら写真を見てきた‼︎


「し、シアン⁉︎」

普段そこまでくっついていたわけではないせいか、緊張してしまう。


「しー!2人が起きちゃうでしょ?…へぇ~これが鳥取砂丘かぁ。広くて気持ちよさそう!あと、これがさっき言ってた変顔の仁なの?何よ、いつもの顔じゃない!

普段から慌ててしまいがちなところそのまんまよ?」

俺の横顔にシアンが体の前部分を押しつけながら、そう言ってくれた。


「…ははっ、変顔がいつも通りかよ。」


「ふふっ!そうよ。ただ、仁は私と初めてあった時とは大きく、そして優しく変わった…まるでマスター・ゼノン様のように優しくなってて、私もそばに居て安心できるくらいだもの!

だからこれまでみたいに、私や周りの皆に気持ちを打ち明けることを決してやめないで?誰も1人の考えだけで生きて行けないんだから」


「ありがとよ…シアン。」

月明かりに照らされて、白銀の雪みたいに風で揺らぐ彼女の髪を、俺は指で撫でてやる。


「仁…大好き。」


「し、シア…!」

最後まで名前を言う前に、彼女の小さくて柔らかい唇が俺の唇に重なり一度離れる。


こうしてキスするのは二度目だな…


「…俺も大好きだ、シアン。」

そのまま片手でシアンの頭から足先まで、俺は優しく撫でて答えた。


「んもぅ、さりげなくお尻まで触んないでよバカ!」


「ははっ!たまには良いじゃねぇか……そろそろ寝ようぜ?」


「えへへ…うん!」

2人で寝床に入り直し、改めて眠りについた。


「「…おやすみ」」


「「(…み、見ちゃった~‼︎)」」

いつのまにかネレとエレが起きていて、2人のやりとりをこっそりと見ながら悶えていた事など、眠ってしまった俺達は全く知らない…


そして翌朝、案の定双子達はなかなか寝付けなかったせいで未だ寝ていた。

何も知らない俺達はその寝姿を見て、呆れながらも日があまり当たらない窓の縁側下に優しく運んで、寝かしつける…


「…おっさん達、フィックを連れて無事に着いたかなぁ?」


「大丈夫よきっと。」

ピンポーン!


「誰だ?こんな朝っぱらから…はーい、どちらさんですか?」


「おはようございます!今日から仁君達がちょうどいるこの部屋の下、一階に住むことになった富士野あかりです‼︎よろしく♪」


「「ええーー⁉︎」」


「あはははは…2人とも、そんなわけでこれからよろしく。」

フロットは諦めてくれと言わんばかりの笑顔で、俺達に挨拶してきた。


波乱の予感しかしねぇ…



時を同じくして犬吹豪太が運転している軽トラック車には端水幹太とロル、ティーアとフィックが乗っており、店主のいる警察署へと走り続けていた。


「…そうかフィック、あのモグラの中で兄貴達と出会うまでひたすら腸の壁に蔓を張り巡らせて、消化されないようにずっと生き抜いて来たんだな?」


「ハハッ‼︎大したもんだぜ」


「ずっと一人で、それも目がいっとき見えなくなるまでいたなんて…とても心細かったでしょうに。」

ティーアは自分の事のように、不安げな顔で語りかける。


「うん…禅内さんに助けられていなかったら間違いなく全て溶かされて死んでた。もしかしたら、二度とやすべぇに会えないまま悲しんでたかもね…

でも、まさかあの後禅内さんがい どっか飛んで行っちゃうなんて思ってもいなかった!その日からあの人が帰るまでの二日間、エージェントの皆さんが目を直してくれたのはすごく嬉しかったけれど」


「…兄貴や俺達も不安と戸惑いの中で対話しながら、今を生きている。どんな過去であったとしてもな?だからフィックも、親父さんと再会したら思ってた事を全部ぶつれければ良い。その程度で崩れる関係じゃねぇんだろ?」


「うん‼︎」

もうじき、店主やすべぇが拘束されている警察署が見えてくる。


「そう言えば俺疑問だったんだが…」


「?どうしたロル」


「なんであの親父さんはフィックの声が聞こえるって言ってたんだ?さすがに腸の中から声が届くとは思えないし。」


「あ、実はその時ね?あのモグラの体内血管に私の言葉を詰めた種を何度も植え付けてたの!

心臓か脳、どこでも良い。モグラの声にのせて私の言葉が外へ出てくれる場所なの辿りつくまで、ひたすら出してたから…届いてて良かった」


「…そっか」

ロルはフィックの安心した顔を見て、優しい笑顔を向けていた。


会話している間、一行を乗せた軽トラックは現地に到着した。


「やぁ君か、いらっしゃい……どうやら探していた相手を見つけてくれたみたいだな。じゃあ今から警視総監を呼んでくるので、そちらの方と一緒に待っててくれ。」


「はい、ありがとうございます。」


「何でここにやすべぇがいるの?」


「それはな…」

フィックにこれまで彼らの経験してきた事を、待ち時間の間に伝えた。


「まさかあの人が私の呼びかけをそんなふうに受け止めていたなんて…」


「親父さんはずっと悔やんでたみたいだから、そうなるのも無理は無いさ。」


「でも!私が何もしなければそんな思い詰められなくてすんだかと思うと。」


「だったらさ、どうせ会うんだからその気持ちだけは伝えれば良いんじゃないか。長い間そばにいられなかったんだろ?」


「ロルの言う通りです!思ったことを言わずに過ごすこと程、辛い生き方は無いのですから。」


「は、はい…」

皆でフィックを勇気づけていると、阪原警視総監がすぐそばまで来ていた。


「待たせて済まないな端水君。そちらの方は?」


「俺は彼の恋人であるうちの娘。犬吹真矢の父…豪太だ」


「真矢のお父さん、そんな堂々と…」


「はははっ!彼女の大胆な性格はこの人譲りというわけか…納得だ!では、私も改めて名乗らせてもらう。

私は東京都警視総監・阪原権だ…以後、よろしく頼む。」


「こちらこそ。それで教官…やすべぇさんはどうしているんです?」


「ああ、こちらに来てくれ。」

一行は阪原警視総監の案内に従い移動を開始した。その道中、彼のガイダー・フィオが顔を出してくる…


「あ、あなたは前に来られてた端水幹太さんですね!その隣の方は?」


「俺は犬吹豪太。犬吹真矢の父親なので、よろしく頼む」


「私はフィオと言います。こちらこそよろしくお願いしますね!本日はどんな御用で来られたのですか?」


「この子を連れてきたんだよ。親父さんのガイダー…フィックをな?」


「フィックです。草属性のガイダーですが、よろしくお願いしますね?」


「あなたがやすべぇさんの言っておられたガイダーさんなんですね!良くご無事で‼︎」


「えっ⁉︎あ、うん。ありがと…」

フィオの変なテンションに若干押され気味のフィックであった…


辿りついた面会所には、既にやすべぇが車椅子の上でそわそわしながら待っていた。


「やすべぇ‼︎」


「フィック‼︎本当にお前なんだな?すまねぇ、お前はわしを助けてくれたと言うのに!わしは…」

両手で握り拳をつくり、後悔の気持ちをたくさん膨らませていた店主。


フィックは静かにツルを伸ばして、面会所内にある下の穴から彼の両腕を巻き付けた瞬間思いもよらぬ行動をとった‼︎


「…ん?どうしたんじゃこれゔぁ~~⁉︎」

フィックに腕を巻きつけられたやすべぇは、自身の腕で自らを殴り続けていく!


「ゔぁ⁉︎がは!フィッ…ほげぇ~⁉︎」


幹太達「………」

余りの光景に絶句している彼らをよそに、フィックは少し気が済んだのか(らせ)るのをやめた。


「バカッ‼︎私は貴方に生きて欲しいから身代わりになって助けたんだよ?何で私が貴方をずっと憎んでいたかのような雰囲気で喋るの‼︎

あのモグラの中で生きていて、もう一度貴方に会える希望を捨てなかったから私はこうして助けられた。

正直、私の声を聞いたせいで私が貴方を憎んでるかもって話をここについてから聞かされた時は迷惑だったのかなと感じた…だけど!」


「フィック…」


「腸にへばりついている間、目の前で食べられて流れ込んでくる動物や人間達、そのむごい遺体を毎日見る生活はとても嫌だった!

どんなに遅れても良いから助けて欲しくて…会いたくて、毎日叫んでたんだもの‼︎」


「うっ…く!!す、すまんかったフィック。わしは今日までずっと怯え続けて生きてきんじゃ!

だが、わしを慕ってくれる連中がもしあのモグラと鉢合わせしても生き延びてくれるように願って、ここにいる者らも含めて問答無用で訓練を無理やりつけさせていたのじゃ……最悪、わし1人が囮になれば他は助かる方にかけていたのでな?」


「囮って…そんなの私が嫌よ⁉︎もし貴方が私と同じようにモグラの中で生きてて、目の前で私が酷い姿で流れてきたら貴方は耐えられる⁉︎

私は絶対無理‼︎そうなるくらいなら、一緒に逝くから‼︎」


「…‼︎」

彼がその光景をイメージした途端、体も表情も膠着していった!


「私は貴方に叫び、貴方はその叫びに反応して彼らに相談してくれたからこうして無事に戻ってこれた…だからね、そんなヤケになったりしないで!こうして私達は再会できたんだもの。」


「ああ、そうだなフィック…すまん!そしてありがとうよ?助けてくれて」


「当然じゃない。生涯大事な相方なんですもの、貴方の余命が尽きるまでずっとそばにいるから…私は貴方を愛してます!」


皆「おおーー⁉︎」

この面会所で、まさかの告白をそばで聞いた彼らはそれぞれが気持ちの高ぶりを堪えるのに必死だったのは、言うまでもない。


「ば⁉︎バーロー!そ、そんな小っ恥ずかしい事口に出すんじゃねぇやい‼︎……一瞬興奮で心臓が止まるところだったじゃねぇか!」


「んべ~!ずっと怯えてた癖に一人格好つけて死のうとした罰よ!これからも時々言っちゃうんだから覚悟してよね♪やすべぇ!」


「や、やめてくれぇ~⁉︎」


「ははははは‼︎先生なかなか良い話ではないですか。今まで私達を苦行でしめ出されてきたので、今度は先生が逃げられないものを味わってくださると胸のつっかえがとれてスッキリしますよ‼︎」


「ガハハハ‼︎あんたの言う通りですなぁ⁉︎教官、何ならそのまんま結婚しちまいなよ?」


「ぶ!ぶぁーろー⁉︎年上をおちょくってんじゃねぇー‼︎」


「いやいや親父さん、案外ありかもですよ?禅内の兄貴

も今のところ、自分のガイダーにゾッコンですから!」


「ぬわぁにぃ~⁉︎」


やすべぇ達がこの手の話題で盛り上がりを見せる数分前にさかのぼる。

新たなアパートの住人となった富士野あかりが暮らす部屋の掃除を、禅内とシアンも手伝う羽目になった。


なぜならば……



「…仁君のバカ!何が[俺の炎で天井のシミを乾かそうか?]よ⁉︎スプリンクラーが作動して更に周りが全て濡れちゃって、お互い服もびしょびしょになっちゃったじゃないのよもーー‼︎」


「ご、ゴメンナサイ…」


「なんか、仁が変なことしちゃってごめんね?あかり…」


「全くよ‼︎仁君は責任とって周りの濡れたところを全部拭き取ってよ?良い⁉︎それまで私は風呂場でシャワー浴びてくるから……覗かないわよね?」


「んな事するか‼︎命がいくつあっても足りねぇよ!」


「あっそ!……プゥ〜、良いもん‼︎」


「…さっきのは何が不満だったんだ?」


「知らない方が良い事もあるわよ?仁…」

なんかシアンはすっげぇ怒ってんだけどぉ~⁉︎やっぱ女は全然わかんねぇ…


「(あかりったらさりげなく誘って来たわね!私の目が届くうちは、そんな簡単には渡さないんだから‼︎)」

シアンとあかり…女の戦いの火蓋は切って落とされた‼︎


浴室でシャワーを浴びる事にしたあかりは、フロットにも見られないよう中へ入ってもらうらしい…


「何よ仁君ったら!せっかく隙を見せてあげたのに気付かないだなんて…」


「(あかり~、それじゃ絶対彼には伝わらないと思うよ?なんだかんだ言って彼も健全な男なんだから。

彼なりに時と場合くらいは見てるんじゃないかな?)」


「そうだけどー!それでも来て欲しかったのぉ⁉︎」


「なんだあかり!どうかしたのか⁉︎」


「ななな‼︎なんでもないの仁君…気にせず続けてて‼︎」


「?お、おう…(マジでなんだってんだ!)」


「(このまま黙っとく方がなんか良さそうだから、私知ーらない!…ふふ♪)」



シアンは禅内の見えない所で、意地悪そうな笑顔を浮かべつつ身をよじらせてややご機嫌であった…

禅内達や店主・やすべぇ達が互いのガイダーとスキンシップを楽しんでいくなか、どうやら佳与とリオーネはなにやらトラブルのようですね……


いつも読んでくださっている方々、大変感謝いたします!次の話からは少しずつ、本作品の[核心]に迫るストーリーになっていきますのでどうかお見逃しなく!


次の更新は本日の午後23時です!

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