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謝罪と説得1

須上達がバカらしいやり取りをしているとは知らず、秋葉原のアパートに帰ってきた禅内仁とシアン。


若干乗り物酔いになったかのようにフラフラ状態のシアンを、禅内仁は心配していた。



「おいおい大丈夫か?シアン。悪かったな、少し飛ばしてきちまった…」


「あーうん…だ、大丈夫よ~?」


全員「すごくつらそう…」


「なるべく全力で走らないようにしてたんだがな?もう少し改善が必要かも知れん。しばらく俺の中で休んでいろよシアン」


「お言葉に甘えるわ~。」

シアンは再び俺の中へと入っていった…


「あっ!そうだわ仁君。私は一度部隊の隊長と合流しないと行けないから先に失礼するわね」


「そうか…じゃあ今のうちにアドレスの交換でもしておかねぇか?また世話になるかも知れねぇし、会話しやすいだろ。」


「‼︎…うん♪」


「へぇ~!兄貴、なかなか言うようになったっすね。」


「仁さん…少しはそうやって女をリードしなきゃ、きっと逃げちゃいますからね?」


「もう真矢ったら。割りと根に持ってるのね?自分に振り向いてもらえなかったのが…」


「そ…そんなこと無いってばミューラ~‼︎」


「良いなぁ!私もいつかお姉ちゃんや仁兄ちゃんみたいに、お似合いの相手を見つけたいなぁー。」


「「⁉︎」」

その言葉を聞いて、真矢とあかりは顔から火を吹き出したかのように顔を真っ赤に染めている。


「佳与に合う相手は、私が目を光らせて定めないと!

また集団でエッチな悪ふざけをしてくる連中に絡まれないで欲しいし。男はケダモノなんだから……」


「…僕が言えたことじゃないけど、その子を大事にする気持ちは共感したい。ただ、少しは本人の意志も汲んでみないとね?リオーネ」


「そうそう。幹太や仁サンみたいに、その子の事を気遣ってくれる奴だってきっといるかも知れないだろ?

なら、落ち着いて構えときなって!」


「まずは仲良くなる子がいないと、ね?」


「ね~!」

双子達の言う通りなんだろうが、まずは学校に行けれるようにならないとな。

佳与の母親ってのと会ってみたら、何か変わるのだろうか?どこにいるか分からんが……


「(私たちがそばにいましょうか?ふふっ!)」


「(楽しく遊べるんじゃないかな?きっと)」

俺とシアン、そして幹太とロルには幽霊達の言葉は聞こえるんだが、みんなには聞こえない。


なので、俺が代わりに二人が今言った内容を話した。


「きき、気持ちは嬉しいけどごめんなさい!トイレに行けなくなっちゃうからぁ‼︎」


「わ、私も遠慮するね‼︎」


「「(しゅーん……)」」

まあ、気を落とすなよ二人とも。


「仁君!早くアドレスを今のうちに交換しとこ?……じゃあ、向こうについて落ち着いたら電話するから。またねみんな。」

氷漬けにされたままの二人を除いて、皆であかりを見送っていく。


「…さて、そろそろあの二人の氷を解いておくか。」

俺は部屋の中にできた氷像みたいな二人を解凍した。


「「は…ハクチュッ!!」」


「あー…相田にシェーラ、無事か?」


「ぶ、無事じゃないわよ~!寒い寒い~‼︎」


「うぅ…暖まりたいですぅ~‼︎」


「ちょっと待ってろ?毛布は確か…」


「仁さん、先にお風呂を貸してあげて?その方が早いですから!着替えの下着は私が持ってますので、二人ともこれで我慢してくださいね。」


「あ、ああ分かった!二人ともこっちに来てくれ。」


「「あ、ありがとう~…」」

俺は、扉の外で本人の視線に入らない所によけた。


二人がシャワーを浴びる音が聞こえてきたので、バスタオルを二種類置いておく。


「相田にシェーラ。バスタオルは近くに置いといたから、使ってくれ」


「あ、ありがとう…」


「ありがとうございます~!」

真矢の機転に助けられたぜ。実際俺みたいに寒さの耐性がある奴はこの東京内では滅多にいないかも知れないしな。


浴室から居間に戻ったとき、あることを思い出す。


「そういや、あのつけめん屋のオヤジさんどうなったんだろうか?あれから聞きに行く余裕が無かったし…」


「じゃあ、俺が一度聞いてきますよ。なので兄貴の番号も教えといてください?必ず報告しときますんで!」


「おお助かるぜ!……ほいよ。」


「ありがとうございます。んじゃ俺は行ってき…」


「私も行く!私だってお世話になったんだから、仲間はずれは嫌だよ?」

真矢が上目づかいで幹太を見つめていた。


「べっ、別に仲間はずれにしたつもりはねぇよ⁉︎犬吹が良いんなら一緒に来てくれたって構わねぇし…」


「うん!」


「「ニヤニヤ…」」

ミューラとロルが二人して変な笑い顔になってるのは、この際見なかったことにしといておこうか。


「分かった。地震に気を付けていこうな!ついでにこれ、俺のアドレスだけど交換しても良いか?」


「う、うん。もちろん良いよ!」

本当に気のあった二人かもな。あとは佳与達なんだが…


「仁お兄ちゃん、リオーネと二人だけではあの家にいるのは寂しいよぉ‼︎」


「それもそうか…だったらまず、着替えだけでも取りに帰っておかねぇか?さすがにその格好だけってのはまずいんだろ……あ、でも相田達がまだ出てこないよなぁ。もう少し部屋で待っとくか」


「…もう大丈夫よ禅内君達。でも、まだ後ろは向かないでね?着替えてるから!」

玄関に体の正面を向けて座っている俺。

斜め後ろの浴室では、相田が体を拭いているであろうタオルの布地と肌が擦れる音、それに下着をつけ始めてる音も聞こえ始めた。


「お、おお!もちろんだ。」

いくら俺だって、そんな何度もラッキースケベみたいなノリでとばっちりなんざくらいたくもねぇ!


「あれ?このパンツちっちゃいわね…」

げっ、これはちと嫌な予感がしてきたな。シアンに出てきて対応しててもらうか…


「…シアン、すまねぇが起きてくれ。」


「ふふっ!とっくに起きてるわよ。大方二人の様子を見てくれって言いたいんでしょ?」


「さすがだなシアン!頼めるか?」


「もちろんよ!ちょっと待ってなさい。確かこっちの棚に真矢達の服も入れてたはず…って、仁はこっちを見ちゃダメ‼︎」


「仁兄ちゃん!大人しく今は前を向いとこうね?」


「もし見たら、仁様でも手は抜かないよ?」


「お、おう」

佳与とリオーネにまで注意されてしまった俺は、改めて女子が絡むと肩身が狭いなぁと感じつつ、そのまま前だけを見る事にした。


それにしても、ちゃっかりシェアハウスみたいに俺の部屋が使われちまっているとはな。


しばらく待っていると、彼女達の着替えはどうやら終わったらしい。真矢達が着ている服なのだが、目立たない白地のタンクトップと腰にぴったりとフィットしている紅色の短パン姿で二人は現れてきた。

濡れた為脱いである服がある事に気づいたんだが、ライダースーツの下に着ていた派手なエメラルド色のインナー。


下は下半身のラインを強調しているかのような、紺色のスパッツと上下共に黒色の…ゲフンゲフン!下着だった。

直視するとまた何を言われるか想像したくもないので、気を紛らす為に俺は昨日まで起きていた地震の件で話をした。


「…そういや、相田も須上もあの不安定な地震が起きていてよく無事にここまでこれたよな。他の所では何も起きなかったか?」


「あっ、うん。地震が起きる度に何度か私たちも止まったわよ?ただ一番困ったのはいつ頃かはよく覚えてけど、今日までの約1週間くらいかな?

全ての電化製品…私たちの持ってるスマホから、サービスエリアに設置されてたテレビモニターまで夜だけは一切使用ができなかったから、正直それには焦ったわね。」


「仁兄ちゃん、やっぱりあかり姉ちゃんが言ってる通り、例のおっきなモグラさんのせいなのかなぁ?」


「…ああ、間違いなさそうだな。とりあえず今できることは佳与達の服を取りに犬吹電化店に行くことと、あかりの連絡待ちしかない。

相田はどうする?いくらなんでも俺の部屋で暮らすのは気が引けるんじゃねぇのか」


「そうよね…直毅が見たら間違いなく怒り狂うだろうし。佳与ちゃん、だったよね?良かったらあなた達の住む家で少しお世話になっても良いかな?」


「うん!うん‼︎よかった~…これで寂しくないよぉ~」

俺達は一度、佳与達が住んでいる犬吹家に足を運ぶ事となった。ひとまず仁が事前に真矢のスマホに電話をして事情を説明すると、快く受け入れてくれるとの事。


これで心置きなく、彼女達の家に住まわせる事ができたので良かったとは思うのだが、店主である犬吹豪太が退院して戻る時だけは少し心配だなと考える俺。



所変わって、今端水幹太と犬吹真矢は現在彼が高卒前に取っていた運転免許証のおかげでレンタカーを借り、警察署へと二人とガイダーの二人…四人でデート(?)みたいに向かっているのだが、二人とも隣に座っている為やや緊張していた。


「「(いつまで緊張してんだか…)」」

この様子を煮え切らない気持ちで眺めていたロルとミューラ。


「あ!あの…さ、犬吹ってなんかスポーツみたいな部活でもしてんのか?」


「えっ⁉︎どうしたの急に!確かに、剣道とかはやってるけど…」


「ああ、だからか!以前俺がお前を強引に引っ張って行こうとした時があっただろ?あのときに気づいてたんだが、女子にしてはなかなか足腰が強かったのを思い出したんでな?……こんなことしか覚えてなくて悪い。」


「別にもう大丈夫だから!それにね?あのときは私も凄く怖かったけど、今のあなたなら安心できる…そんな風に最近は感じ始めてきたんだ。

最初に惚れた相手は、確かに仁さんだったんだけれどね?」


「えっ?今はどうなんだ?兄貴の事を別に嫌いになったりはしないんだろ。」


「もちろん!とても信頼してる。ただね、どうしても年齢の差を気にしてるからなのか知らないけど、私の誘いになかなか乗ってくれなかったのがかなりショックだったって言うか…」


「…まあ、兄貴は20台後半に入ってるからか、十代の若い娘を抱く真似はできないって考えてたみたいだしな?簡単には手を出せなかったのも頷けるぜ。」


「私としては、気にせずどのタイミングでも襲ってきてもらいたかったんだけどなぁ。」


「…俺、あの人が距離を置きたがる別の理由が少し分かった気がする。」


「そそられるものではあるがな?幹太」


「ん?どうしたの?」


「な、何でもねぇ‼︎」


「…この子、自覚してないのね」

真矢の性欲の強さが原因だと気付いて少し悩む二人と、自分の主である真矢に呆れているミューラは、車中心の中で軽くため息をつきつつも(くだん)の警察署へとたどり着いた。


「我が警察署に何かご用ですかな……ん?君はいつぞやの。」

目の前で話しかけてくる男性警官が現れた。顔のシワがやや深いが、その毅然とした顔つきは強い意志と信念を伺わせている。


「その節はお騒がせしました。今は隣にいる彼女とも和解する事ができました…」


「…ふふっ、そうか!強めに注意をさせてもらったが私も今の君を見て伝えて良かったなと思うよ。

それで、何の用かな?」


「あの!私達が働いていた[つけめん屋や○べえ]のオヤジさんは、ここにおられますか?」


「…やすべえさんか。拘置所には確かにいるが拘束後もしばらく暴れていたり、夜中になると怯えるように震えているよ。

 それと、昨夜までの大地震以降日中でも更に震えが止まらなくなっていたんだ。

私らでは、どうしてあげれば良いのか全く分からんよ…」


「良ければ俺達に会わせてもらうことってできますか?」


「…ちょっと待っててくれ。」

 男性警官はそう言い残して、署内の奥へと姿を消した。


「…一体親父さんは、何に怯えてるんだ?」


「分かんない。でも、聞けるなら私も聞いてみたい…」


「ロル。今さら思い出したんだけど、どうしてあの親父さんには私たちみたいなガイダーがそばにいなかったと思う?」


「そりゃまあ、昔色々あって出会えなくなったりとかじゃないか?だからって毎日怯えてるのは気になるけどよ。まずは、幹太達が言う通り聞いてみてからじゃねぇと分からねえな。」


「そうね…」

二人が幹太達から少し離れた所で浮いたまま話していると、先程の男性警官がもう一人を連れて戻ってきた。


「君たち、待たせて済まなかったね。阪原総監、この子達が先程伝えたあの店のスタッフです。」


「おお、すまんな!あとはわしの方で話ながら連れていくんで通常業務に戻ってくれ。」


「はい…では失礼致します。二人とも、落ち着いてやすべえさんの話を聞いてあげてくれよ?かなり取り乱しているからな」


「「(頷)」」

彼らの反応を見ると満足しながら、男性警官はその場を離れていった。


「じゃ、あの人の所に連れていくがまずは自己紹介をさせとくれ。わしの名は阪原権(さかはらごん)、東京都警視総監だ…君たちの名は?」


「俺は端水幹太と言います。こっちは、相棒ガイダーのロル」


「どうも、土属性のガイダーロルです。」


「私は犬吹真矢です。そして私のパートナーの…」


「ミューラ…水属性のガイダーです。」


「うむ、よろしく。では早速案内するからついてきなさい」

四人は素直に阪原総監についていき、面会室へと赴いた。


移動の最中、阪原総監は二人に本人の現状をわかる範囲で説明する。


「現在やすべえさん…先生は会話まではできてもパニック症候群といった精神診断結果が出ているので、極力言い争いにならないよう会話を心がけてくれ。

…ちなみに二人は、あの店に働くようになってどれくらいだ?」


「俺は1ヶ月くらいですね。働くようになるときからあの親父さんの軍人みたいなトレーニングをした後に店の準備をさせられたのは、すごく疑問でしたが…」


「私は1日だけ働きましたが端水君と同じく、早朝から初めて知る訓練の後に仕事の段取りを教わって、当日の日没から実際に働かせていただきました。

ふとした会話で父と親父さんが口論になったその時、突然地震が起きたと思ったら親父さんが急変して私にも銃を向けて撃ってきて、父が私を庇って銃弾を受けたんです。幸い、命に別状はありません…」


「……そうなのか。わしも、わしの後輩たちも一時あの店で楽しく仕事はしていたが、ある日を境に急に人が変わってしまった。

先生のガイダーがいなくなった日をきっかけにな。当時の先生とガイダーである『彼女』との間に何があったかはわしも分からん。

そこからは、店を守っていたいのかそれとも自身の身を守りたいのか分からない状態が長年続き今に至っている。

君達ガイダーはパートナーである人間とうまくいっているのか?良ければ解決できたいきさつも教えてくれると、とても参考になるんだが…」


「…俺は幹太のそばにいつもいましたが、高卒以降から少し荒れ始めてた幹太とうまく会話のやりとりもできなくて、苦しかった。

禅内仁サンのおかげで幹太は冷静さを取り戻せたけれど、俺はそれまでためてた不満を解消しきれないでいたんです。

先日俺は暴走してしまったけどあの人…禅内仁サンのガイダー、シアンにひっぱたかれたおかげで目が覚めました。

今では幹太と同じく、気持ちを切り替え前を向いて生きているのはあの二人がいたからだ…」


「…あたいは昔、人でなし主人に捨てられました。それからは野良ガイダーとして同じような境遇になってた他のガイダーと争ったり、協力して暮らしてた。

そんなときにシアンと出会って、あの娘が禅内仁に好意を持つことを恐れてた事を知ったから、私なりに力づけようとしたけど逆に彼女は暴走してしまった。

すると禅内仁がそこに駆けつけて、彼女の暴走を食い止めたんです!

おまけにあたいを秋葉原に迎え入れてくれて、真矢の新しいガイダーになりました。

あたいたちの今があるのは、彼のおかげなんです。

だからもし、今回の騒動がガイダー絡みなら彼は解決してくれるかも知れませんよ?」


「ふむ……その禅内仁君とやらはもしや氷漬けから先生を戻したあと、あの人の銃撃から私らを守ってくれた若者ではないのかな?」


「「「「そうです。」」」」


「ははは!そうかそうか…なんとも不思議な縁もあったもんだ。彼は、先生の不安を取り除くのに力になってはくれるのだろうか?」


「「もちろん!」」


「私も荒れてた端水君に襲われかけてた時に助けてもらってたし、たとえ誰かに言われなくてもあの人なら助けてくれるって信じてますから!」


「うぐっ…犬吹の言う通りですよ。俺を改心させてくれるきっかけを与えてくれた人なんだから、そこは自信を持って推します!」


二人の意志をはっきりと受け取った阪原総監は、深く納得した様子で頷く。そしてちょうど、一同は店主・やすべえのくる面会室へと通されていった。


そこで二人は、店主の変わり果てた姿を見ることになる…

公開が遅くなって、すいませんでした〜(T ^ T)

リアルの方が忙しくて疲れのあまり寝てましたです…


今度の投稿は、すみませんが5月22日の日曜…午後21時にいたします。

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