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80話、鎌倉殿より、今ん所偉いぜ!

頑張れ以盛!






























都より勅使が参った。

もちろん勅使には上座を用意している。



「勅使、藤原右近衛中将基通である。」


「伴遠江守以盛でございます。」


この基通には、俺の異母姉、盛子が嫁いでいるらしく甥に当たる。


「遠江守、そなたを征東大将軍に命ずる。官軍として、賊軍を征討せよ。」


「謹んでお受けいたす。」


「さらに、初代征夷大将軍であった、大伴弟麻呂の伴氏本流の名跡を次、征東大将軍 (ともの)遠江守以盛を名乗れ。」


「はは!」


三河伴氏の資時から伴氏の話はよく聞いている。

征夷大将軍を輩出しているように、武人の故実を伝える家柄だったようだ。資時からもっと聞いとけばよかった。






――――――――松殿、寝殿――――――――




酒の席に着くと実信に徳利と猪口を手渡された。


「勅使殿、酒はいける口でございますか?」


「天下に名高い、伴遠江守殿が注いでくださるお酒は飲まぬ理由がございませぬ。」


「ん?遠州殿、失礼ですがこれは水では?」


「匂いを嗅いでみてくだされ。」


「ぬぬ!この匂いは酒!1口いただきます。」


基通は、酒を1口あおると、無言になった。どうしたんだ!?まずいのか!?なんでこんなもの用意したんだ!?実信!?


「こんな透き通った色をしてこの酒精!そして、いつも飲んでいる濁り酒より飲みやすいですなぁ!」


貴族の口にもあったようだ。


ちょいと俺も1口。ん!これは清酒じゃないか!?


「遠江守殿、この酒はどのようにして作るのでございますか?」


「失礼ながら、勅使様。」


「そなたは?」


「遠州様の義弟、長谷川治部丞でございます。」


「おぉ、そなたが長治部丞。平蔵人殿から常人離れした知力と聞いておるぞ。」


「勿体なきお言葉。」


「で、どうなされたのじゃ?」


「この酒、遠江の川、米でしか作れないのでございます。他の地の材料を使っても、濁り酒が出来てしまいます。勅使様には、毎月献上致します故、都の皆様にも振舞っていただけませぬか?」


「も、もちろんじゃ」


うん。俺の義弟なかなかのこすいこと考えるな。要は俺の甥に友達に自慢させてそれいいな〜って思った友達には買わせるんだろ。


うん。頭がいい。


「しかし、伴遠江守殿は天下一の勇将でおられるのに、こんな優美な庭に、こんなうまい酒を呑みそのうえ、美丈夫とは。野蛮な源家の残党ともいや、賊軍とは違いますな。」

疲れました。

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